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⑥、~トーナメントと1回戦~

『さて、予選を見事突破した選手による後半戦が行われます! 解説は前半に続き、私、モニョと』


『アーリーです。宜しくお願いしますね』


『さてさて、皆も待ちきれないでしょうから、いきなり行っちゃいましょう! 選手入場!』


 闘技場にコネルから順番に入っていく。入った瞬間に、回りから盛大の拍手が聞こえて来る。最後のタルトスまで入りきって、闘技場には12人が横に一列並んでいる。

 

『さて、全員揃いました! もう一度大きな拍手を!』


 また、盛大の拍手をもらう。


『はい、もういいですよ、今から選手たちにはトーナメントのくじを引いてもらいます』


『これで優勝が誰に傾くのかが見所だね』


『そうなんです、たかがくじ引き、されどくじ引き、過去にも運がよく優勝をした方がいますのでね』


『優勝候補がつぶし合って、弱いなどと言われていた選手が、決勝戦で弱った優勝候補と戦って勝ち、優勝をてにいれましたからね~』


『なんとなく実体験のように聞こえるのはイイとして、くじ引きをして貰いましょう!』


 アーリーが『いやよくない!』と言って観客が笑っていた。

 俺たちはくじを引いていた。結果こうなった。


 ①、マルフォード(魔法)vsピーター(魔法)

 ②、サルサ(槍)vsシルビア(細剣)

 ③、メリッサ(片手剣)vsルーカス(大剣)

 ④、ホルン(片手剣と盾)vsグレイ(長剣)

 ⑤、テトラ(手斧)vsタルトス(魔法)

 ⑥、コネル(槍)vsクレア(魔法)


 最初に、この通りに戦う。その後、①と②、③と④、⑤と⑥、①と②の勝者と③と④の勝者とこうやって戦って行く。

 おれは、大分、後だな。暫くは観戦となりそうだ。

 

『さて、このようなトーナメントとなりましたが、アーリーさんこれをどう見ます?』


『うーん、弱い人にとっては最悪の結果となったね。まんべんなく、強い人が入っている』


『なるほど、けど、皆さんに優勝を狙うつもりで頑張ってもらいたいです! さて、一回戦行きましょう! まずは、魔法勝負で、マルフォードとピーター選手です!』


 2人以外は、個々の控え室に戻っていく。


『後10秒で始まろうとしています!』


 審判が時間を見ている。

 偽○フォイと相手のえ~とピーター……あれ、これは映画なのか? なんで、針ーポ○ターがいるのかな?

 俺が頭を抱えている間、2人の魔法使いは、杖を構えて、戦闘準備を完了していた。 

 ……3、2、1、0。

 

『開始だー!』


「《フレイム》!」「《ウォータ》!」


 先にマルフォードが唱え、その後にピーターが唱える。

 相性もあり、水魔法の《ウォータ》が勝つ。しかし、このくらいでマルフォードは終わらなかった。


「雷よ、痛みよ奔れ――《サンダーペイン》!」


 ランク6の雷魔法。

 反応に遅れたピーターは、左に避けようとするが、雷魔法は速かった。ピーターの右足に電撃が当たる。


『ヒットー! これは、ピーター選手痛い攻撃をもらった! このまま決着になるか!?』


 マルフォードはさらに追撃をかける。


「氷よ、柱となれ――《アイスピーラー》!」


「チッ、《ウインドブースト》!」


 ランク6の水魔法を、ピーターは《ウインドブースト》で何とか避ける。けど、この試合はマルフォードの勝ちと考えた人が多かっただろう。しかし、ピーターはここから猛反撃をした。

 ピーターは移動してからすぐに魔法を使う。


「《フレイム》!」


 マルフォードは簡単に避ける。しかし、地面から少し細めの土の柱が何本か出て来る。ランク6の土魔法――《アースピーラー》だ。その土の柱達は、マルフォードのところどころを掠っていく。そこでひるんだマルフォードに、ピーターはさらに追撃する。


「《アクアピーラー》!」


 ランク6の水魔法。

 さっきから、目標を相手の場所に指定して下から襲わせる、ピーラ系魔法を多用されるが、確かに、このピーラ系魔法は強い。しかし、この魔法は動く相手を目標に指定するのに、とても神経が削られる。だから、俺は今まであまり使ったことはない。

 さておき、《アクアピーラー》を何とか避けたマルフォードだったが、次は上から水の槍が飛んでくる。《アクアランス》だ。水の槍は、マルフォードの右肩を貫く。


『おおっと!? これは、大きな痛手をもらったマルフォード選手! 形勢逆転か!?』


 けど、俺は分かっていた。マルフォードは水の槍に気付いていたことを。では何故、マルフォードが水の槍にあたったのか。理由は一つ、でかい反撃するためだ。

 ピーターは笑っている。けど、それが最後だった。


「調子乗り過ぎだ、《レイビーム》」


 ランク8の光魔法。(光魔法自体が高ランクに位置されている)

 高速の速さでピーターの胸を貫く。この魔法の欠点は、魔力をためるのに時間がかかるのと、直線にしか行かないので、相手に予測されていたら思ったより簡単に避けられることだ。しかし、ピーターは、反撃する事に集中していて、また、調子に乗っていたため、簡単に当たってしまったわけだ。

 ピーターの指輪が壊れる。そこで、審判がマルフォードの勝利を告げる。


『勝ったのはマルフォード選手だ!!  とても熱い勝負となりました、2人ともに大きな拍手を!』


 観客は盛大な拍手で2人を讃え、マルフォードは一礼をして控え室に戻っていった。

 映画ではありえない、○フォイが勝つパターンだったな、これはこれで面白い。


 一応、次の試合は、シルビア選手が開始15秒で決めてしまっていた。最初が余りに盛り上がっていたので、ちょっとところどころで笑いが起きていたのはここだけの話だ。


 そして次は、ルーカスと俺が目を付けていたメリッサの勝負となる。

 ルーカスが自分の控室から、出て行くのを見かけたので声をかける。


「ルーカス頑張れよ、相手かなり強そうだ」


「おうよ! ……知っているさ、あいつが強いことなんてな」


 そう言い残して、ルーカスは闘技場に向かった。








映画では必ず負ける○フォイが勝ちました。

ここだけは、勝たしてあげたかった。

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