36-15 予定調和、興奮めされたマナ先生は絶対に止まらない、絶対に 2/2
「うふふ……怖いもの持ち歩いてるのねアレッキュン♪ そっちがその気なら先生だって破壊力には破壊力で歓迎するわ~♪ 必殺魔法ホーリーを見せちゃう!」
「ちょっ、生徒になにとんでもないヤツぶっ放そうとしてるんですかっ?!」
こっちの脅しにもマナ先生は引きませんでした。
むしろもっと危険な展開にワープ進化、神聖魔法の中でも飛びきりのヤバい系、ホーリーの増幅を始めています。
だがこっちだってもう後には退けないのです、やるしかない、これは俺が先生を撃破するか犯られるかの2択のイベントなのだからー!
「ああもうっ火傷しても知りませんからね!」
「不思議、今のアレッキュンなら本気で戦っても平気そうだもの。いくわよ、先生の愛を受け止めてアレッキュン! 女神よ、彼の者を貫け、聖なる光球、ホーリー!!」
ま、マジで来るぅぅ!!
こうなったら投げるしかない、マナ先生が怪我したら回復魔法に頼ろう!
俺は迷いながらもフレアジェムをマナ先生に振りかぶりました。だって今さら手遅れ、妙な光が空から俺めがけて降ってきてるんですもん!!
「――お止め下さい!!」
「へ……ぐへぎゃっ?!!」
ところがガチに発展した2人の死闘に割って入る者がいました。
あの優秀なるアドバイザー、モショポーさんも屈する爆乳年増エルフのヘキサー・フレイムさんです。
俺が投擲しかけたジェムをハイキックで押し返し、コンボ技で人の肩を踏み出しにして天へと飛翔されていました。
ダァァンッ!! とか爆発音が天にてとどろき、慌てて俺は今いるその場から飛び退くことになりました。
だってマナ先生のホーリーが天より落下してきていたはずだったのですから。
「あらぁ~……すごぉ~い……あらビックリ~、うふふふふ♪」
「ご無事ですかオーナー。ご安心下さい、脅威は排除いたしました」
マナ先生が空を見上げていました。
まあそりゃそうでしょう、発動させた魔法が大地に着弾しなかったのですから。
「あの……ヘキサーさん……ホーリーはどこやったのかな……?」
「はい、ですから、排除いたしました」
「それはね~、ホーリーは~、ヘキサーさんに……蹴り飛ばされちゃったぁー♪」
魔法を、蹴り飛ばした……?
いやいやいやいやいやいや! おかしいしそんなの! バトルマンガの世界じゃないんだから!
蹴りで魔法跳ね返せたら魔法防御値の立場とかねーじゃん、REGが泣いちゃうよ!!
「あら……というより私……あらぁ~~? 私ったら何してたのかしらぁ~、ここって男湯じゃなーい、もう……アレッキュンの前なのに恥ずかしいことしちゃった……っ」
「正気を取り戻されたようですね、見事なホーリーでございました」
俺、マナ先生の正気と狂気の境界線がわかんなくなってきてます……。
本当に正気に戻ってくれたんですよね……?
暴走の沸点がだだ下がってるから即発火するし、もう何が何だかわからんですよ……。
「うふふ……ヘキサーさんも凄かったわ~♪ 魔法って~、蹴り技でどうにかなるものなのね~♪」
「いや聞いたことないよ俺、サッカーボールじゃないんだから普通無理でしょ……」
「お疲れさまでしたオーナー。あとはわたくしにお任せ下さい。……よもやこれほどまでの使い手が公都にいらっしゃったとは……後日、お相手下さいませマナ様。最近少しばかりなまってしまっておりまして……フッ」
何か俺の前でバトルマンガ的な展開が始まってる気がする……。
さらなる強者が現れたり、暗黒武道会が開かれたりするやつでしょこれ……?
バスタオル1枚のマナ先生と、メイド服姿の猛将ヘキサーさんが静かな火花を散らしておられました。
「うふふ、何のことかよくわかりませんが……聖職者として困ってる方は見捨てられませんわ♪ お泊まりが終わりましたらぜひお手伝いいたしましょう。うふふ……」
「感謝します。オーナーの野望達成のためにも、わたくしは再鍛錬の機会を求めておりました。その日が楽しみです」
実は改造モショポーさんを軸とした、改造人間軍団創設をちょっとヘキサーさんに相談したことがありました。
ま、そのおかげでモショポーさんが今さらなる地獄を見ているとも言えますけど。
「へくしょっ! そういや裸だったわ俺……じゃ、お先に上がるから2人ともごゆっくり……」
「何言ってるの? アレッキュンはこれから先生の部屋でお茶して過ごすのっ! あっ、1人でちゃんと身体拭ける~? お姉ちゃんが手伝ってあげようか~?」
マナ先生は魅力的な女性です。
美人で愛らしくやさしさに満ちたお人、でもそのやさしさはやらしさでもあるのです。
「嬉しいですね、ええもちろん、お断りします」
「じゃあ! お着替えを手伝ってあげるわっ! ぱ、ぱん、ぱんちゅをはかせてあげる……っ!」
何を言ってるんだこの人は……。
これが暴走じゃないと言うならどんなシラフだし……。
はい、そんなわけです……。その後も果てのないセクハラが飽きもせず一日中続きましたとさ……。
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後日談。ここより南に深い木々に包まれた小山がありました。
ええまあ、それマナ先生がお帰りになった昨日までの話なんですけど……。
何でかというと今朝、領館に緊急報告ってのが飛んできました。
温泉街からの報告です。
なんか夜が明けたら、向こうの山の様子がおかしい。
山頂の木々が根こそぎへし折れ、ほとんどが消し飛んでた。
もう何が起こったのかわからない、急ぎ判断を下さい領主様……。
だってさ……。は……はははっ、はははははは……。
アカシャの家の神聖魔法教師やべぇぇ……。
何でかわかんないけど、やっぱりマナ先生には勝てる気がしないよ……。
またやらかしました、先ほどの最新話は誤投稿です……。