6.少年・彼の立場
城川警察署に連れてこられてしまった。
流星は車内で課長や署長に迷惑掛けるな、と思っていた。
「こっち来い。」
と、連れて行かれたのは少年課、ではなく取調室。
追加で2人の警官がはいってきて持ち物検査をされた。
1.拳銃(ゴム弾装填)2.拳銃(火薬空砲・脅しに使う物)3.チェリーの鍵4.警察手帳(もちろん自分の物)
5.手錠(アルミ製)6.財布(なんだかんだで1万円ぐらい入ってる)7.特殊免許(少年刑事用の特別な物)
8.筆記用具9.メモ帳
が、出てきた。
「おい、名前はなんだ。」
聞かれたので素直に答える。
「諸星流星、13歳、蒼葉中学校1年生および蒼葉警察署捜査課勤務。」
「ほんとだろうな。」
しつこく迫ってくるので
「おう。」
あきれたように答える。
「確認撮ってくれ。」
一人がそう言うと電話を掛けた。
「どうも、城川警察署の者ですが、蒼葉警察署捜査課でしょうか。」
[はい、私は捜査課長の滝川ですが何か。]
「お宅さんの刑事という少年が居るんですけど、名前は諸星流星って言うんですが。」
[はい、確かにうちの刑事ですが。どうかしましたか。]
「いや、遅い時間に中学生が出歩いていて拳銃もって車運転していたらね・・・」
[すみません。今から迎えに行きましょうか。]
他の警官達とアイコンタクトを取り、
「誤解解けたので今から返します。迎えは結構です。」
確認を取った警官は電話を切った。
「誤解するようなことはしないように。こっちに来る場合はその前に連絡するように。」
そう言って荷物を返され取調室から追い出された。
はぁ、ため息をつきながら警察署を出ると声を掛けられた。
「お、諸星じゃんか。」
声を掛けられて見上げると、一人の警官が居た。
「おっと、俺のこと知らないよな。俺は、この署の交通課の課長をやってる來村っていうんだ。課長じゃなくってお宅の署長さんに聞けばわかると思うぜ。よろしく言っといてくれ。」
そう言うと署に入っていってしまった。
「は?」
誰だあいつと少しぽかーんとしていたが、せっせと車に乗って署に帰った。
当然だが、課長に怒られた。
「お前って奴は・・・今度から誰かと一緒に行け。」
と言われてしまった。
ただし、サニトラの目撃情報の件を話すと目が鋭くなった。
「ってことは、あの青羽根谷の途中からどうにかして城川に抜けたってことか・・・」
春日部が食らいついてくる
「その可能性はありそうですね。時間が時間だしその件は明日にしましょう。」
滝川の言葉でお開きになった。
警察の独身寮に帰ってきた流星は、部屋の前に置かれている通学鞄を持ち鍵を開けて部屋に入った。
鎌が毎日こうして置いてくれているのだ。
なんだかんだアドバイスなんか書いたノートと一緒に。
まず、ご飯を作りそれを食べた後に風呂に入って寝る。そんな生活サイクルのはずだったのだが、
あの夢を、あのマシンガンのせいで思い出してからは・・・
キラリと光る銃口
「やばい、よけろ。」
春日部と菊池を押す自分。
火を噴く機関銃マシンガン
肩を撃ち抜かれて宙に飛ぶ自分
二人の刑事デカが闇に向かって銃を撃つ
悲鳴を上げて倒れる男と女
自分に駆け寄ってくる刑事
そして目が覚める、気がつくと寝付いてから1時間半しか経っていない。
しかし、その後恐怖に震え一睡もすること無く6時を迎え食事を食べ学校に向かうのだった。
そんな生活を事件があった月曜から今日、金曜日の朝までしているのだった。