3永い旅路へ
主人公:僕がこんなにも生を許せないのには訳がある。それは幸せじゃないからだ。
笑ってしまうような短くて当たり前な理由。だけどそんな当たり前のことが僕にとっては辛い物なんだよ。
もし君が街を歩いていて、誰かの方にぶつかったらどうする?
きっと謝るだろうね。もしかしたら謝りながら逃げるかもしれない。
けど僕はそんなことはない。謝ることは正しいことで、しないといけないことだ。でも声が出ないんだ。言葉がでてこないんだ。今はこんなにも話せるのに、いざその時が来たら委縮してしまうんだ。そしてなぁなぁに過ぎてゆく。
私:もし君が本当にダメなんだったら家から出なきゃいい。そしてそのまま名言でもお話でも、愚痴でもなんでも垂れ流しながら朽ちてゆけばいい。
それなのに君は人を見ている。嫌われることを恐れている。ならばそれは尊いもので必要なものだから無くさないで持っておくといいよ。
主人公:僕が大人になって、、もう大人なのかもしれないけど。要は社会に出て、一人になっちゃったとき、そこには何が待っているのかな。
私:君が大人になった時、もしかしたら周りには何もないかもしれない。それでも足掻いて足掻いて足掻いて、悪あがきを重ねたらきっと何かが待ってる。
それは人じゃないかもだし、趣味とか、そういうのじゃないかもしれない。
けどやっぱり最後には足掻けるのが人間の、君の力なんじゃないかな。
主人公:そうかもしれないね。それじゃあなんで僕は生きるの?
さっきの話は分かったけど、だからって僕が生きることにはつながらない。
記憶の渦と追い求めた運命。
だけどそこに現れたのは今の僕さ。
なんで僕は生きているのかな?
私:生きていてほしいから。私が君に生きていてほしいから。
君は誰にも望まれていないと思うかもしれないけど、どこかの誰かが君を知っている。
主人公:でも僕はそんなにも僕を思ってくれた人に出会っていない。大学の友人だってそんなに仲いいわけでもないし、高校や中学、小学校の頃の友人だってここ数年話してない。
どうしてそんな無責任にものが言えるんだい。
私:だって君は人を信じないんだもん。君の近くにいるひとは君が生きるのをやめちゃったら何か失っちゃった気持ちになる。昔の友達だって君と同じ気持ちかもしれない。
今メールなりなんなりをすれば返してくれるかもしれないよ。
君がさみしくてそんなに悲しいことを言っているんだったら、誰かに助けを求めてよ。
私は君の話を聞いて、君はそれで救われるのかもしれないけど、それじゃあだめだよ。
だって私は君なんだから。
君が自分の屁理屈屋な部分と、まじめに考えちゃう部分を分けて考える癖ができたときに生まれたんだから。
時々感情的になると混ざれたけど、君は私を遠ざけようとしてた。
主人公:そんなことはない!だって君は君で、僕は僕なんだから。
私:君はいつもそうだ。傷つくことを恐れて私という作品を作った。私が失敗しなければ君は成功したっていう自信をもっていられるから。
でもそれは間違いだよ。
どんない頑張っても理論だけじゃ廃れる。感情的な部分も含めて、私は君を愛していた。
主人公:、、、僕は君を壊したくない。君を壊してしまったら僕の心のよりどころが無くなってしまうから。でも確かに君は僕だった。そして君も僕も完成されながらにして不完全だ。
私:私は君に運命を追ってほしい。思い出を忘れないでほしい。
それも無理ならただ生きていてくれさえすればいい。
元通りになって大団円なんじゃなくて、2人がそれぞれ経験したこと、感じたこと、思ったこと、そういうのが邪魔をすると思う。たぶんそれじゃあ大団円にはならない。だって君は人を信用しないし、私は醜くさに美しさを見出しちゃうから。性格が違うでしょ?
でも私たちにとってはそれがハッピーエンドだと思う。
さようならかなって思って、私はあなたのなかから消えようと思っていたけど、それじゃあだめだよ。
だから今度はただいまって言わせてほしい。
主人公:分かっていた。いつか終わりが来るって。だって来年には社会にでてこんなままじゃ駄目なんだから。
そうだね
双方またはどちらか: ただいま
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ボイコネライブ小説大賞 応募作品です。