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Episode5:こっちに無くて、あっちに有るもの(改革、改革、新技術)

奴隷商から追加の男性奴隷二人を引き取った。


トンネル堀に長け、鉱物加工を得意とする者に、名を”ジョージ”、造船の心得のある者には”トバ”と名付けた。


「それでは、ジョージ、君には、地下街について学んでもらう、それからダイヤモンド加工もね、よろしく頼みます。トバは、早速だが西側の山を超えたところに造船所、港施設、商船、軍艦を造ってもらう、人手や何か困ったことがあったら、なんでも言ってね、それと西に抜けるトンネルは二人でお願いね。」


二人はそろって、できるかどうか不安ながらも「はい」と言うしかなかった。


「大丈夫、大丈夫、こう見えて僕、使えるスキルと道具いっぱい持ってるから、なんでも悩ますにね!」


そばで聞いてたアキナが、「ご主人様、軍艦とは一体?」


「いいかいアキナ、今後商売が大きくなると馬車よりも船の方が効率が良い場合もあるんだ、船に荷を積んで行くときにそれを守る船が必要でしょ!闘う船が」フムフムと納得しアキナは頷いた。


するとアキナが思い出したように「ご主人様、村人も多くなってまいりました、何か管理する良い方法はない物でしょうか、領地の防衛、防犯上でも必要と思うのですが…」


「いい考えだね、なら台帳を作ろう、必要最低限の領民台帳だね。」


「台帳ですか、いいかもしれません。」


「ギルドカードみたいにさ、皆にはカードを身分証明として携帯してもらい、それをこっちでは一元管理するみたいな感じかな、それとスキルじゃないけど、職業履歴も欲しいな、どんな仕事をどれだけやってきたかがわかれば、今後の作業の人選で参考にもなるし。」


「では、それを管理する場所が必要になりますね。」


「それと、アキナ、領地防衛の考えは進んでいるかい?子爵になると、戦争になった時には50人ほど兵を出さないといけないらしいんだ、防衛やこの件の事も考えて報告してね。」


「あと、役所と防犯対策所をあの辺に建てたいから、アキナ考えておいて、僕は人集めに行ってくるよ。」そう言い残しアユムは工業都市王都グレシアへ向かった。


数日後、ワタリ領に入植希望者が集まってきた。アユムはアキナとユイの3人で面接を行った。


農業経験者は迷わず農業を担当させ、独身男性は農業と軍事を、独身女性は軽作業かメイドを、子供たちは、今後の可能性を考え、勉強といろいろな仕事の手伝いをさせることにした、集まった人数は100人余りだった。


「あっ、そうだアキナ、今度来た男連中を僕のパーティに入れておくから、カタストロフと一緒にダンジョンに連れていってくれる?」


「レベリングですね!」


「そうそう、カタストロフが行くだけで、僕の代理認識とされるので、僕はそこに行かなくてもカタストロフが魔物を倒せば、みんなに40分の1の経験値入るのは大きいよね。やりたいことに合ったスキルをスキルスクロールで付与させてもHPやMPが少ないと使えないからね!」


ユイもアユムに「ご主人様、メイド候補の女性も連れて行って頂けますか?ある程度俊敏に動けるようにならないといけませんし、迎賓館での要人警護の上からも必要と思いますから。」


「OK!いいでしょう、皆をB級冒険者くらいのステータスまで上げておいてくれる!もしも、この村を去る時に冒険者としてもやっていけるようにしておいてあげないとね!」


「でも、まだまだ人手が足りない、機械化が必要だな。サブ、メグいるかい?」


「ちょっと二人には、この世界に無いものを作ってもらいたいんだ。」


するとメグが近づき、かわいい声で「こっちに無い物?ご主人様、どんなものを作るんですか」満面のわくわく顔でアユムを見上げている、アユムはデレ~っを我慢している。


「水車と風車を作ってもらいたい、こんな感じの外観だよ」スマホを取り出し写真を見せた。


「風の力や水の流れを利用して、この部分を回すんだ、その後は、回転の力を歯車を使って、必要な動きに変える装置だよ、無人でね。」


アユムは一般的な作業をしている写真を見せながら「この回転する動きをどんな動きに変えるかを、力仕事で大変な作業とか、時間がかかる作業なんかを村人たちから聞いてきて、3つの動きを決めてほしいんだ、一応水車小屋を二つ、大きな風車を一つ建てるつもりだから。」


メグはアユムを見上げながら「回転運動、上下運動、わくわくします。」アユムは完全にデレ~っとしだしたが、「わしも」と言うサブの返事で”シャン”となった。


「他にもこの世界に無くって、僕の国にあったものをどんどん作るぞ、道路整備が必要だ両側に排水溝と歩道もつくる、グレシアまで延ばせばきっとおどろくぞ。さらに火薬と大砲、少ない兵力で多大な成果を上げるぞ。ゴムのタイヤ、サスペンション、自転車、アルミが見つかったから調理器具はアルミ製の軽い物にしよう。ダイヤモンドはこの世界を変えるぞキット。それから・・・」いちいちアユムに写真を見せられ、口をぽっかり開けているメグとサブだった。


「あと、細かい物なんだけど、こんなスプリングとか、ベアリングとか、ボルト、ナット、有刺鉄線、鎹などいろいろこの世界に無い物をクラフトで僕がどんどん作っていくからドワーフのみんなはそれを研究してみんなが作れるように図面に起こして欲しいんだ、わかるかい。」


これを見ていたアヴァランチが「主さま、ここで作られたものは、ギルドで発明者登録をするのが良いと思います、まねをする者も出てきますし、登録すれば利用料も得ることができましょう。」


「特許使用料みたいなものだな。だけど、クラフト材料が無くなると、なんでもわざわざ材料調達から始めないといけないのが面倒なんだよね。」


アユムは心の中で考えた、”あぁ~あっ、異世界モノなら地球のネット通販で買い物できるってーのもあったんだがな~、そうすりゃもっと…いやいや、そんな、なんでもあるわけないか、ここは今後の異空間収納のスキルアップを期待するか…” と。


「ご主人さま、みんな見たことねぇものばかりでさぁー、これらを作ろうってなると大そうな日数がかかりやすね。」


「いいんだ、こうして出来上がったものの絵を見てるだろ、やれば出来るってことさ、みんなで頑張ろう」アユムは、メグとサブの背中を軽く押し、仕事にかかれと合図を送った。


「あとは、アバランチちょっと聞くけど、この世界に魔道具とか付与魔法は無いのかな?」


「ございます、しかし、これらが出来うる者が、非常に少なく各国に一人か二人ほどしかおりません、そのため国のお抱え魔導士となっており、武具や防具も貴重で高価なものになってしまいます。」


”それが出来れば、異世界モノでよく言う ”魔道ライト” とか、いわゆる電気の代わりになる製品も作れると思うし、ここで作ったいろんな道具に付加価値がついていいと思うけど”「なにか学べるものは無いかな?」


「申し訳ございません、主さま、私もそこまではわかりかねます。しかしながら ”観察” スキルや異空間収納で解析できればあるいは…」


「なるほどね、異空間収納か、そういえば横着機能もあった訳だし、まだまだ僕の知らない機能もあるかもしれないな。」


「さようでございます、主さまならば、新たに機能追加も出来てしまうかもしれません。」


「みんな忙しそうだけど、ハル、この白金貨2枚で、魔道具や魔法付与されたものをできるだけたくさん買ってきてくれる?みんなで解析してみよう。」


「旦那様、集めてくるのはいいんだが、こんなに大金を使うぐれぃなら、言いたかないが、この手の話に詳しいダークエルフの奴隷でも探した方がいいんじゃねぇですかい。」


「ハル、それも一理ある、今度奴隷商に頼んでおくよ!」


こんな話をしているとカタストロフが「また、一つ二つと、やることが増えましたな、主さま」と言い、嬉しそうな表情をしているような気もした。


「よし、次にやることは…例の召喚カードと魔獣馬の卵か、カタストロフとアヴァランチ、一緒に来てくれる?」


「勿論、お供させて頂きます。」


「この辺なら誰もいないから、多少の事があっても驚かれないだろう、じゃぁ、どっちから行こうか?」


アヴァランチが「天使や悪魔などは近しい存在を見たことがありますが、魔獣馬は、はて、どんなものか見たことがございません、主さま是非、魔獣馬からお願いします。」


「そうだね、でも暴れたりしないかな?柵を作ってから…」


「主さま、話では魔獣馬は主人に大変忠実と聞き及んでおります、決してそのようなことはないでしょう、主人の命には絶対服従を貫くはずです。」


「そうなの?なら魔獣馬から……ってどうするの?この卵を?」


「真ん中の筋のような溝をパカっと!」


「なんかガチャガチャみたいだな、真ん中をパカっとね~。」すると中から小さな光る玉はふわふわと地面に落ちた。


「なんだこれ?これが馬の4倍で!とかいうやつなの?」


「この光の玉が大きくなり馬の状態になるまで、魔力を送ってください。主さまは魔力が無限にありますから、気にせずドンドン行きましょう」カタストロフは、初めて見る光景に釘付けとなり、説明がいい加減になっている。


アユムが魔力を送り出すと、光は徐々に大きくなり、少しづつ馬の形になっていった、この世界の馬の一回りほど大きくなったころ、光は消え、漆黒の馬が姿を表した。


「おめでとうございます、主さま、魔獣馬ゴウカの誕生でございます。」


「とすると、8倍の力持ちの奴だね、雄馬なのかな、では、次のやつ、行ってみよう!」アユムはふわふわと地面に落ちた小さな光る玉に魔力を送った。大きくなった馬の光は消え、眩しいばかりの白い羽のついた馬が現れた。


「この魔獣馬はヒテンでございましょう、空を駆ける馬でございます」


アユムは休まず残りのふたつの卵も開けた、結果はゴウカの雄雌2頭とヒテンの雌2頭だった。


「あ~ぁ、残念、貴重な魔獣馬の卵なのにかぶっちゃたなぁ、ライテイやスイグンも見たかったな~。」


するとカタストロフが「きっと、大丈夫です。幸いなことに雄と雌が誕生していますから、また卵を生んでくれますよ。」


「親がこの2種類だし、ヒテンは両方雌だよ、これだとゴウカが生まれる可能性が高いよね?」


「いえ、卵を割った時の何かの条件で生まれる魔獣馬は決まるそうですから、開ける季節や場所を変えるとライテイやスイグンが生まれる可能性はあるかと思います。」


「そっかー、それじゃぁ、馬育成の始まりだ、目標は4種コンプリート!! そうと決まれば馬房付きの大きな厩舎を作らないとな!」


結局ゴウカの雌には”トウカイ”、雄には”テイオウ”、ヒテンの雌2頭には”シンボリ”、”ルドルフ”と命名したのだった。


「ちなみにだけど、君たちも合体したら、何か生まれる?」


二つの剣は「え~っ、いやはや、あの~、ちなみにって言われましても…」


「まっいいや、次は召喚だ、一度に召喚しよう、だけど、いちいち毎回呼び出すの面倒くさそうだな。」


「主さま、召喚とは一度召喚されたものは、主さまの命なしでは戻りません、ですから、ずっと召喚しておくことができるのでございます。」


「あっそ、じゃぁいくよーっ!」アユムは四枚同時に召喚と唱えた「召・喚・っ!!」


辺りは光に包まれ、光の中から一人またひとりとアユムの前に現れた。


四人は口をそろえて「召喚いただき、誠にありがとうございます。ご主人さま」思った通りの決まり文句だった。


四人は180cm近いスラっとした八頭身でモデルのような超~美人達だった。ここでは、初めて話したアユムの印象とつけた名前を紹介しよう。


天使SSS、いかにも”主さまお慕い申しております”的な真面目美人は”ソアラ”

悪魔SSS、ツンデレの中に上目使いのかわいさがある美魔女は”セリカ”

精霊SSS、真面目一本やりではあるが少し抜けているところがかわいい”カムリ”

妖精SSS、元気で明るくボーイッシュでちょっとエッチさを匂わせる”カロラ”

である、この後いろいろあるので紹介はここまで。


って、ここで問題発生、何がって?それは…同時に召喚したので、しちゃったので、上下関係がない、姉妹じゃなく、横一線なので、これから主に気に入られて、一番になろうと、すさまじい争いが始まりそうな予感がしてならないのであった。

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