3.空白の時間
諸星流星が気を失っていた時間の出来事です。
春日部はS12シルビアで峠を越えていた。
「ここへ逃げ込むなんて、犯人は地元民じゃないんですかね?」
菊池が言う。
「どうだろうな、作戦としてここへ逃げ込んだのかもしれないしな。」
春日部はウーンとうなる。
「まあ、取りあえず捕まえればいいんだろ。」
菊池が言うと、ピピピピピと無線が鳴った、
[島です、諸星がマシンガンで襲われました。怪我は無いようですが、気絶してます。]
「了解。島も気をつけろ。」
無線を戻す。すると、後ろにセリカXXが現れた。
セリカXXはググーッと近づいてくるとリトラクタブルヘッドライトを上げてライトを点灯させるとともに、
屋根に赤色灯を付けた。
「樫山が急げって。」
菊池が後ろを親指でさして言う。
「ったくしょーがねー。」
春日部はそう言うとリトラクタブルヘッドライトを上げてライトを点灯させた。
そしてアクセルを踏み込む。
狭い峠道を2台の覆面パトカーがタイヤをキキッとうならせながら進んでいく。
そして2車線区間になるところで、セリカXXが右にハンドルを切り車体を振らせると今度は左に切り、道をひさぐように停車した。
[こっちは任せろ。]
樫山が無線で言った。
「頼んだぞ、絶対に通すな!」
春日部は菊池の言葉にアクセルを踏み込んだ。
「そろそろこっち来てもいい頃だな。」
春日部は左右をよく見て水色のサニトラを探す。
そこへまた無線が入った。
[島です。今さっき諸星が意識をとし戻して「トラック...荷台...マシンガン......気をつけて」と言い残して気を失いました。二人とも気をつけてください。]
「了解。」
すると島の無線に混じってファンファンファンファンというサイレンが聞こえた。
「応援が来るな。」
二人は懸命にサニトラを探したがいっこうに見つからない。
ここら辺に脇道もあまりなく行ってもすぐに行き止まりになってしまう。
民家も10軒ほどしか無い。
白パト軍団と合流し、手分けして探した物のその日彼らが水色のサニートラックナンバーあおば45 と32-10の車両を見つけることは無かった。