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第7話~クレープ~
7日目、土曜日。
「すいませ~ん、苺チョコバナナを1つ下さ~い」
会社の帰り道、クレープの屋台を見掛けた。
昨日は徹夜で疲れたので自分へのご褒美。
「じゃあ、早速……って、おや?」
いざ食べようとした所で、女の子が呆然と立ち尽くしている事に気が付いた。
そして、足下にはクレープが……。
――おっ! 一日一善!
「お嬢ちゃん、私のクレープをあげるから食べて?」
「わ~い、お姉さんありがと~」
――もう一度、買いに行ったら売り切れだった。
クレープに限らず、屋台で買った食べ物を落としてしまう経験はありませんか?
もう、どうしようもないのは分かっているのに呆然と眺めてしまうんです。
更に、周りの気の毒そうな視線を感じると、切なさが倍増します。(笑)