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Episode2:いきなり最強になるかもね?(響く音の正体)

「なんじゃ、別れてすぐに電話か、何かあったか?」


「神さま、やっぱりいろいろ説明が漏れているんじゃない?例えば、頭に響く音とか…?」


「そうじゃった、忘れとった、音はのぅ、音には意味があるんじゃ」


神さまが言うには、”ピロリン” は、アイテムを手に入れたときになる音で、これはなんとなく想像していた通りだった、アイテムのレア度で音は変わるらしい、”シャキーン” は、スキルを習得した時の音、他にもレベルアップの音やまだほかにもあるらしい。


「でも神さま、僕は魔物を殺していないし、村からも出ていないのになぜ?」アユムは今日の行動を振り返っていた。


「おまえさん、勇者の墓に行ったじゃろう、だからじゃよ、彼らが持っていたスキルを吸収したんじゃろ、いきなり英雄クラスのスキルを吸収するとは、わしの見込み通りの奴じゃの」


「ええっ!死んだ人からもスキルを吸収できるんですか」アユムは驚いて大声を上げた。


「すっ、すまんすまん、”死んだ魔獣や怪物など” という条件を付け忘れとった、なので人の死体からも取れるんじゃな、もう今更いいじゃろ」神さまは少し開き直っていた。


「でっ、どうすればそれを確認できるんですか?」アユムはため息交じりに問いかけた。


「スキルなど自分のことはステータスオープンと念じれば良い、アイテムはアイテムボックスオープンと念じるんじゃ」神さまは実演して見せた。


「そじゃ、注意事項じゃ、わしがやったように人前でやると見られてしまうぞぃ、一人の時に見るか、隠ぺいのスキルを使うかじゃな、もうええかの」アユムは、神さまに一方的に電話を切られてしまった。


「あっ、切ったな、まぁ、聞きたいことを聞けたから、良しとするか」アユムは”ステータスオープン”と念じた。目の前に神さまの時にも出ていた画面が現れた。そこには…


『【ステータス】名前:ワタリ アユム/種族:人間/年齢:18/性別:男/職業:自由人

レベル:1/HP:10/MP:10/力:1/防御:1/敏捷:1/知識:1

【スキル】エクストラ:英雄経験値加速Lv4(MAX)/限界突破Lv4(MAX)/…

一般:鑑定Lv4(MAX)/リペアLv3/…、黒魔術:プチファイアLv4(MAX)/ファイアLv4(MAX)/ファイアーアローLv4(MAX)/ファイアーウォールLv4(MAX)/メギドLv4(MAX)/メテオLv4(MAX)/プチサンダーLv4(MAX)/サンダーLv4(MAX)/…、白魔法:…、光魔法:…、闇魔法:…、無属性:…』


と読み切れないほどのスキルが記載されていた。「これはあれだな、全属性が使えるとか、いきなり世紀末魔法が使えるとか、よくある異世界モノのなんでも有りな奴だな、でもMPが10だし宝の持ち腐れだよね」アユムは頭を抱えた。


「ちなみに、この”英雄経験値加速”って何だろう」アユムがその文字に触れると、別の画面が開いた。


『英雄経験値加速、Lv1:獲得経験値4倍、Lv2:獲得経験値16倍、Lv3:獲得経験値64倍、Lv4:獲得経験値256倍』と表示されていた。

 

「そりゃそうだよね、只でさえ成長の早い勇者4人分だからね、そうなるよねぇ~、じゃあこれは?!」 ”限界突破”を触れてみると、やはり別の画面が開いた。


『英雄経験値加速、Lv1:成長限界レベル999を超える、Lv2:成長限界レベル9999を超える、Lv3:成長限界レベル99999を超える、Lv4:成長限界レベル∞となる』

 

「あぁ、これも無限なんだけど00に見えるからと間違われる話の奴だな、きっと!」アユムはしばらくいろいろと眺めながら「とは言え、あまり戦わない僕はそんな無限領域には踏み込まないだろうけどね」と呟いた。


「だけどHP10は低すぎるよね、少し上げる必要があるな、明日、安い武器を買って経験値を上げに行こう!」アユムはベットに横になった。


翌朝、アユムは村の小さな武器・防具屋にいた。「いらっしゃい、見ない顔だね」店主から声をかけてきた。


「あぁ、昨日来たばかりだからね…、ところでさ、安い武器はないかな?」店主に訪ねると、「あそこの樽にある奴はどれでも1つ2000シルバーだよ」店主は樽を指をさした。


「どんな武器を買えばいいかな、この辺でちょっとした狩りや採取をしたいんだが」


「あんた職業はなんだい」尋ねられたアユムは「まだ登録は済んでないけど、とりあえず冒険者にでもなろうかと思っているんだ」異世界モノの王道である職業”冒険者”を語った。


「なら、採取用に短剣と一般的には戦闘用の剣がいいんじゃないか、どれもくずだがこの辺の魔物を倒すには十分だろうさ」やはり店主の回答も想像通りだった。


「そうだ、鑑定スキルに”指定条件での検索”てのがあったな、それを使ってみるか、この中から”いい短剣”と”いい長剣”を探してくれ」アユムは樽を指さした。そして薄ぼんやりと光る短剣と長剣を樽の中から取り出した。「これでいい、これを下さい!」


「全部で4000シルバーだ」アユムは1ゴールドを差し出し、武器を受け取ろうとした時に、店主は「あんた防具はどうすんだ?このゴブリンの血がついて汚くて匂うが、物はいいはずだ、一時しのぎとして買わないか?、2000シルバーでいいぜ、…靴はどうする?種類はないが、こっちは”飛躍の靴”1ゴールド、こいつは”幸せの靴”2ゴールドだ、まとめて買うなら1000シルバーくれえまけてやるぞ」店主の勧めに応じてアユムは、先ずは防具を鑑定した。


防具は全魔法耐性と斬撃耐性が付いているレアアイテムだった、たぶんひどく匂う状態なので、主人もよくは見ていないのだろう、次に名前から興味が沸いた ”幸せの靴” を鑑定すると『わりといいことが起こる靴』と言う結果だった。アユムはまけてやると言う言葉に乗せられて、短剣、長剣、ゴブリンの血の付いた防具、”幸せの靴” を買い2ゴールドと5000シルバーを払って荷を受け取った。案の定”ピロリン”と一回は鳴ったのだが残りの3回は”ピンピロリロリン”だった。


「しっかし、汚いし臭い防具と武器だな、けど仕方がないか、しばらくの事だし我慢しよう」そう呟くとアユムは武器と防具を身に着け、村の外へと出た。するとすぐに、まだ村の門も見えるところで、大きな水色のスライム4匹と透き通るような透明の小さなスライム1匹が現れた。


「やっぱり、”はじまりの村” と言えばスライムだよね!」アユムは戦いに備えて構えをとった。「…んっ」スライムたちはアユムを無視しているようだ、よく見ると大きな水色スライムが小さな透明スライムをいじめている感じだった。


「うーん、この場面も異世界モノのどこかで見た気もするが…、とりあえず大きいのをやっつけようか、プチファイアでいいかなLv4だし、一回分のMPで4発打てるからお得だしね!」アユムは水色スライムに照準を合わせ ”プチファイア” と唱えた。


火の玉は見事に命中し、4匹のスライムを倒すと、頭の中に、”シャキーン”と4回、”パッパラー”が40回ほど響いた。「おっと、何が起きた?」アユムは心の中でステータスオープンと唱えステータス画面を表示させた。


「ははーぁ、”パッパラー” は、レベルアップか、たったこれだけでもうレベル40になった。それとスキルに洗浄Lv4(MAX)とあるな、何々、『どんなものでも作成時点のようにきれいに洗浄する』か、では早速、防具と武器を ”洗浄Lv4” だ!」とスキルを使った。


「うぉー、うっほほ、すごい新品同様になった、匂いもない、いいスキルだなこれ」アユムはきれいになった武器と防具を眺めていた。


すると、小さい透明なスライムが近寄ってきた。それを見たアユムは「ははー、これは、仲間にしてほしそうに見てるって奴かな?」と言いながら、グータッチのように腕をスライムに向けた。スライムも触手を伸ばし、アユムの手に触れた。その途端頭の中で ”ジャジャーン” という音が鳴った。


アユムはスライムに「お前、僕の仲間になったのか?」と問いかけると、スライムは体を弾ませ「チャプー、チャプー」と鳴いた。


「という事は、このスライムを強くしたり、話ができるように育てたりって言う異世界モノのパターンになるわけだね」いろいろ想像しながら呟いた。「先ずは名前だね、お前は『チップ』だ!、よろしくな」チップはアユムの肩に乗っかってきた。


「あともう少しだけレベルを上げて、せめてメテオが一回ぐらい撃てるようにしたいよね」アユムは肩に乗るチップに話しかけた。


その時チップは警戒するように「チャチャチャプー」と声を抑えて鳴きだした。


すると草むらから狐のような魔物が6匹飛び出して来た。すかさずアユムは『鑑定』と唱え、”ドリームフォックス” という名前と、斬撃が弱点であることを理解した。長剣を抜き、何度も切りつけ、やっとの思いでやっつけた。


「体力やHPは問題ないけど闘い慣れていないから、結構疲れる」アユムの頭の中で、”シャキーン”と、”パッパラー”と、”ピロリン”が鳴り響いた。鳴り響く音色と回数に気を取られていると、前と後ろに6匹ずつ計12匹の”ドリームフォックス”が現れて、アユムに飛びかかってきた、今度も何度か切りつけて倒したが、さっきよりは楽に倒せた。そして”パッパラー”と、”ピロリン”が鳴り響いた。


「やったぞチップ、これでレベル120だ、メテオが一発撃てるぞ、さぁ、宿に戻ろう」


宿に着いたアユムとチップは食事をとった(チップは透明だから気付かれずに済んだ)後、部屋に戻りベットに入った。アユムは眠りの中で、真夜中の”ズズーン、ドドーン”という音が3回鳴り響いたのを感じた。


「あぁ~ぁ、もう朝か、昨日の地響きは頭の中の音じゃないよね、なにかが起きているのかな」なんとなくざわつく ”はじまりの村” をアユムは感じていた。


「それはそうと、この剣、モノは音からして良い物のはずなのに、切れ味がいまいちだったよな、なんとかできないかな」ステータス画面を眺めながら「おおっ、これかな?」アユムは、”リペアLv2”『本来の性能を復活させる』を見つけ、さっそくリペアを唱えた。「うん!なんかよくなった感じがするよ」


「ア・ガトウ・ザイ・ス」どこからともなく声がする、アユムは「まさかチップ喋れるようになったのか?」チップに目をやると、まだスヤスヤと眠っている、「じゃぁ、誰だ、この声は」


「ワ・、私でございます、主さま、男刀のカタストロフでございます」


「もしかしてーと思ったけど、剣が喋った、これも異世界モノにあるヤツね、…もしかして飛んで勝手に魔物やっつけたり出来たりする?」


「もちろんです、主さま」


「やっぱりねぇ、なーんか見たことある気もするから、想像できるよ、やっぱりお強いんですよねぇ~」


「さて、それはわかりかねます。ただ、歴代4魔王さまに帯剣して頂く名誉を与えられていました。」


口をあんぐりと開くアユムは「はぁ~。…と・こ・ろ・でさっ、”男刀”って言ってたけど、じゃぁ”女刀”もあるのかな、なんかわかった気もするが…」


「おっしゃる通りでです主さま、そこにある短剣が、女刀のアヴァランチにございます、恐れながら、先ほどのリペアを彼女にも…」


アユムはカタストロフの言葉を遮り「わかったよ、”リペアLv2”!」と唱えた、アユムの思った通り「感謝申し上げます、主さま、私はアヴァランチでございます、何なりとお申し付けくださいませ。」短剣も喋りだした。


おもむろにアユムは「カタストロフとアヴァランチは、男刀と女刀と言うくらいだから付き合ってんの?それとも夫婦?」二つの剣は「あの、ハハッ、エ~とっ、ふふっ、実はごにょごにょ…」答えに困っているようだった。


「なんだよ、はっきり言ってよ!今の主は僕だよ!」


「申し訳ございません、実は私たちは、”厄災のルーイン”と言う一つの武器になるように作られたのです、ただ…」


「タダ?何?」


「私たちのお仕えする主さまの能力次第という事でして、歴代4魔王さまでも叶わなかったのでございす」


「つまり合体出来なかったってことか…これの何処とどこが合体するの?」


二つの剣は「いや、あの~、何処とどこと言われましても…」と言葉を濁した。


「あのさ~、目がどこにあるかわからないんだけど、イメージ的に明らかに僕から視線を逸らしたよね、なんか感じ悪っ、でもさ最初に謝っておくけど、僕は歴代魔王になんか遠く及ばないからね、合体の件は諦めちゃぁいないけど、ずっと先にお預けだよ!残念だけど」アユムは期待が大きくならないよう二つの剣に釘を刺した。


「そうだ、今日はロルドに王都の工業都市グレシアまで送ってもらう事になってるんだ、急いで会いに行かなきゃ!」アユムがチップを連れ部屋を出ると、なんだか慌ただしく、みんな走り回っていた。


宿屋の主人を見つけ「なんでみんな慌てているの?」アユムは尋ねると、主人は目を丸くして「大変だよ、魔物、スタンピートだよ、それも三ヵ所のダンジョンから…」


別の客が「魔物は ”はじまりの村” を目指しているらしい、逃げなきゃ死ぬぞ!」大事な荷物を抱え非難の準備をしている。


そこへロルドがやってきて「アユムさん、グレシアへはいけない、魔獣の群れとぶつかっちまう、反対方向に逃げた方がいい、なんでもダンジョンの階層主までいるって話だし、一ヵ所から2万匹程の魔獣がココ目指しているらしい。」


アユムは考えた、”たぶんだけど、僕が狙われてるというのがよくある話だよね、だから、みんなと一緒に逃げるのは終わりなき逃亡劇になるよね、やはりここは別行動がよさそうだ”、「ロルドさん、僕は少し魔物の様子を見ておきたい、一応さ、冒険者になろうとしているんだ、情報は何かの役に立つだろうし…」


ロルドはアユムに背を向けながら「死んだら元も子もないぞ、危なくなったら逃げるんだぞ、お互い生きていたなら、また会おう!」と叫び出て行った。


「主さま、これから如何なさいますか?」カタストロフの問いかけに、アユムは「一つぶっ放してみたい魔法があってさっ」と答えた、すると今度はアヴァランチがアユムに「魔物が倒れれば経験値も入りましょう、如何でしょうチップさまを主さまのパーティに加えてみては?主さまが得た経験値の40分の1程ですがチップさまも得ることができますが…」


「うそ~ぉ、そんなにぃ、少しずつチップの育つさまを見たいのにぃ~」


「いえ、主さま、主さまが仮に100の経験値を得たとしても、チップ様には僅か2か3の経験値しか入りませんよ、勿論、チップさまが魔物を倒せばその逆に…」


”なんだかアヴァランチが、ちょっと上から解説してるけど、僕の状況をわかってないし、ましてや使う魔法が『メテオLv4』だなんて思ってもいないだろうし…”、あれこれ考えた。「チップ~、ステータス見てもいいかい?」アユムがチップに尋ねると「チャプー」と応じる態度をとった。


「どれどれ」アユムはチップのステータス画面をのぞき込んだ。


『【ステータス】名前:チップ/種族:スライム/年齢:8/性別:女/職業:なし

レベル:2/HP:15/MP:12/力:1/防御:2/敏捷:2/知識:1

【スキル】黒魔術:ウォーターカッターLv1、無属性:洗浄Lv1、溶解Lv1』


「へぇ~、女の子か~、う~ん8歳の女の子だと幼女だなぁ~、ってかスライムに性別とかあったの?…まさか、虐められてたんじゃなくて、言い寄られてたとか?、まぁいいや、どっちにしても、守ってあげたいレベルだな」


「よし、チップ!パーティに、お入んなさい」そう言うとチップは「チャプー」と鳴いてパーティに加わった。


「それじゃぁ、出発しようか」アユム達は村人たちとは反対の方向に向かった。数分ほど歩き小高い丘の上に差し掛かった時に、カタストロフが鞘から飛び出し「主さま、あちらとこちら、さらにこちらの奥の三ヵ所から強い魔物達の魔力を感じます」剣先を向けながらアユムに伝えてきた。


「なるほど、よく見ると土煙が立っているいるように見えるな、一番近いのはあっちの西側か…カタストロフ、魔物以外に何かいる?人間とかいない?」


「いえ、魔物だけです、噂の通り二万匹以上はいます、階層主クラスの魔物も数百ほど感じます。」


アヴァランチが鞘越しに「主さま、あの数の魔物を前にすいぶんと落ち着いていらっしゃいますが、先ほど仰っていた、”一つぶっ放してみたい魔法” に何か関係がおありなのでしょうか?」


「えっ、あぁ、”一つぶっ放してみたい魔法”って” メテオ”のことだからな、しかもLv4のね!」


「なっ、なんですと!」「なんですって!!」二つの剣は口を揃えて驚いている。


「黒魔術師の生涯魔法のメテオとは!」驚くカタストロフ、「しかも、Lv4?メテオにレベルなんて無いと聞き及んでいました」アヴァランチも声がうわずっている。「メテオLv4とは一体どのような?」改めてカタストロフがアユムに尋ねた。


「鑑定によると、一回分のメテオのMPで4発同時に撃てるみたいだな」アユムは画面の説明を読みながらカタストロフに伝えた。内容を聞いたカタストロフは、まだ威力のすごさを認識していないアユムに解説を始めた。


「よろしいでしょうか主さま、メテオという魔法は術者が生涯をかけて学ぶ黒魔法です、メテオの威力は広範囲におよび、魔王より少し下の幹部クラスまで一撃で葬り去ることができます、ですので、それを4倍の威力ではなく広範囲に4発同時に撃てるLv4は、今回のようなスタンピートには、まさに打って付けと言えるでしょう」


「なるほどね、威力4倍でも範囲が一発分のメテオの範囲で終わってしまえば、結局のところ一回のメテオで幹部まで倒せるんじゃ4倍にしても結果はほぼ同じ、だけど4発同時となれば有効範囲が4倍になるし、それでも幹部クラスまでは一掃される訳だから…まさに今に打って付けか…」


「では、早速使ってみますか!、あっそうだ!何か異世界モノで見たが近くでぶっ放すのは危険らしいから距離はっと…十分だな、照準は4発範囲がかぶらないようにしてっと、じゃぁイクヨ!”メテオLv4”、イッケーっ」すると空から大きな隕石が4つ落ちてきた。


ドドドーン、ドドドーン、ドドドーン、ドドドーン


「うっひょ~っ、スゴっ、どう?カタストロフー魔物の気配は?」


「ほとんど感じられません、主さま、しかしながらまだ生き残りがいるやもしれません、私共で対応してもよろしいでしょうか?」


そうこうしていると、パッパラー、ピロリン、シャキーンと音が鳴りだした「あれっ、レベルアップの音はわかるんだけど、アイテムやスキルを入手した音までしてる、なんでかわかる?アヴァランチ」


「本来であれば、レベルアップはわかりますが、アイテムの取得などは近くに行かないと不可能かと思われます、主さま」


「だよねー、あのナマクラ神さまのことだから、異空間倉庫に横着な機能を付けたんだな…、そういうことにしておこう」


「では、私たちは先行して対処してまいります、主さまはごゆっくりどうぞ」二つの剣は勢いよく飛び立った。


その間ずっと頭の中では、パッパラー、ピロリン、たまにピロリロリン、シャキーンと音が鳴っている「ごゆっくりって言ったって、音聞いているだけじゃさ、僕らも行こう!... とは言うものの歩くには遠いな、なんかいいスキルはっと」アユムはステータス画面を確認した。


「いいのがあるぞ!”移動魔法Lv3” ね、何々『Lv1:相手に一瞬で近づく、離れる。移動範囲は目視できるところまで、Lv2:自分の行ったことのある場所に瞬間移動する、ただし異次元・異空間移動はできない、Lv3:自分以外のモノから行ったことのある場所を読み取り瞬間移動する、ただし異次元・異空間移動はできない』てか、いいね!」


「ちなみにレベル4は?『Lv4:自分の行ったことのある場所に瞬間移動する、異次元・異空間移動も可能、神と同じ高次元移動』だと!、これなら日本に帰れるんじゃないか?異世界から戻って無双する的な」考え込んでるアユムにチップが早く行こうと促してきた。


「わかった、わかった、”移動魔法Lv1”」を唱えた。


「来たよ~、どう問題なしかい?」


「問題ありません、主さま、あの一撃で全滅しておりました」


「なー、いつまで続くんだろう、この音」


「そうですね、魔物達の死骸も徐々に異空間倉庫に自動で取り込まれ、消えていっておりますので、それらがなくなれば…」そうカタストロフが話している時に連続して”ピンピロリロリン”と2回なった。


「アイテムの音、長いの鳴ったぞ、なんだろう?アイテムボックスオープン」と唱えアユムは画面を指でスクロールしだした。「これ、かな?ねぇアヴァランチ”魔獣馬の卵”と”召喚カード・SSS天使”だって!これは何?、凄いのかな?」


二つの剣は、一気にアユムに駆け寄り「そんなバカな、どちらも今は伝説としてのみ語り継がれているエクストラアイテムですよ」完全にハモっている。


アヴァランチが「いいですか主さま、魔獣馬とは通常の馬の4頭分の能力を有します、さらに、火の化身の”ゴウカ”はさらに倍つまりは8倍の能力、雷の化身”ライテイ”は速さが倍、水の化身”スイグン”は水の上を走ります、風の化身”ヒテン”は空を飛ぶと言い伝えられています」


「そんな馬、行商もしたいと思っているからちょうどよかった、なら全4種コンプリートしたいよね、じゃぁ、”召喚カード・SSS天使”は何?」


「そのままでございます、天使を召喚し主さまの従者にできるカードにございます、SSSの天使ですと神のすぐ下のレベルになります。」


「じゃ、今度使ってみよ!」


「私共も直に見るのは初めてにございます」


そんな時アユムの頭の中で ”ゴーーン” と、鐘が鳴り響く音も聞こえた、「なんだ鐘の音がした、初めての音だ」


「主さま、ひょっとして限界突破をされたのでは?レベルが999を超え、1000レベルの領域に入ったのかと思われます」


周りを見渡していたカタストロフは「主さま、あらかた魔物も収容され消えてきております、如何なさいますか、次に近い魔物の群れは東から近づくあの一団になりますが…」


遮るようにアヴァランチが「ふたつ申し上げたいことが、ひとつは主さま、異空間倉庫に”解体”という機能はありますでしょうか?取り込んだものを自動で解体し、アイテムごとに収納できる機能でございます、是非お試し下さいませ。いま一つは、今後は主さまが魔物の群れを討伐した証として避難している村人たちに証人になって頂いてはどうかと考えます。」


「確かに、僕たちが討伐したとなれば、国からの褒章なんかが期待できるけど、どうやって?」


「今から、私が村人が避難しているところまで行き、中の一人に主さまを見つけさせ、皆が主さまを見るよう誘導しますので、主さまはメテオを放つ際、大きな動きでメテオを放って下さいませ、私がその者のふりをして解説まですれば全員が主さまのご活躍を語り継いでくれるものと…」


「そう、うまくいくかな?まぁ、やらないよりましか、では頼んだよ、アヴァランチ」


「はっ」と言うが早いが村人が避難する先へ飛んで行った。


「カタストロフー、準備出来たら、合図頂戴ね!」


その間も、まだパッパラー、ピロリン、たまにピロリロリン、シャキーンと音が鳴っていた。しばらくすると、カタストロフから「どうやら、片付きましたね、アヴァランチからもいつでも始めてくださいと連絡がありました。次があの一番魔物達の魔力が強い集団です、討伐お願いします」


「では、いくよ!ポーズは大きくゆっくり、みせてからの~、”メテオLv4”!!」今度は先ほどの隕石より大き目の物が4つ魔物の群れに降り注いだ。


ドドドドドーン、ドドドドドーン、ドドドドドーン、ドドドドドーン


「限界突破したから威力増し増しだ!」パッパラー、ピロリン、たまにピロリロリン、シャキーンと音がなり始めた。強い魔物の群れのせいか最初の時よりもパッパラーとピロリロリンと鳴る回数が多く感じられる、今回のメテオでの討伐では、”魔獣馬の卵”2個と”召喚カード・SSS悪魔” と ”召喚カード・SSS精霊” 計4つのエクストラアイテムと2回の限界突破の音を聞いた。


三度目も、ポーズは大きくゆっくりみせて ”メテオLv4” を放った、収穫は、”魔獣馬の卵” と ”召喚カード・SSS妖精” と4回目の限界突破の音だった。

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