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第13話~臓器提供~
13日目、金曜日、午前4時。
――あれっ、私は一体……。
半分眠っている様な不思議な感覚の中、私は意識を取り戻した。
身体はぴくりとも動かず、痛みも感じない。
唯一動かせる瞳で周りを見渡すと、お医者さん、看護士さん……そして、悲痛な面持ちで私を見詰めている両親の姿が映った。
――そっか……私はもう……。
「ぞ、臓器……移植を……お願い」
全てを悟った私は、最期の力を振り絞って両親に訴えた。
――そして、私の意識は再び闇に呑み込まれていった。
果たして、瀕死状態の身体が何処まで移植に適しているのかは分かりません。
只、これが彼女の信念であるならば、私は黙って受け入れるだけです。