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5話(終)

遅れました、申し訳ございません

また、これで最後となります


 刃と刃がぶつかり合う。

 力差は同等、鍔迫り合いの形となるが、すぐに弾けるように離れる。

 

(力は同等か……なら次の手段はもちろん)


 俺はモニョに突撃をするかのように向かう。

 モニョはそれを待ち構えるようにその場で動かずに鎌だけを振り上げる。

 そして、両方の刃はまたぶつかり合う。

 だが今回は、結果は違った。モニョの方の鎌は砕け、モニョは吹っ飛ばされた。


「くっ、《魔法剣マジックブレード》か!?」


「ご名答」


 ランク2の魔法、《魔法剣マジックブレード》。これは兵士になるならば誰もが使える魔法。

 簡単に使え、武器に属性を付与することが出来る。また、今回のグレイみたいにコーティングをするかのように、魔力の多さにものを言わせ、異常な強さを引き出すことできる。

 モニョは少し顔を歪めつつも、折れた鎌を捨て、新たな鎌を作り出す。そしてモニョは俺に向かってくる。


「しねえええええええぇっ!」


 今回の鎌は俺と同じく、《魔法剣》を使っているようだ。しかし、


「ふぁっ!?」


 俺の剣と鎌がぶつかり合った瞬間、鎌は粉々に粉砕する。

 これは、魔法剣と魔法剣がぶつかり合ったときに起こる作用で、大差をつけて魔力負けを起こした場合のみに起こる現象であった。

 モニョは驚き固まっていた。彼は魔力の保持量の高さには自身があった。しかし、結果はこれだ。

 そんな様子を見てたグレイは、こんなチャンスを逃す人でもない。


「決める! 奥義、六の型ーーー」


 その瞬間、グレイは消える。モニョは消えたグレイに驚きつつ、まさかと思いながらも後ろを見る。

 しかし、グレイはモニョから少し離れた後ろにいた。

 モニョは顔を青ざめながら、


「くそおおおおおおおおおおぉっ!」


「《瞬華しゅんか》」


 グレイが言葉を発したとき、モニョの体は×と一文字に斬られたのが浮かび上がり、六花弁が一気に散るかのようになり、大地へと落ちていった。

 グレイは、ゆっくりと地面に降り立ち、モニョに近づく。

 モニョは瀕死ながらしゃべり始める。


「くそっ……この俺がこんな簡単に負けるとは……。あの方が作るアーカーデンを、アルカディアの魔法を見たかった……」


 ちぎれちぎれに言う言葉を聞きながら、俺は、


「ルーカスの敵、とらせてもらうぜ」


 そう言って、ファイアをモニョに向かって打つ。


「うぎゃああああ!」


 断末魔が聞こえ、火が消えたときには灰しか残っていなかったのを確認し、今度こそ死んだことを理解した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 某ある処では……


「モニョがグレイに敗れ、死にました主様」


「モニョは死んでしまったか……」


 赤いローブを着ているメルは、主に伝え、主と呼ばれているものはしみじみといった。


「まあ、モニョぐらいは倒してもらわないと困るけどね」


 そう言って、口をニヤリとする。


「お次はどのような作戦を」


 とメリが主に聞く。


「グレイは旅に出るだろう。なら、しばらくは観察をしておく」


「了解いたしました」


 そう言って、メリは部屋の外に出て行った。

 主は、メリが出て行ったのを確認し、椅子に深く座る。

 そして、呟く。


「さあて、どんどん強くなってもらうよ、じゃないと僕の計画が成り立たないからね。期待してるよ、灰色・・


 その呟きは彼以外の耳以外には入らずに、この部屋の中に消えていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数日後……


 今回の事件で死んだ者たちの葬儀はすぐに行われた。

 所々から今回の惨劇を聞き、怯える者、国に対して怒りを言う者、そして亡くなった身内に無く者などのこえが聞こえ、胸が痛くなったのはとても覚えている。

 それからまた数日。

 俺はルーカスの墓の前に花を添えていた。

 もう一週間以上は立っているのに、まだこの前かのようにルーカスの笑顔が浮かび上がる。

 少し悲しくなって思わず俯くと、


「やはり、グレイもここにいたのですね」


 とメリッサの声が聞こえる。急いで、いつも通り振る舞おうと気持ちを入れ替える。

 しかし、メリッサは少し笑って、


「そんなに無理しなくて大丈夫ですよ、ルーカスの前ですから笑っていたいのは山々ですけどね」


 それを聞いて、少し吹いてしまう。

 メリッサはそんな俺を見て、笑いながらルーカスの墓に花を添える。

 その後、手を合わせ拝むメリッサと同じく俺も手を合わせて拝む。

 少したって、顔を上げる。

 俺は、少し笑いながら


「こうやってメリッサと一緒にいると、今すぐにもルーカスが、「はなれろおお!」、とか言ってきそうだ」


「ルーカスなら言いそうですね」


 とメリッサが口を押えながら笑う。そうして、しんみりとした雰囲気は無くなっていった。

 しかし、メリッサが俺の方を向き、真面目な声で尋ねてくる。


「グレイはこの街を出ていくのだろう?」


 そう尋ねられ、ゆっくりうなずく。ここに居てもさらに強くはなれない。

 今回の件を踏まえて、自分になにが足りないかもわかってきた。

 また、一つ気になることがあった。それは


「モニョが最後に言っていた、《アルカディアの魔法》って言うのが気になってな」


 アルカディア。理想郷やユートピアなどと表せるがこっちの世界ではどうゆう物かが分からなかった。

 クレア曰く、古代魔法か禁忌魔法、もしくはまだ見つかっていない魔法の一つなどと言っていた。

 そこで勧められたのが、法学都市ルジェイロ。魔法と学問を全て修めることが出来るとまで言われている都市らしい。そこなら、何かが見つかるかもしれないと言われた。


「グレイなら必ず見つけ出せるでしょう、頑張ってください」


「ああ、今までありがとな」


 そう言って少しの荷物と剣になっているリルを持つ。

 俺が歩き出すと、


「ちょっと待ってください!」


 とメリッサから止められ、メリッサの方を向く。メリッサは少し悲しそうな顔をしながら、


「もう親しい者が亡くなるのは嫌です、死なないでください! ……お気をつけて!」


 涙を流しながら、見送ってくれるメリッサに、俺は笑顔で


「じゃ、またな!」


 そう言って今度こそ、法学都市ルジェイロに向かって歩き出すグレイだった。



ここで完結といたします。

今まで読んで頂きありがとうございました。

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