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青春を駆ける少年刑事  作者: 妖狐
~第一話~少年刑事現る!?
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7.「てめぇ、自分の命ぐらい大切にしたらどうだ!!」

諸星の友達視点です。

俺は菊池(きくち)(れん)まあ、親父はあの捜査課の菊池競だ。

蒼葉中学校1年生で、諸星流星の親友だ。

彼が小学6年生の頃から知っている。今思えばだいぶ健康な体つきになったのだが・・・


いつもと同じように学校にチェリーで来たリュウが教室に入ってくる。

鞄の中身を机に移し替えると自分は後ろを向いていつも話をしている。

彼もまえに比べれは、だいぶ笑顔を見せるようになった。

初めて会ったときは他人におびえ、カベさんの後ろに隠れていた。

それが嘘のように普通の中学生とも思えるようになってきた。


いつものように南校舎の自分たちは北校舎の理科室に向かっていた。

いつもと変わりないようなリュウだったが、若干目の下の隈がヒドかったぐらいだ。

理科室で授業を終え、教室に戻るときに事件は起こった。

二人で刑事ドラマに出てくる230セドリックについて話をしていたときだ、

リュウの体がぐらっと揺れた。

「大丈夫か?」

心配して声を掛けるが、奴は

「大丈夫。」

そう答えたが少し歩いたところで、ガクッとリュウ膝が崩れ落ちた。

床へバタッと倒れ込むリュウ。

慌てて声を掛けるが彼はすぐに目を閉じた。

「おい、おい、リュウ、」

声を掛けても反応しない。揺さぶっても気付かない。

なのでクラスメイトに声を掛け数名で保健室に運んだ。

保健室に入ると白衣を纏った養護教諭の清水(しみず)(しん)

「どうした、」

近寄りながら数名に担がれているリュウが目に入ったのか、

「取りあえずベッドに運べ。」

指示をする。

みんなでベッドに乗せると、リュウのポッケに入っていた無線機がなった。

「はい、鎌です。」

答えると

[おう、鎌か。諸星はどうした。]

おどろいたようなので、リュウの状態を報告した。

[わかった。お前、モロに付いてろ。絶対離れるなよ。]

そう言って無線は切れた。

そうこうしていると、清水が

「万が一のことがあるかもしれないから、病院に連れて行こう。」

そういってお姫様だっこで運び、清水の車のいすゞ117クーペ後期型に乗せた。

自分も乗り、病院へ急行した。


白山病院に到着した彼らは、急いで先生の所へ連れて行った。

検査をしてもらったが問題は無く、寝不足・栄養不足による物だった。

点滴を受ける彼がおきるのを自分はずっと待っていた。


点滴が終わったが彼はまだおきなかった。

自分も寝てしまったらしい。ふと眼を覚ましてぼーっとしているとリュウが起き上がった。

もう日はすでに傾いていて、リュウはおどろいたように飛び上がり、部屋を出て行こうとする。

自分は追っかけて部屋から出るまえに彼の腕をつかんだ。

「どこ行く気だ。」

いつもより低いトーンで言う。

「捜査に行くんだ。邪魔しないでくれ。」

そのリュウの台詞についに俺のこらえていた物が切れた。

俺はリュウの胸ぐらをつかんで引き寄せ、全力でリュウの頬をぶん殴った。そして彼に吐き捨てるように言った。

「てめぇ、自分の命ぐらい大切にしたらどうだ!!」

殴られたリュウは自分を睨み付けてくる。

「馬鹿野郎、ばかや、ろう・・・どれだけ俺に心配掛けてると思ってんだよ。せっかく親父とカベさんに拾ってもらった命なのに、そんな無理してお前の体に何かあったら困るだろ。」

涙を流しながら言う。

殴られたときの体勢のまま、目から一筋つつーと涙を流し、

「ご、ご、ごめんよ。おれ、俺、お前にそんな迷惑掛けてたなんて、でも、でも、仕方なかったんだ。毎日見るアノ夢が、アノ夢が・・・」

肩を震えさせながら泣く諸星。

「お前、何があったんだ。」

少し間を明けて話しかける。

「拾われた日の悪夢を見るんだよぉ。あの機関銃(マシンガン)を見てからぁ。」

彼を抱き寄せ、頭をなでながら、

「おまえは俺が守ってやる、守ってやるよぉ。」

そうなだめていると、泣き疲れたのか腕の中で寝てしまったようだ。

またベットへ寝かせ、自分もそばに座っていた。

自分は思った。こんなゆったりした時間が続けばいいのに・・・

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