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異世界に来た俺のチート戦記  作者: もっけ
第0章 (過去編)
11/33

⑩、~激怒と真実~

過去編はここで終わりです。



 ありがとう…………


 その瞬間、俺の中に思い出が駆け巡った。


 初めて会った時のこと。


 人の姿をしたリルの容姿に驚いたこと。


 一緒に特訓したこと。


 一緒にブルーコングと闘ったこと。


 ……だけど、俺のせいで……。


 俺は今、わかった気がする。

 制御魔法――《サプレッシング》の説明で、


「こんなドMな魔法を使うやつが現れない事を願う」


 と書かれていた意味を。

 面白く書かれているが、本当に使って欲しくなかったんだろう。

 本当の能力は、力を制御する代わりに成長速度を上げることだった。

 このことを分かった人は俺みたいに使うだろう。

 けど、今回みたいに失敗する。

 もし、もとの力だったらこのくらいならどうにかなっていただろう。

 最低でもリルを連れて逃げれていただろう。

 なのに……なのに……!!


 周りがうるさいかった。

 ゴブリン達が笑っていた。

 なんでこいつら笑っているんだ……、お前らもリルを殺したのに!!

 俺は、怒りのあまりにぶち切れた。





「ザコの狼の次はバカのお前だ!」


 レッドゴブリンが笑い叫ぶと、周りのゴブリンも笑う。


「さて、殺すか!」


「待ってくれよアニキ、弟の俺に殺さしてよ」


 周りよりは大きいオレンジゴブリンが現れる。


「まあよかろう、殺りな」


「ありがとなアニキ、さてどう殺す……アレ?」


 いきなりオレンジゴブリンの目の前が逆さまになる。

 そして目の前には、オレンジゴブリン自身の首から下の身体があった。

 そして死ぬ瞬間、殺すはずの人間からこう聞こえた。


  全員殺してやるよ……




 俺は目の前のゴブリンの首を飛ばして、ゆっくりと立ち上がる。

 周りが喚いている。うるせぇな、どうせ今から、


「全員殺してやるよ……」


 俺の全ての制御していた力を解除する。

 そしてあふれ出る魔力を制御しなかった。

 早速魔法を使う。


「火よ、断罪する地獄の業火ごうかと成せ――《メギド》」


 火魔法。ランクは【超魔法】と呼ばれる、ランク10の上の大魔法の上に存在する。

 周りのあらゆるものが何も出来ず、焼き尽くされていく。

 暫く経つと、火が消え始めて辺りが見えるようになる。

 まだなんとか立っている瀕死のレッドゴブリンがいた。

 俺は近づき、剣に魔力を纏い、リルと同じ様に切ってやった。

 その後、剣は魔力に耐えきれずに砕けた。


「終わったな……」


 俺は膝をつく。出血と麻痺による体力を消耗してたため、

 かなりきつかった。


「……これから俺はどうすればいいんだろう」


 その言葉はただ虚しく響く。

 いつもは返ってくる声が今は無い。


「リル……ゴメン」


「グレイ……」


 俺は聞きたかった声がした方を向く。

 そこにはリルがいた。

 俺が驚きのあまりに声が出せないでいると、リルは微笑む。


「グレイ、死んでごめんなさい」


「謝るのは俺の方だ、守れなくてゴメン」


「気にすることはありません、後大事な事があります」


「大事な事って……何?」


「私は魔物でありませんでした」


「エッ?」


「聖霊でした」


「はい?」


「ついでに聖霊は死にません、消えることはありますが。

 なのでさっきの死んだというのは嘘なのです」


「……」


「ごめんなさい(てへっ)」


「ハァ」


 呆れて何も言えんわ。


「まあ、学ぶことがあったので丁度良かったという事にしましょう」


「もうそれでいいよ……」


「けど、消えてしまって魔力を失ってしまいました」


「それは、どうなってしまうんだ?」


「人に戻るのが困難になるでしょう。

 なので、グレイの望む形となりましょう」


 リルは輝き始める。やがて、姿を変える。

 その場には、剣が残った。

 剣はロングソードに似ていた。

 剣身は銀色に輝き、剣格には月の様な色をした宝石が真ん中に埋められている。

 そして剣首には、狼の顔をかたどっている。

 見た目といい、剣の雰囲気といい、これはリルだという事がわかる。

 俺はその剣、リルを掴む。


「ありがとう、またこれからもよろしくな」


(はい、グレイ。これからもがんばりましょう)


「とりあえず、家に帰るか」


 この1ヶ月後、現在に至った。

 ここで、過去の話は終わろうと思う。





次は、エピローグを入れたいと思います。

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