⑫、決勝戦
『さあ、途中で問題も起きましたが、とうとう決勝戦です!!』
『いや~、あんなことあったのに続けようとするこの国の人たちには感心するね』
『お褒めの言葉ありがとうございます!!』
『なぜか王女様も大会に出てるのはなぜだろうね!』
『……さて、決勝戦はどうなるでしょう!?』
『無視!? ちょっとま……』
『試合が始まろうとしています!』
凄く解説者がうるさいが、まあ、置いておこう。 それよりも今はクレアだ。
「早く始まんないかな~、グレイと闘いたいな~」
クレアは口調が変わる程、ご機嫌な様子で笑っている。
そしてカウントが始まって、0が告げられる。
「「火よ焼け――《ファイア》!」」
始まってすぐに魔法を唱える。
俺の周りには10個の火の玉が、クレアの周りには……数えれないほどあった。
「ちょっと、タンマ!!」
思わず俺は叫ぶ。 だけど、クレアは笑みを浮かべながら、手を振り降ろす。 数十、数百の火の玉がやってくる。
「水よ壁と成せ――《ウォーターウォール》!」
何とか水の壁を出して、身を守る。 しかし、あれだけの数だから壊されてしまうだろう。
そう予想していたが、俺が出した《ウォーターウォール》は全て受け止めた。 クレアも同じように予想外らしい。
俺は、出していた火の玉をクレアに向けて放つ。 クレアは無詠唱で、《アクアランス》を火の玉に向けて放つ。 が、全ての《アクアランス》は火の玉に貫通させられる。
クレアはワープで避ける。 さて、ここからが本番だな。
まずは、クレアが詠唱する。
「滅せよ炎――《フレア》」
詠唱破棄のランク10の火の魔法。
巨大な紅蓮の炎が、俺を目がけてやってくる。 それに対して俺は、
「爆発せよ――《バースト》」
詠唱破棄のランク6の火の魔法。
俺は、目の前を爆発させ、《フレア》を相殺する。 クレアは驚く。 自分のランク10の魔法がランク6に相殺される事に。 しかし、クレアはひるまずに次の魔法を放つ。
「《シャイニング》」
詠唱破棄のランク6の光魔法。
用途は目くらましだったはずだ。 俺は、目を腕で防ぐ。 少し時間が経ち、腕を退けると、前にはクレアはいなかった。 いる場所は上だ。
空でクレアは、詠唱をしている。 しかし、遠すぎて、何を言っているのか分からない。
だが、やがてどんな魔法か分かる。
その魔法は、全て属性によって色が違う七本の矢が、クレアの周りにある。
その魔法は見た事無いし、知らない。 だけど、これだけは分かる。
超魔法だ。
その七本の矢は、合わさっていき、やがて七色に輝く矢になる。 そして、クレアは七色の矢を放つ。
俺は、急いで詠唱する。
「雷神の槍よ――《トニトルス》!」
何とか詠唱破棄で雷の大魔法を作れた。
俺は雷の槍を投げる。 やがて、七色の矢とぶつかる。
激しい音と輝きを出しながら、せめぎ合っている。
そして、勝ったのは、…………
俺の《トニトルス》だった。
何故か知らないが、今の俺の魔力が異常に高いため、なんとか勝ったものだ。
雷の槍は、クレアに向かって行く。 クレアは、負けるはずがないと思っていたせいか、動くのが遅かった。 けど、何とか避けるが、結局、バランスを崩して、俺の前に落ちて来る。
俺は、決めの魔法で《ファイア》を指輪に向かって放つ―――――――はずだった。
空から光が降ってくる。 その光はタルトスがいた所に着弾する。 そして、そこからガーゴイルが現れる。
ガーゴイルはガーゴイルでも、真っ黒だった。 明らかに強さが格段上がっている。
「主よ、ありがとうございます! 必ず、この者たちは殺します!」
ガーゴイルは笑いながら叫んでいる。 俺は、そいつの前に立つ。
ガーゴイルは、俺を見る。
「お前が一番最初に死ぬや「黙れ」……ッ!」
ガーゴイルは怯えた。 俺は切れていた。
「お前、大会の邪魔をすんなよ、それも2度もさ。 特に、この試合にいきなり入って来やがって、台無しだよ!!」
「スイマセン……じゃなくて! チッ、さっさと殺して……は?」
ガーゴイルは異変に気付く。 動けなくなっていた。 俺は一言言う。
「次こそじゃあな、《フォース》」
光の大魔法。
ガーゴイルは光に縛られていて、また、光に包まれている。 そして、圧縮されていって死んだ。
俺は、一息をつく。 そして、次は俺が異変に気付く。
俺の指輪が壊れていた。 俺はクレアを見た。
「ゴメン、壊しちゃった」
「……ハハ、ハハハ」
俺は乾いた笑いしか出来なかった。 そして、決勝戦はあっけなく終わった。
また、タルトス出て来たけどもっと扱い酷かった。




