(3)あれは一体何だったのか? 其の二
今回の背寒夜話は、私が体験した不思議な話の第二回目です。
これは、私が実際に体験した不思議な話である。
私は、低山の山歩きが好きで、休日に山歩きをしに出掛けたりしていたのだが、自宅から車で20分程の、ある低山に行った時の事である。
夏の暑い日射しの中、てくてくと山道を歩き続けた、その帰りの山道で、私は、ある不思議な物を見た。
細い山道の両側には、様々な樹木が、生い茂っているのだが、その中に1本おかしな木があるのだ。
そのおかしな木とは、見た目は、ごく普通の低木なのだが、周りの木々とは、明らかに違う点があった。
一体、何が違うのか?
この木の葉だけが、全て大きく上下に揺れているのだ。
この時、風は無く、周りの木々の葉は、全く揺れてはいなかった。
では、何故この木の葉だけ、全て上下に揺れているのだろう?
私は、この不思議な光景を見て、とても興味が湧いた。
そこで、検証してみる事にした。
まず、この木の種類だが、濃い緑色の艶やかな葉をしている感じからして常緑樹だろうという事は分かるが、名前迄は、分からなかった。
次に、何故、葉が全て揺れているのか?
この時、無風だったので、風が原因で無い事は判った。
なら、葉の表面に何か落ちて当たっているのか?
もしかすると、雨の様な水滴が当たっているのではないかと、考えたのだが、この時は、晴天で雨は降っていなかった。
なら、別の何かが落ちてきているのだろうか?
例えば、この低木の上に別の木の枝が、覆いかぶさっているのだとしたら、その枝から、何かしら落ちてくる可能性もある。
だが、この低木の上には、そういった物は無く、青い空が広がるだけである。
私は、上下に揺れる葉の上に手をかざしてみたが、特に何も手に当たる訳でもなく、相変わらず、葉は揺れている。
では、何かが下から引っ張っているのか?
葉の下を見るが、特に何も無い。
なら、揺れている葉を手で止めてみたらどうか?
私は、葉を指でつまみ、動きを止めてから、また放してみた。
すると、また葉が、大きく揺れ出したではないか。
葉が揺れるのなら、木そのものも、揺れそうなものだが、木どころか、枝すら揺れていないのだから、本当に不思議である。
私は、しばらく、大きく揺れる葉を見ていたが、結局、わからないという結論に達し、そのまま帰る事にした。
立ち去る時、もう一度振り返ってみたが、相変わらず、葉は大きく揺れていた。
後日、山好きな知人に、この話をした所、彼はこう言った。
「珍しい物を見たな。山じゃ不思議な事もあるさ。山は、そもそも、そうそう所だから」
数ある植物の中で、オジギソウやハエジゴクは、視認できる速さで葉を動かしたりもするが、あの木も同じ様な物なのだろうか?
それにしては、動きが大きすぎる感じがする。
この現象をインターネットで調べてみると、似た体験をした人は、わずかながらいる様だ。
しかし、動く理由は、はっきりとは、分からないままで、納得出来る結論にはなっていない。
私が見た、あれは、一体何だったのだろうか?
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。この現象について、ヤフー知恵袋で質問した所、もしかすると共振かも知れないという回答がありました。ただ、共振にしては、葉の動きが大きすぎる気がします。枝が動かないのに、葉だけが動くのも不思議です。もし同じ様な体験をした方がいましたら、ぜひお話しをお聞かせください。また、この現象を解明出来る方、ご意見をお聞かせください。