⑪、共闘とガーゴイル
タルトスが変化したガーゴイルは、クレアに向かって火を吐いた。
クレアは、意識を戻して、急いで避ける。 しかし、ローブが燃える。 クレアは急いでローブを脱いだ。
この時、初めてクレアの姿を見た。 もの凄く可愛くて綺麗だった。
そう思っていた俺の横を、ルーカスとメリッサが走り抜けていく。
「「クレア王女! 大丈夫ですか!?」」
ルーカスたちは、クレア王女と言ってクレアに近づいた。 ……まさか、クレアが王女?
見たところ間違っていないだろう。 今、ルーカスたちは、クレアを護るように戦っている。 ……と、俺も行かないとな。
俺もクレアのもとにかけていく。 ガーゴイルと闘っていた3人は俺に気付く。
「民を助けたいので、お助けをお願いできますでしょうか?」
「勿論だ、クレア」
「ありがとうございます」 「助かる」 「ありがとな」
と、三人にお礼を言われる。 さて、俺も戦うか。
見たところ、色は関係ないと言われたが、黒のガーゴイル、元タルトスはかなり強そうだ。
俺は大声で叫ぶ。
「リル! 俺のもとに来い!」
「はい、グレイの仰せのままに」
リルは観客席から、バリアーをすり抜けて俺のもとに来る。
ルーカスが怒鳴る。
「グレイ! 何で子供をこの場に呼んだんだ!?」
ルーカスが怒るのもしょうがない。 俺はちゃんと言う。
「リルは子供じゃねぇ、俺の相棒だ」
「そう、私はグレイの武器です」
リルはそう言って、光り輝き始めて、俺の右手に光が集まり、やがて、剣の形を成していく。 ルーカスとメリッサは驚いて声も出ていない。 クレアは言う。
「聖霊ですか、それもかなり上級の……」
「お前ら、戦闘中なのに俺に話しかけるなんて凄いな」
正直な突っ込みを入れてみる。 そしたら、ルーカスとメリッサはガーゴイルに集中した。 クレアは微笑する。
「私には、頼れる者がいますから。 また、グレイもいますからね」
「そうか、じゃ、俺もちゃんと参加するぜ」
ルーカスたちの戦い方は、ルーカスが護りに徹して、メリッサが攻撃に徹している。
それによって、ガーゴイルが爪や牙、尻尾での攻撃は、ルーカスが全て大剣の腹で防ぎ、火や氷のブレスを吐こうとしたら、メリッサが双剣で顔を斬って、軌道を逸らしたり中断させていた。
この行動を完璧のこなしていたので、流石、騎士団長だ。
隙を見て、攻撃をする。
「斬撃三ノ型――《クイックスラッシュ》!」
「うぎゃぁぁぁぁぁ!!」
ガーゴイルの右腕が俺の斬撃によって吹っ飛ぶ。 勿論これでは終わらない。
「斬撃九ノ型――《シリアルスラッシュ》!」
何度も何度も斬撃を繰り出す。 そして、16連撃を決めた所でやめる。
「バカ……な」
ガーゴイルは細切れになり、その場に崩れ落ちていく。 俺はそこで一息つく。
「終わったな」
クレアが近づいてくる。
「グレイ、ありがとうございます。 後で、一国の王女として褒美を渡させてもらいます」
「ありがとうございます」
俺らはそこで終わると思っていた。
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水晶で戦闘を見ていた、タルトスの主はため息をつく。
「全く、タルトスは弱いな~」
青のローブを着た物が頭を下げて言う。
「タルトスは私の部下でございます、主、本当にすいません」
「しょうがないよ、タルトスは下っ端だからね。 それより、準備は出来たかい? メル」
メル、と呼ばれた赤いローブを着た物が前に出て来る。
「はい、準備は出来ています。 早速使いますか?」
「もちろん、早速使え」
「はい、…………ッ!」
メルが何かをつぶやいた瞬間、水晶からオ-ブが飛び出した。 そして、そのオ-ブはどこかに飛んでいった。
主は細く笑みを浮かべる。
「さて、ここからが楽しみだ」
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その後、俺たちは何とか闘技場の騒動を収めて、続きをする事にした。
次の試合は、俺とクレアだ。……ここで気が付く者はいるだろうか。
実際、次の試合は俺とマルフォードだった。 だけど、マルフォードは
「あんなガーゴイルを倒す奴と闘いたくない!!」
と言って、棄権した。 なんか、本当に○フォイと似てるよな。
俺が、入口付近に立っていると、クレアがやってくる。
「グレイ、楽しみましょうね」
「おう、……だけど、王女がこんなことやっていて大丈夫なのか?」
率直な感想を聞いてみる。
「はい大丈夫です。 この国では強さが一番ですから」
「そうだったな、さて、行きますか」
俺は、何も持たずに闘技場へ向かう。 クレアは俺を急いで止める。
「グレイ! 剣を忘れていますよ!」
俺は笑いながら言った。
「わざとだ、お前とは魔法で勝負したい」
クレアは、最初は驚くが、やがて笑みに変わって、
「望むところです!」
と言って、一緒に闘技場に入った。
タルトスはかませ犬ですね。




