番外編、リルの気持ち
③と④の間の話です。
グレイとルーカスと戦った後です。
《リル視点》
グレイは宿に戻り、ルーカスという男と別れて部屋に入る。
私は、すぐに剣から人に戻る。
グレイは驚いた顔をしている。 そんなグレイの鳩尾に、私は正拳突きをした。
「ごふっ!?」
グレイは私の不意打ちに悶絶している。 だけど、このくらいの罰は必要だ。 なぜなら、私はとても怒っているのだから。
グレイは少し涙目で私の方を睨む。
「リル、なんで怒ってんの……?」
まったく、この人は分かっているのにそうごまかす。
「……………………」
私は無言でグレイを見ていた。 そしたら、グレイは諦めるようにため息をつく。
「ごめんな」
「なにがですか?」
謝るグレイだったが、もっと自分がしたことがどれだけ重い事なのか知って欲しくて、わざと聞いてみた。
グレイは観念したように言う。
「……え~と、使わないと約束した《桜火影》を使ってすいませんでした!」
グレイは言うと同時に土下座をする。 けど、私はさらに追い打ちをかける。
「分かっているのに、なんで使ったのですか?」
「あうっ!」
「ルーカスという男と戦っている時、本気で戦っていませんでしたよね?」
「……はい」
「……じゃあ、なんで、使ったのですかね!?」
「すいませんでしたーーーー!!」
グレイは、その後も何度も謝ってきた。 いい加減見てられなくなったので、「もういいです」と言って許した。
そしたら、グレイは愚痴ってきた。
「いや、ルーカスが悪いんだよ、結構強いと思っていたのに弱かったから……。 いつもの調子で戦っていたら、怪我さてしまいそうだったし……」
「ここは、あの森の強さよりはるかに低いのです、しょうがないです」
「だろ? だったら、余りにも自分を弱くし過ぎて、隙が出来て、思わず《桜火影》使ってもしょう「がなくありません!!」……すいません」
なんでこの人は、こんなところで馬鹿になるのでしょうか……、私は本気で考えても全くわからない。
「だったらどうしようか、このままの強さで戦っていたら、いずれは周りに恐れられてしまうぞ」
グレイが言ったことは間違いなくそうなるだろう。グレイはさらに続ける。
「もう一度制御魔法を使うか? ……いや、よくないよな。 もう同じ過ちは繰り返したくないからな」
最後の方は呟くように言っていた。
しょうがない、力を貸しますか。 私の愛するご主人さまの為に。
私は、ある物を生成する。 それは、黒い鎖で出来た首飾りだった。 私はそれをグレイに渡す。
「とりあえず、これを付けていたら大丈夫でしょう」
「リル、これはなんだ?」
「それは、私の闇魔法によって作られた、【漆黒の首飾り】と言うところでしょうか。 能力は、身体能力1/20に低下、その代わり、魔力は20倍に上がります」
「それはそれで凄いな、サンキューな、リル!」
グレイは動く右手で私の頭をなでる。 ……まったく、しょうがないんだから。
けど、撫でるのをすぐに辞める。 グレイはすぐにベットに向かう。
私はもっと撫でて欲しかったので、グレイに目で訴える。 言葉で言うのはちょっと恥ずかしい。 また、今日ぐらいは甘えても許されるだろうと思っていつもしてみないことをしてみた。
そしたらグレイは、
「明日は大会だから早く寝たいだよな、また今度な」
と、そっけなく言ってベットに入ろうとする。
私は、そこで切れた。
「グレイの馬鹿あああああ!!!」
「あうっ!」
私は、グレイの後頭部に飛び膝蹴りを決めて、グレイは情けない声でその場に倒れた。
そしたら、グレイは完全に気を失っていた。 しょうがなく今日は寝た。
次の日、私が起きると、まだベットに上で寝ているグレイの顔を見るといらついたので、思いっきりお腹の上になって上げた。
その後、私が起こっている理由を聞いてきた。 ……最後のせいで記憶を失っているのかもしれない。
私は、不機嫌を装って撫でてもらえるように誘導して撫でてもらった。
今度から、この手を使ってみようかなと思ってみた私でした。




