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青春を駆ける少年刑事  作者: 妖狐
~第二話~遠い日の思い出
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1.消えた天使の遺し物

第二章開幕です。

長い雨が続く6月のある日の蒼葉警察署捜査課、

リリリリリリリン、一つの電話が鳴り響く。

リリリリリリリン、ガチャ

「はい蒼葉署捜査課。」

春日部が電話に出る

「何!旧市街地の廃ホテルで白骨死体!?わかりました今すぐそちらへ伺います。」

春日部は電話を置くと

「全員旧市街地の廃ホテルに行くぞ。」

と言った。

皆は上着を取り刑事部屋を出た。


現場に到着すると発見者が待っていて案内してくれた。

廃ホテルには旧市街地再開発計画で取り壊し予定になったのを、壊す前にチェックをしていたらしい。

ホテル最上階の15階。廊下の突き当たりに一人の死体が寄りかかっていた。

よく調べようと近づくとみんなが顔をしかめた。

なんと手に拳銃・コルトローマン2.5インチが握られていた。

すでにほとんどが白骨化している死体の周りは、出血からなのか黒いシミが床に広がっていた。

そしてテープの録音再生機が転がっていた。


それを見て、春日部と菊池は顔色を変えた。

二人の異変に気がつき樫山が声を掛ける。

「二人ともどうしたんですか?」

それでも二人は固まったままだ。

そしてやっと二人は顔を見合わせた。二人は同時に口を開いた。

「ま、まさか、お前、奥村(おくむら)なのか?」

菊池が膝を落として言う。

「そ、そんなわけないよな。ちょうど5年前の今日行方知らずになったからって、そんな…」

「嘘だよな、違うだろう…そうだよ、まだ奥村と決まった訳じゃな、ないだろ…」

春日部が顔を歪ませながら言う。

5年前というと、まだ課長、春日部、菊池以外のメンバーは捜査課に居ない頃である。


元気のなくなった捜査課は鑑識を呼び身元の特定に入った。

死体の服の胸ポケットから警察手帳が入っていた。手袋をした島がゆっくりと開くと、

「奥村勇人」

という名前が書いてあった。

「やっぱりそうだったか・・・」

なんともいえない雰囲気になった。


刑事部屋に引き上げてきた全員は奥村の遺品のカセットテープを聞いてみることにした。

A面から聞くことにした。

ラジカセの再生ボタンを押すとカタカタという音とともにテープが回り始めた。

{♪~♫~♩~口先だけで生きている〜♪♯♭〜OLD TIME IS PAST NEW TIME BE COME ALL RIGHT GET SET ON YOUR MARK

IT'S NOT TOO LATE BECAUSE WE ARE YOUNG BECAUSE WE ARE YOUNG}

聞き覚えのある声が歌を歌っている。

BOOWYのTEENAGE EMOTIONだ。

最後まで流れた後、春日部が一時停止ボタンを使って曲を停めた。

「なかよかったんだよ。俺の一個下でほんと可愛かった。俺と菊池と奥村とあと2人の計5人でバンド組んでたんだよ・・・」

春日部がなつかしそうに言う。

「俺がボーカル、菊池がサックスやシンセ、奥村がギターだったな。」

そのまま再生を再開させると続けてGIVE IT TO ME、NO.NEW YORKがかかると、テープが止まった。

今度はB面に切り替えるとそれは衝撃の内容だった。

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