少年・彼は刑事
彼はチェリーの覆面パトカーに乗っている。
ピピピピピ無線が鳴り、
[犯人の逃走車は車は水色のサニートラック。ナンバーはあおば45 と32-10とのことです。注意してください。]
流星が銀行に向かっていると目の前の交差点をシャンと通り抜けた水色のトラックが通った。
「きたっ!」
彼は交差点に進入し、後輪を流しながら曲がるとナンバーを確認した。
「どんぴしゃ!!」
ナンバーはあおば45 と32-10であった。
無線のマイクを取ると、
「犯人を発見。現在市役所通りを西へ逃走中。応援願います。」
無線のマイクを助手席に放り出し、ギアを3速に入れた。
そのまま追跡していると犯人は、一本の道しかつながっていない青羽根谷に出た。
逃げるとしても途中で二手に分かれて一方は行き止まり、もう一方はつながっているが峠なので、回り込んでしまえば挟み撃ちにできると思った。
無線で、
「カベさん、キリトさん谷川線に入ったので北から回り込んでください。」
と挟み撃ちにしようと呼びかけた。
春日部のシルビアの助手席に乗っている菊池と、セリカXXに乗っている樫山が
「了解。」
SA22CサバンナRX-7に乗っている島が
「俺はそのまま南から回り込みます。」
と伝えた。
そのまま追跡していると、トラックのリアのふたががばっと開いた。
バババババババババババババン
取り付けてあった機関銃が火を噴いた。
フロントガラスに銃弾がたくさん刺さり粉々に割れた。
「きゃー。」
流星はトラウマでパニックに陥った。
落ち着いた運転ができなくなり、車が左右に降られて舗装道路を飛び出し横の砂山に乗り上げた。
*
流星と同じく南から回り込んでいた島の耳に銃声が響いた。
「マシンガン!?」
不安がよぎりアクセルを強く踏み込んだ。
少し進むと、道の脇の砂山に流星のチェリーが乗り上げていた。
犯人に逃げられないようにサイドブレーキを引き、道をふさぐようにRX-7を止めた。
「だいじょぶか!!」
チェリーに駆け寄り島が叫んだ。
車内でハンドルに寄りかかり気を失っている諸星が居た。