01話
ピピピピ、ピピピピピ、ピピピピ…
「むにゃむにゃ」
ピピピピ、ピピピピピ、ピピピピ…
「フゥーン…。あと5ふゅんだけ…」
ピピピピ、ピピピピピ、ピピピピ…
「うるしゃいな…、何時だと思ってるの…」
『8時30分です。今日の予定は一件、8時15分から学校です』
「がっこう…?がっこう…嘘でしょ!8時30分…」
ホームから飛び出し急いで掲示板を見に行かなくては…。きっとみんな呆れてるだろうな…。今月に入って何回目?
『日記を検索します。遅刻は今月に入って12回目です。遅刻回数の新記録を確認しました。記録更新おめでとうございます』
ぜんぜんおめでとうじゃないんですけど!もう…いやだ―――――――――!
【掲示板:ホノカ・アオイ・スズ】
アオイ:ホノカまた遅刻?先行ってるね
スズ:ホノカ起きたら返事くださいね
今起きました…。今から全速力で移動します!:ホノカ
アオイ:了解。待ってるね
スズ:途中事故には気を付けてくださいね!
思った通り…。やっぱり掲示板に二人からの哀れみコメントが書いてあった…。こんなことしてる暇なかった!急いで学校行かないと!
私は遅刻の常習犯だから急ぐとか言いつつ急がないのだけれど…。ゆっくり登校する私だからわかることだけど毎朝同じ道を登校するのに見える景色が全然違う。この町はいつも楽しい音楽や出来事でいっぱいだ!今日学校が終わったらみんなとどこに遊びに行こうかな?そういえばまた新しい施設ができたらしい…。そこに行ってみようかな…。
キーコーンカーコーンキーンコーンカーコンキーコーンカーコーンキーコンカーンコン
「ホノカ、今日で遅刻記録更新じゃない?」
「あ、え、えぇ…っ?そうだっけ…?」
『確かに今日の遅刻で3月の記録を更新しました』
「なんで言っちゃうかな…」
「あははは、やっぱりヘルは正直者だな…。嘘はつけないや」
「うぅー…ヘルは正直者すぎるよ!」
「でもホノカちゃんがお寝坊さんなのも悪いですよ?」
「スズまで…」
「まあまあ、それで今日はどこに遊びに行くの?」
「そうそう。私のホームの近くにね新しい施設ができたの!折角だから行ってみない?」
「また新しい施設ができたんですか?ホノカちゃんのホームの近くはすぐに景色が変わってしまいます…」
「いやいやスズのホームの近くが変わらなさすぎなだけだよ!」
「確かにそうかもしれませんね。アオイちゃんのホームの近くもすぐに新しい施設ができますもんね」
「そうだね。でもなんだか最近は昔みたいに出来ては消え、出来ては消えじゃないんだよね…」
「アオイのホームの近くほんと入れ替わりが激しかったよね!でも何かあったの」
「いや、特に思い当たることはないんだけどね…」
「あっ!ホノカちゃんあれですか新しい施設って」
「そうだね。えぇーと『ドルフィンレース』って読むのかな?可愛いところだね」
「そうだね。さっさっ早く入ろ!」
「あぁーアオイちゃん早すぎですー待ってくださいー」
『施設名ドルフィンレースをネット検索します。
ドルフィンレースはレース型ゲーム施設だよ!プレーヤーはイルカの背中に乗り島から島へレースをするよ。途中出てくるアイテムの効果は次を見てね♪
①お邪魔アイテム:相手の泳ぎをお邪魔して先にゴールしちゃおう♪
・ナマコ:相手のイルカが滑っちゃうよ
・ワカメ:相手のイルカにくっついて泳ぎをお邪魔!泳ぐスピードが少しの間遅くなるよ
②お助けアイテム:自分のイルカさんに使ってイルカさんも元気もりもり♪
・小魚:おなか一杯のイルカさんはやる気もりもり♪泳ぐスピードもアップするよ
・貝殻:イルカさんがおしゃれになっちゃう?お邪魔アイテムを回避するよ
他の人より先にゴールして隣の島にあるフルーツを食べちゃおう!
以上が検索結果です。」
「きゃーあ可愛い!ねぇ二人とも見てみてこのイルカさん超可愛くない」
「ホントですね。とっても可愛いです」
「ねぇみんなで一枚写真撮ろうよ」
「そうだね。はいスズも並んでよー。ホノカうまくイルカさんも入れてよね」
「はいはいー。じゃあ撮るよ、ハイポーズ」カシャ
「見せて見せて。きゃー超いい写真なんですけど」
「みんな可愛く映れてます!」
「後でみんなに送っとくね」
『今の写真をアオイさん、スズさんに送りますか?』
「そうだね。ヘルお願いできるかな」
『畏まりました。写真を送信しました』
「よし、じゃあイルカさんレーススタートだよ。絶対負けないからね!」
「私も負けません。望むところですよ!」
「じゃあ位置について、よーい、ドン!」
バシャバシャバシャ。やっぱり海は気持ちいいな!