表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/33

⑨、~グレイとメリッサ~



 闘技場では、驚く程の声援が響き渡っている。


『凄い声援ですね、今回の大会で最もの盛り上がりですね』


『選手が凄いですからね。 なんだって、片方は、皆に人気で王女直属騎士団長のメリッサ選手、また一方では、今回の大会初出場でもの凄い強さを見せつけたダークホースのグレイ選手。 今までとは一味違うね』


『これは本当に楽しみですね、さて、メリッサ選手とグレイ選手は真ん中で向かい合いました!』


 俺は、長剣ロングソードを中段の構える。対して、メリッサは、腰を落とし、前かがみになって、右の剣を前下に、左剣を後ろ上にして構える。そろそろ始まると言う時にメリッサが声をかけて来た。


「いい試合をしよう」


(5、4)


「ああ、そして、楽しもう」


(3、2)


「……始まる、行くぞ」


(1、0)


『試合開始だ!』


「「オオオオオオォォォォ!!」」


 俺とメリッサは、叫び声と同時に前に突っ込む。 そして、俺の長剣ロングソードとメリッサの双剣がぶつかり合う。 激しい金属音鳴り響き、そして俺らは弾かれるように離れる。

 メリッサは、地面に着地すると、すぐに俺に向かってくる。

 俺はとにかく避けることにした。

 メリッサは、ルーカスの時のように、右の剣を振りおろして、左で横薙ぎ、また、右で振り降ろすの繰り返しをする。 俺は、ひたすら避けた。

 やがて俺は、だんだん避けるのがきつくなってくる。 なぜなら、メリッサの剣速が速くなってきている。それでもまだ、5割位の俺だけど、メリッサもチート級だと思う。

 俺は、避けるのを止めて、受け流す事にした。 

 メリッサは、右の剣で振りおろしてくる。 それを俺は、受け流すが、少し小細工を入れる。 剣と剣が滑りあっている途中で、俺は左に押しながら滑らせてみた。

 そしたら、思った通りメリッサは、(俺から見て)左に傾いていく。 そして、速さを余りにも上げていたせいで、そのまま転んでしまう。

 俺は、そこを狙って斬り上げる。 メリッサは、何とか剣の腹で受け止めるが、吹っ飛ぶ。

 俺は追い打ちをかける為、メリッサに向って走る。 メリッサは立ち上がり、自分の胸の前で剣を交差させる。

 俺は、無詠唱の《パワーストライク》を使ってメリッサの胸を突く。

 その時、俺は吹き飛ばされる。 なぜか、メリッサの回りに風が巻き起こった。


『おっと、グレイ選手が吹っ飛ばされた! メリッサ選手が風魔法を使用したのか!?』


『……あれは、魔法では有りません』


 解説者のアーリーが言う通り、あれは魔法ではない。 


『あれは、剣術奥義――《天力解放》、魔力ではない魔力を生み出す事が出来る奥義です』


『……奥義を使ったことも驚きですが、魔力ではない魔力とは?』


『まだ、何も分かっていないです』


『なるほど、まだ、未知の奥義なのですね』


 実際、魔力ではない魔力とは、日本で言う『気』のことだ。 一度使ってみた時、漫画で見たような気が発生して、もの凄い力がわいてきた。 その代わり、これは命に関わることが分かった。 そんな奥義をメリッサは使った。 俺に勝つために。

 メリッサは俺の方を向いて微笑する。


「すまんな、勝つためには奥義を使うしかなかった」


「謝られてる気はしないけど、別にいいよ。 負ける気ないからな」


「そうか、そうこないとな! 行くぞ!!」


 今までの速さの2倍はあった。 俺は、受け流そうとしたが追いつかない。 剣でガードをしただけになり、吹き飛ばされる。 俺が、立ち上がった時にはもう目の前にメリッサはいた。そして、

 

「双撃、三ノ型――《疾風双剣》!」


 凄い速さで乱舞をしてくる。 俺は、避けることにした。 長剣で防いでしまうと、剣が壊れてしまうだろう。 

 何とか、メリッサの乱舞が終わって、動きが止まったところを狙った。 無詠唱の《クウェイクブレイク》を使って、剣を壊すのが目的だったが、避けられた。

 俺は、メリッサに後ろを取られた。そして、メリッサはもう攻撃してきている。だから俺は、100%の力で、100%の速さで《パワーブレイク》を使った。

 俺の長剣とメリッサの双剣がぶつかり合い、また、激しい金属音が響き渡る。 しかし今回は、メリッサが弾け飛んで行った。 そして、メリッサは壁にぶつかり、うめき声を上げる。

 俺は、もの凄い速さでメリッサに近づいて、指輪を突く。そして、メリッサの指輪は砕け散った。


『グレイ選手の勝利だ!!』


 観客からは、歓声や色んな声が響き渡っていく。

 俺は、メリッサの方を見ると、メリッサが、何故斬らなかったのかという目で見て来る。


「すまん、やっぱり女性を斬るのはためらいがどうしても出る」


「まったく、負けた私が言うのもなんだが、そう言うところでは、まだ甘いな」 


「理解してる」


「ふう、完敗だ、おめでとう」


「ありがとな」


 俺は、メリッサと一緒に控え室に向かった。

 その時、風が吹いた。 俺の服が少し浮く。 浮いた事で見えた、胸にある黒いペンダントがキラリと光った。 







次、番外編書きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ