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1、目覚め




 俺は先ほど寝ると言ったが、結局かいた汗が気持ち悪いのと、さっきの夢が気になり過ぎて眠れなかった。

 そのため、俺がいる見た事も無い豪華な寝室をいろいろと眺めていた。

 そんなことをしていたら部屋のドアが開き、見た事も無い女性が入ってきた。

 女性の姿はメイドと言うのが一番分かりやすいだろう。だからこの人はここの、クレアが住んでいる城の侍女だろう。

 そのメイドは俺が起きていることに気付いて、


「グレイ様、お目覚めになりましたのですね」


 と優しい声で俺を気遣ってくれる。


「すいません、だいぶながらお手数をお掛けになってしまったようで」


 俺もなんとか丁寧な言葉で返事をした。メイドさんは俺に近づいてきて俺の体を触れて来る。


「グレイさんは三日三晩寝ていたのですよ、身体のどこかおかしいところはありませんか?」


 俺はそのことを聞いて、


「三日三晩もですか!?」


 思わず声を上げてしまう。メイドさんは、


「はい、クレア王女や連れ添いの銀髪の女の子など、皆心配していましたよ。特に、銀髪の女の子はずっとあなたのもとを離れずに看病していました」


(クレアやリルにはとても感謝だな、今度お礼をしないとな)


 俺は胸の中でそう誓い、ベットから飛び上がる。


「えーと、皆はどこにいますか?」


 俺はそう聞くとメイドさんは、


「この時間でしたら、皆さんは食事をなさっているでしょう。着替えはこちらにあります」


「ありがとうございます、えーと……」


 メイドさんは俺が名前が分からないで困っているのに気付き、


「私の名前は、メイと申します。クレア様の侍女をさせてもらっております」


 丁寧に自己紹介をして貰ったが、しかし、敬語を使われるとやはりムズ痒い。なので俺は、


「メイ、今後も宜しく、後さ、敬語を止めてもらえると嬉しいだけど……な」


 俺はそう言うと、メイは微笑みながら、


「出来るだけ善処します、ではグレイも敬語はやめて下さいね」


 と堅っ苦しくない言葉遣いで言ってくる。メイが敬語を止めた途端、雰囲気が変わった。なんというか、クレアと似ていた。

 俺はその雰囲気に戸惑いながら、


「お、おう」


 とだけ言って、着替えを取る。俺が急いで着替えを始めると、メイは部屋から出ていった。

 着替え終わって部屋を出るとメイが待っていた。丁度良かったので、俺は、


「メイ、この服ちょっと派手じゃないか……?」


 俺が着替えた服は、貴族だと一目見て分かるような服だった。勿論、こんな服を着たことは無いし、自分で似合っているとは到底思ってもいない。だけど、メイは


「いいえ、グレイには似合ってますよ」


「そ、そうか、ならいいんだけど」


 俺は少し急ぎ足で廊下を進む。そしたらメイが、


「グレイ、そっちじゃありませんよ」


「……」


 俺はくすくすと笑っているメイの後ろをついていった。


―――――――――――――――――


 現在の時間は正午過ぎだ。

 私のこと、クレアは食堂にいる。グレイのことは心配であるが、何も食べないと言うことで、周りに心配をかけたら元も子も無い。

 私の他にいるのは、アルフェア国王のアルトベルト、銀髪の少女のリル、そして、リルを心配させないための、王女直属騎士団長のメリッサと侍女のエリスとミーナを置いており、計6名で食事をする所だ。

 皆は食事をする前の祈りをささげ、前にある食べ物に手を付ける。

 私はなかなか進まない手を何とか動かして口に入れようとする時、食堂の扉が開いた。


「「グレイ!!」」


 私とリルとメリッサは一斉に言って、リルはそのままグレイの方に向かっていく。そしてグレイに強く抱きしめていた。グレイは、


「ゴメンな、リル、心配掛けちまった。後、看病をしてくれてたんだってな、ありがとな」


 そう言って、リルの頭をなでていた。そして、私の方を見て、


「クレアもありがとな、助かったよ」


「一国の王女として当然のことをしただけです」


 私はそう言ってほほ笑みでそう返す。そしたら後ろから、


「君がグレイか、今回の大会では私の娘が世話になったようだな」


 私の父、アルフェア国王がグレイに近づいていく。そして、グレイの前に立ち驚きの言葉を言う。


「……うむ、グレイよ、この国の特務管につかんか?」


「お父様!? 誘うにしても、特務管はないでしょ!!」


 特務管とは、特別な任務の時に出動させられる管理職。特別な任務とは、大体は戦争の時だ。そんな危ない管理職に入れたいことなど聞いていなかったので、思わず驚いて大きな声で叫んでいしまった。そのことで、グレイもどんな職なのか気づいたようだ。


「クレアよ、お前は黙ってろ、でだ、グレイよどうだ、入らないか? 給料はかなり高いぞ」


 私は父に叱られ口を閉じる。そして、グレイは少し考える仕草をして、口をあける。


「条件ありでいいなら入りましょう」


「条件とはなんだ?」


 グレイの答えに、父は聞き返す。グレイは少し微笑みながら、


「自由を下さい」


「自由とな?」


「はい自由です。その特務管と呼ばれる職に就いた場合、私はここで暮らす事になります。しかし、私はこの世界の事を余り知りません。なので、色んな事を調べる時間や権利、時には外に出てギルドのクエストを受けたりしたいのです」


 その答えに父は、


「なんじゃ、それだけか。そのことぐらいなら許そう」


 そう笑いながら言う。それに対してグレイは跪き、


「これから宜しくお願いします」


「うむ、イイ働きを頼むぞ」


 父はそう言って、そのまま出ていった。私はグレイに近づき、


「すいません父が勝手に話を進めてしまって……」


 そう謝ると、グレイは、


「了解したんだからいいよ、それよりも後でさ、魔法教えてよ」


 さっきまで寝ていた人とは思えないような元気な声で私は頼まれる。


「はい、まずは食事をしてからにしませんか?」


「そうだな、三日間食べてないからお腹減ってるよ」


 グレイはお腹をさすりながら、椅子に着く。私も皆も椅子に着く。

 祈りが終わり、グレイが食べ始めると同時に、皆も食べ始めた。さっきまでの食事が嘘のように、とても食事が進んでいた。







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