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12話

やばいやばいやばい…流石に顔も知らない初めて会う人を1時間半も待たせてしまったのはやばい…。

全速力で出口を飛び出し、その勢いのままスライディング、華麗でアクロバティックな土下座を披露しつつ額を地面にこする付けながら全力で謝った。


「き…昨日ご連絡したアオイです!こちらからお願いしたのにもかかわらず1時間半もお待たせしてしまって本当に申し訳ございません!」


あれ?返事がない…まさか帰ってしまった…?まぁしょうがないだろう。待たせた私たちが明らかに悪いから…土下座を崩すとそこには…そこには女神がいた…


「え、えっとアオイさんですか?私さくらえびと申します。どうぞお見知りおきを」


そう言いながら私の目の前の女神は一礼した。もちろん女神というのは比喩だが整った顔立ちが目を引く。そして何より色々大きい。私のとは比べ物にならない…。私はあまりの神々しさに言葉を失いフリーズしてしまった。


「どうかしましたか?もしかして私に何かついてたりしますか…?」

「いえいえ!そんなことはないんですが、ただ…あまりにもさくらえびさんがお綺麗でつい…」

「ふふふ、嬉しいですね。それで早速ですが今日の本題について聞かせてもらえますか」

「そ…そうでした!デイリーズでのさくらえびさんの%巷の怪奇現象の投稿を見てご連絡したというのはお話ししましたよね?」

「はい。昨日の掲示板ではそこまで聞いてますね。お友達に私と同じ怪奇現象に合われている方がいるのだとか…」

「そうなんです!だからさくらえびさんがその怪奇現象に合われた時の状況を詳しく聞かしてもらえれば何かヒントが得られんじゃないかと思うんです」

「なるほど…分かりました。それでは私が怪奇現象に見舞われた時の状況をお教えしましょう」


さくらえびさんはそう言うと一呼吸おいてゆっくりと話し始めた。




私ワーキングチャレンジャーシリーズの大ファンでワーキングチャレンジャーシリーズの施設を回るのが趣味なんです。あの日もいつものメンバー、あっそうですね、いつものメンバーは私を含めた3人組でいつもワーキングチャレンジャーを体験するときに共に行動する仲間とベーカリー編を体験しようと列に並んでいました。


「さくら、今回は何目標にしてやるの?」

「そうですね…ベーカリー編のゴールズはそんなに多くありませんからフルコンプリートを目指してもいいですね」

「流石さくら…ちなみにどんなのがあるの?」

「ねっ…えっとですね!まず『パン職人5』と『パン職人10』ですかね。これは個人でもグループでもいいのですが5種または10種類のパンを作ったときに獲得できます。他には『町のパン屋さん』ですかね。これはもう売り出しても大丈夫!というパンを作れた時に獲得できます」

「な…なんかそのゴールズ結構獲得するのムリゲー感が強いんだけど…」

「そうですね。『町のパン屋さん』獲得できているのはベーカリー編体験者のうち2~3㌫ほどだと言われています。ただ公式の発表でないのとワーキングチャレンジャーシリーズは入場者を公表しないので何とも言えませんね…」

「ま…まぁとりあえず難しいのね」

「そういうことになりますね」


「次のグループの方、体験ブースが空きましたのでどうぞ」


「順番が来たよ。さぁ行こう!」

「いやぁー楽しみ楽しみ、でもさくらが一番楽しみでしょ?あれ…さくらは?」

「入り口にいるよ、おーいさくら!どうしたの?パン作らないの?」

「い…いえ…入りたいのは山々何ですけど…入れないんです…」

「入れない?私たちは入れてるよ?」

「もうー…押してやればいいんじゃない?もうたまに甘えん坊さんなんだから!」

「い…いえそういうわけじゃ、きゃぁーあ!お…押さないでください!」

「そーれそーれそーれ…入らないわね…もう!色々大きいからでしょ。特にこれよこれ!」

バシバシバシ「い…いたいです…」

「でもさくらが言う通りは入れないわね…どうしたものかしら…」

「困りましたね…」


とまぁこういう風に私は入れなくなってしまったんです。




入れなくなった状況的にはスズとなんら変わりはない。だったらさくらえびさんとスズに共通すること…背は全然違うし、まぁ真面目そうで丁寧な口調っていうことは相違ないわね…あっ、ぜんぜん大きさが違うわ…うん!他に理由があるのかも…


「あのーアオイさん?何かわかりましたか…?」

「あっ!す…すみません。特にこれが分かったということはないんですけど…」

「ご…ごめんなさい!お役に立てませんでしたね…」

「ま…待ってくださいさくらえびさん!今のお話から収穫が一つもなかったというわけではありません!さくらえびさんとスズが、あっ!今怪奇現象に見舞われている友達が施設に入れなくなった状況がかなり酷似してるんです。だからさくらえびさんとスズの共通点を探そうと思ったんですけど…」


と私はもう一度さくらえびさんに目をやった…いややっぱりでかい…これは…これは…どこに共通点があるんだ…?


「共通点がなかったですか…。どうして私とスズさんだけが入れなくなってしまったんでしょうか…」


美女と子供が一緒に首を傾げう~んとうなっている…なんですかこの光景は…考える人の像が二つできてなんとも異様な光景が繰り広げれていた。


「おーい、アオイ―お待たせ」

「アオイさん、お友達ですか?」


さくらえびさんに聞かれ施設の方を見るとホノカとスズがこっちに走ってきているのが見えた。


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