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クマ耳の”ワニ” (Day6)

今日のメニューは、そこそこの大きさ――40センチほどの「ワニ」が三匹だった。


昨日の”ワニ”が1.5メートルもあるPholiderpetonフォリダーペトンだったせいで、ずいぶん小ぶりに見えてしまう。だが、普通の感覚で言えば、これでもじゅうぶんに大皿すぎる。


それにしても、「完食したら失礼とされる」文化でなくてよかった。

もしそんな風習があったなら、昨日の無理が祟って、今日は2メートル級のRhizodusリゾドゥスでも出てきていたかもしれない。


地球で僻地を旅していた頃は、そういうことでよく困らされた。

招かれたら行かなければならない村、逆に、行ってはいけない村。

完食しないと礼を欠く村、逆に、完食すると「もっと食べたそう」とみなされてしまう村。

人というものは本当に、面倒くさくて、複雑怪奇で、理解困難で、まるで法則性がないようにすら見える。しかしながら、その「正解がない」ところがやはり見ていて飽きない。

ときどき、自らの正義感を押し付ける人がいる…科学に毒された人や、AI教徒に多い…

しかし、彼らは正解を出さないことこそが人類の面白い点である、という境地に至っていないのだろうな、と思うのだ、


……まあ、脱線だ。


煮つけの見た目はなかなかイケていた。


手足は体の下にきちんと折りたたまれ、ごく普通の魚の煮つけのように、しれっと皿に載っている。

上下に平たい体はコチかホウボウか、と言ったところで、ご丁寧に細かい鱗まである。

首もほとんどないので、知らない人は魚と言われてもさほど違和感もないだろう。


そう、「両生類を食べる」というと、ついゲテモノ扱いされがちだが、ごく正統派の食材である。


とはいえ、皿の下に短いながらも四肢がぴたりと折り畳まれているのを見ると、どうしても目が向き、ややぎょっとしてしまう。

でも、このくらい、ちょっと手足がある「魚」と思えばだれでもすぐ慣れるだろう。

まあ、顔はといえば、驚くほど「ワニ」なのだが…クロコダイルではなくて、アリゲーターのほう。


肩はといえば、二段構造かのようにみえる。

鎖骨とその間にある間鎖骨が一つ目の”肩”を、その後方には肩甲烏甲骨が2つ目の”肩”を作っている。

前者は魚の”カマ”で、後者は魚の鰭の付け根にある”鯛中の鯛”に相当する。

いくら立派な四足がついたとはいえ、この時代の”両生類”は色々な面で、まだ魚だ。

細かい鱗もじつに魚的であるし、おそらく頬の内側には、しっかりとした鰓が入っていることだろう。


脊椎動物は骨の特徴が肉に埋もれてしまうので、あまり得意ではない。

けれども…今日の個体は、一目でわかった。

後頭頂骨にはしゃもじのような突起があり、まるでクマのぬいぐるみの耳のように、肉の上からでもぴょこんと飛び出してくっきりとした輪郭をかたどっていた。


Cochleo(コクレオ)saurus(サウルス)だ。


コクレオサウルス解剖編はコクレオサウルスの文献がなかなか入手困難のため遅れております。もし入手できれば書きます。

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