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青春を駆ける少年刑事  作者: 妖狐
~第二話~遠い日の思い出
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3.少年達と不良

諸星は翌日普通に学校に登校した。教室に入ると端っこの席で静かに本を読んでいる奴に話しかける。

彼は夕闇(ゆうやみ)日影(ひかげ)流星と鎌の情報屋だ。彼の情報網はすごく大人に引けをとらない。

肩をとんとんとたたくと、

「放課後体育館裏で待ってろ。」

とだけ言われたので、素直に従うことにした。


すらすらと授業を済ませ、駐車場を横目に体育館裏に行こうとすると少年課の覆面車が目に入った。

課長の紺のレパード3.0アルティマと四条(しじょう)刑事のLJ10型ジムニーだ。

今日PTA達との話し合いかと、思いながら体育館裏へ急いだ。

「で、どうした、昨日の殺されてた刑事さんの情報が欲しいの?」

日影がパーカーのフードで影になっている顔をにやつかせて言う。

「分かってるのか。じゃあ、お願いな。」

と、流星が手早く答える。

「じゃ、また明日の放課後、ここで。」

と、答えるとさっさと帰ってしまった。

「あいつ俺の考えてること読めんのかな。」

はぁ、とため息をつくと、方向転換し駐車場にむかおうとする。

すると、

「おい、テメー、諸星だか知らねーが、学校へ車で来て刑事だって行って途中で抜けたり何様のつもりなんだよオラ。」

といいながら3人組の不良が現れた。

奴らのカッコも悪いもんだ。制服のボタンはすべて外し羽織っているし、髪の毛は金や茶髪にメッシュが入っている。耳にはいくつものピアスを付けている。

心の中で(お前らの方が悪いだろ)と思いながら、

「お前らなんのようだ。用があるんだったら今急いでるから、後にしてくんねえかな?」

と答えると、

「テメー逃げるのかよ、そうはさせねえぞ。」

何を勘違いしたのか一人が殴りかかってくる。

流星はさっとそれをかわす。するとテメーと発しながらもう二人が飛びかかってきた。

さっとかわしながら

「お前らの物わかりの悪い奴らだな。」

と言うと(こんな奴らに関わらない方がいい)と思いながら駐車場へさっさと逃げようとした。

しかし、頬を何かがかすめる。

流星の頬から血が垂れ始める。

流星はチッと舌打ちすると、頬をかすったカッターナイフを持った腕をそのままつかんで背負い投げをした。

一人が地面に背中を打ち付けへばってしまう。

残りの二人も襲いかかってくるが、一人をつかみくるりと方向転換させるともう一人と頭をぶつけ合った。

グハッといいながら結局三人はへばってしまった。

ハーとため息をつきながら胸元から無線機を取り出すと、誰かを呼んだ。


「どーした?話し合いの途中なのに呼び出すなよ。」

いらつきながら現れたのは少年課の四条(しじょう)(めぐる)だ。

それにつづき、少年課課長の鹿川(かがわ)双葉(ふたば)、同じく少年課の東条(とうじょう)夏織(かおり)、それに校長の寺西(てらにし)に教務主任の片岡(かたおか)、そしてこの学校の生徒指導であり流星のクラス1-3の担任である坂田(さかた)六郎(ろくろう)だ。

「みんな来なくても良かったんですが・・・」

流星はまじかと思いながら言う。

「それでこいつらどうしたんだ。ってかおまえ顔大丈夫かよ?」

坂田がおどろきながらハンカチを差し出す。

ありがとうと言うようにハンカチを受け取り、頬に当てながら話し始める。

「俺が気に入んなかったのか急に襲いかかってきたもんで、最初は逃げようと思ったんですけど刃物出してきたから補導決定ってことで抵抗できないくらいにしときました。本当はこんな事したくないんですけどね。」

と説明すると、納得したのか

「よし、署まで連れて行きましょう。事情聴取させてもらいますか。先生方も文句はないですよね。」

課長の双葉が言うと、はい。と全員がうなずいた。

結局三人は先生、刑事、親にこってり絞られる事になったのだった。

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