どこか見覚えのある女の子
「蓮、先に風呂に入っちゃいなさい。その間にご飯作るから」
「あぁ、わかった」
「ふぅ…」
湯船につかり、今日の疲れを癒していた。
最近、寝付きが悪い。挙句、夢を見る。女の子の。
事故以来、その時期の記憶が朧気だ。
昔から友達は多いほうじゃなかった。
男友達も数えるほどしかおらず、女の友達なんてほとんどいなかった。
「あの時、俺に女友達なんかいたか…?」
「れんー!いつまではいってんのー!ご飯出来てるわよ!」
突然の怒号により、現実に引き戻された。
「今出る!」
ただの夢だよな
「長風呂なんて女子か!」
「ちげーよ!」
他愛もない会話を楽しみながら食卓を囲む。
今日の夕飯はカレーライスだった。
夕飯を食べ終え、自由な時間を過ごしていたらいつの間にか12時を回ろうとしていた。
そろそろ寝るか…
そう思い寝床に入ったが、やはり寝付けない。寝る準備をしてからもう一時間はたっている。
はぁ…外に出て気を晴らしてこよう
「…さむっ…」
十月下旬ともなれば、少し肌寒い。薄着で来たことに少し後悔した。
手にはコンビニの袋を持っている。中にはおでん。
どこか座れるところ…公園でも行こう。
公園につき、いざ食べようと思っていたら、急に目の前が真っ白になった。
「…っ!?」
数秒後、やがて目も慣れあたりを見回すとそこには、
女の子が立っていた。
腰ほどの長さの赤茶色の髪の女の子が立っていた。
その子はじっと、蓮を見据えていた
蓮はこの子に見覚えがあった。
「おま、え、は…」
「蓮。久しぶりだね」
名前が思い出せない。夢の中に出てきたあいつだ。
俺とこいつは知り合いなのか?
「俺と、会ったことがあるのか…?」
「そうだよ?」
忘れちゃったの?とでも言いたげに、にっこりとその子は笑った
「私は…」




