朝
「おい、こら起きろよ」
ぼくは彼女の額をごつごつと小突きながら言った。
「んーやだ」
「やだじゃねーよ起きろ、今日は早く行かなきゃなんないんだろ」
「でも寒い」
そう言うと布団のなかに潜り込んだ。
「わかるよ。寒いよ。だってまだ2月だしね。でも僕だって起きてんだからね。お前のためにせっせこ朝ごはん用意してんだから」
僕は彼女の布団を剥ぎ取る。
「わかったわよ」
そして、ようやく彼女がむっくりと起きだした。僕もそのままキッチンへと戻る。朝食の準備はほとんどできていてあとはお湯を沸かしてコーヒーを入れて彼女を待っていればいい。しばらくして、お湯が沸いた頃彼女が眠い目を擦りながらのそのそとやってきて席に着いた。僕はコーヒーを入れて彼女にさしだす。彼女はそれを受け取ってずるずると眠そうな顔をして飲むのだ。なんだかその行動一つ一つがたまらなく愛おしくて、自分の頬が落ちていくのを感じる。そうして僕は朝の木漏れ日がさす彼女の顔を見ながら朝ごはんのパンと一緒にこの愛おしさを幸せを噛み締めた。
その後、彼女と一緒に家を出ていく。何も変わらない日常。変わってほしくない日常。でもいつかは変わってしまう。変わらなくてはならい。だから変わるまで僕は今を大切に生きて行こう。彼女とゆっくり肩を合わせて歩いて行こう。
連載しようか迷ったけど一応短編で様子見です。一応設定とか考えてるんで要望があれば書きます。