表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄の魔王転生者  作者: 雛森りす
第一章 魔法学校
2/6

一話

 シスターの掛け声が部屋に響き渡る。


「この世のあらゆる事象の結果は、神によって定められているのです。さぁ。神に祈りを」


「「神に祈りを」」


「…俺はここで何をしてるんだ」


 小声で我に帰ったように自問自答してしまった。


 俺は前世の『日本』での記憶を継承したまま転生し、教会に預けられていた子供として16年間を過ごした。この異世界には神を信仰している宗教があり、俺がいる教会もその類の場所だった。

 そして、この異世界には前世と大きく違うものがあった。


 この世界には、『魔法』が存在している。


 男女どちらも16歳になると『魔法使い』になる道が開かれる。この世界では肉体に魔力が巡っている。

 16歳になると、全ての人に魔法学校への入学証が届く。実際俺にも教会を通して届いている。魔法学校は寮制のため、元々宗教系に興味のない俺からしたら最高の手紙だ。協会ではこちらの世界の事情や読み書きなど、かなり詳しく学ぶことができた。

 

 この世界は遥か昔、魔王に支配されていたらしい。

 それを一人の魔女が封印し、世界に平和がもたらされた。そこからが魔法の始まりらしい。原初の魔女によって、その魔法が代々受け継がれ、その祖先が魔法学校を設立し、さらに魔法が世界に広がった。俺が転生した頃には魔法の使用は日常茶飯事となり魔法が当たり前の世界となっていた。

 だが魔法を悪用する者も現れ、今現在この世界の平和は少しずつ壊れ始めている。だが逆に言えば平和を保つためにも魔法を学ぶ人間が増えている。

 俺にはそんな大層な理由もないが、教会から離れるチャンスはもうここしかないと思い入学手続きを行った。だが、


「俺って、魔王に転生する道を選んだはずだよな..今のところただただ平和な監獄生活みたいなものを送ってきただけなんだが」


 教会で生温い生活を送っている中で、前世より穏やかな性格になった気がする。絶望から解放されたおかげだろうか。

 正直16年平和に過ごして、何もかもどうでもよくなってしまった。また前世と同じように自分の意思も持てずに腐ったように死んでいくのか。それだけは許せない。


 そうならないように、もう一度学校生活を正しく送れるだろうか。


「自分の意思で、自分の判断で生きていけたらなぁ」


 折角二度目の人生だ。前世とは違った生き方をしてみてもいいかもしれない。



×××××××××

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ