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立ち行く君は春待たずして

作者: 鮎貝さな
掲載日:2025/01/04

冬こもり春かたまけて

八千種(やちくさ)の花めづらしく

咲きたらば()三枝(さきくさ)

こと(さき)くま(さき)くませと

かぐはしき(しきみ)()きに言挙(ことあげ)

(さき)くいませば

あしひきの夏山()みに

()(つた)の行き別れても

(しひ)()の逢ひは(たが)はぬ

()(くれ)に見ゆるさ百合の

()みに(ゆり)もかならず逢はむとぞ

()言挙(ことあげ)言挙(ことあげ)()



~以下意訳~


春を迎えて、いろいろな種類の花がすばらしく咲いたなら、真っ先に咲く三枝(()()()さ)の名のように、無事で幸せで(ことさきくまさきく)あれと、かぐわしい樒(()()み)の名のように、しきりに声に出して祈ります。

幸いであったなら、夏の山いっぱいに延びる蔦が先々で枝別れするように、私たちの行く道が別れても、枝が茂って(たが)うことなく重なり合う、そんな椎の木の木陰で咲く百合(()())の花のような笑顔にこの先(ゆり)で必ずまた逢えるだろう。

私はそう声に出して祈ります。

声高く祈りの言葉を言います、私は。





今年、春を待たずして卒業することが決まっている推しの一人に寄せて。

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