嘘
ひとつ、嘘をついた。
それを隠したくて、ふたつ、嘘をついた。
それがバレてしまうのが怖くて、みっつ、嘘をついた。
そうやって嘘を重ね続けて、
僕はもう自分が誰だかわからなくなった。
楽しいと思うことってなんだっけ?
悲しいことってなんだっけ?
甘いものなんて、ホントは好きじゃないかもしれない。
犬が死んだって、ホントは悲しくないのかもしれない。
自分なんてその程度の存在だって、
大きな神様に言われてるような気がした。
この嘘たちが全部バレたら僕は、
本当の僕になれるのかな。