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10話

「前回のあらすじです!前回はホノカちゃんがおいしいメロンパンの作り方を紹介しましたよね。あのメロンパンとってもおいしかったです~…今回は私の大好きなチョココロネの作り方を教えてくれるみたいですよ。うふふ、楽しみですね」

「ねぇホノカ今まで前回のあらすじなんて言ってたっけ…」

「いや、初めてだけど…ちょっとハードルが上がった気がする…」


♪~てれれってれれ、てれれてれれてれれ、てれれれれれてれてれててってて…

 みなさんこんにちは!今日も始まりましたよ、ホノカちゃんのおしゃべりクッキング!今日はチョココロネの作り方です!アシスタントは私スズが担当しますね。


「ストップ、ストップ、ねぇどうしたの急に…」

「どうしたもこうしたもチョココロネを作るんです!お手伝いしないわけにはいかないじゃないですか!」

「お…おう…ってちょっとホノカ、スズあんなこと言ってるけど大丈夫なの…?」

 大丈夫だと思う…たぶん…?



ピンポンパンポーン お知らせデス

詳しい作り方は解説小説「こちらの世界はこうですよ~教えてヘル先生 異世界ライフのすすめ!~」にてお送りする予定です…いやーなかなか物語が進まないのでご勘弁を… by作者



体験ブースに入ってかなり時間が経ってしまった…時計はもうすぐ全部の数字が0になろうとしている…ん?もうすぐお昼ってことは…


「ア…アオイ、さくらえびさんとの待ち合わせって何時だっけ…」

「えぇーと、お昼にワーキングチャレンジャー(ベーカリー編)の前のベンチって…えっ!もうお昼になるじゃんか!ふ…二人とも早く片づけして行くわよ!」

「あわあわ…大変です!さくらえびさんは掲示板のやり取りから考えるにきっと優しい方なんでしょうけどあまりにもまたしたら…」

「や…やばい!早く片付けるよ!」


なぜ私たちがこんなに慌ててるかって?はやくカバンとか持って行けばいいじゃんって?えへへーそうだよね…でも見てよこれ…

なんということでしょう…来たときはあんなにきれいだった体験ブースが…ものの数時間でごみ屋敷のようになってしまったではありませんか。

流しには放置されたままのボールや様々な道具が使ったまま放置され、作業台には生地の切れ端や、粉が散乱していてまるで作業台というケーキを粉砂糖がデコレーションしているかのようです。そして極めつけはこの床!小麦粉や塩、水などが混ざり合ってなんともいえない光景になっています。

今回の変貌にかかった時間はわずか4時間…さぁ次はどのようなごみ屋敷が見れるのでしょうか…


「見れるのでしょうか…」

「ホ・ノ・カ…?あんたしゃべってないで片付けなさいー!これ八割方あんたの仕業だからね!」

「今回ばかりはホノカちゃんの擁護はできませんね…だってホノカちゃん作るのは上手なんですけど…」



はいはいー…みなさんこんにちは…若干プンプン気味のアオイでーす。さてみなさんにはこれから容疑者ホノカがどのようにこのごみ屋敷を作ったのかをお見せしていきたいと思いまーす。解説は三つ編みメガネちゃんでお馴染みのスズさんです。

「よ…よろしくお願いします…なんですかアオイちゃんこれ…」

スズは当時の状況を第三者目線で解説していってほしいの。私が嘘を言ってないってことをね…

「(こ…怖い…目が死んじゃってます…)わ…分かりました!公平に解説していきますね」


ケース1.小麦粉こぼす事件

 最初はこれね…なぜあそこでこぼすか私には理解できないわ…

「みなさんにご説明しますね。メロンパンを作るとき強力粉や薄力粉の量を量ったの覚えていますか?話はあの時に遡ります…」


「じゃあまず次の材料を準備してくださいね」

「ちゃんと量まで覚えてるんですか?すごいです!」

「じゃあまず強力粉200gね」バサー

「…」

「…」

「えーっと…あと10gくらいか…」バサー

「…えーっとホノカちゃん?一応聞きますが何してるんですか?」

「えっ?何してるって見ての通り強力粉を量ってるんだよ」

「いや…その大きな袋から直接入れる?普通…」

「だっていつもパン屋さんで練習してた時にはバサーっておばさん入れてたよ」

「あれはいっぱいつくるからです…200gくらいだったら小さい袋に移し替えるなりするのが妥当だと思いますよ…」

「えーでも量れるからいいよね…」バッサァー

「あっ…入れすぎちゃった、てへ♪」


「ホノカちゃん入れすぎちゃって粉がブワァーってなっちゃったんですけど、あの時片付けなかったんですよね…」

そう、あの時片付けておけば、この惨状にはならなかったと思うわ…。


ケース2.後片付けすぐにしない事件

「『入れすぎちゃった、てへ♪』ってかわいく言っても無駄よ。あんたが片付けなさいよこれ」


私はこぼれた小麦粉を哀れみの目で見ながら言ったわ。そしたらホノカは…


「大丈夫大丈夫!あとでまとめて片付けるからね。あっこのボールももういいや」


ホノカはそう言いながら器用にボールを滑らせ流しにホールインワンしたの。まぁここで洗い物をしておけばいいのに「後で後で」っていってメロンパン作りに集中しちゃったからもう私たちも放っておいたの。

「あれは私でも呆れてしまいました…」



「あそこで私たちが手伝っていればこんなことには…」

「だめよスズ。ホノカには厳しく当たらないといけないときもあるの」


汚れ続ける体験ブース、出来上がるメロンパン、そして訪れた悪夢の時間…。

「次回、体験ブースお掃除大作戦!お楽しみに!」

「だから後回しにするな!」


こうして鬼と化したアオイの監視のもと私は必死に洗い物をし、床を掃き、雑巾がけし、作業台の上もきれいにしていった。思えばいつもおばさんが片付けてくれてたから片付けたことなかった…


「お…終わったー…」

「はいお疲れ様。まぁ一人でほとんどやったからすごいとは思うけど次からはちゃんと片付けながらやりなさいよ?」

「はっ…はい」

「ふ…二人とも大変です!時計を…時計をみてください!」


ホノカに言われ時計を見た私とアオイの顔はみるみる青ざめた。…pm 1:30

「きゃぁーあ!さくらえびさん待たせてるんだった!い…行くわよ!」

「ま…まってー!」

「うふふ…慌てん坊さんですね。忘れ物はないですかね…よし!じゃあお邪魔しました!」

バタン、ガチャガチャ…


本日は当施設をご利用いただきありがとうございました。またのご利用お待ちしています。


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