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プロローグ
時はユースティア歴1297年のこと。
ブレイズ王国の北、霊峰ベヒルモルス山脈に住む者達。
彼等は一族代々ある一つの流派を背負っている。
かつてその流派を用い王国を襲った災厄、"邪龍"ニーズヘッグを討ち倒し人々を救ったとされる伝説の一族。
曰く、その一刀は天を衝くと。
曰く、その一刀は海を割ると。
曰く、その一刀は大地が叫ぶと。
空を海を大地を一刀の元に切り伏せる流派を使う一族を人はこう呼ぶ。
"龍殺しの一族"
それから時は流れ、100年。未だ爪痕が残る部分を残しながらも繁栄を築くブレイズ王国。災厄は去り一時の平和を掴むものの他国との争い、押し寄せる災厄の予兆を前に誰もが望んだ。
かつて襲い来る災厄を討ち果たした一族を。
龍殺しの英雄を。
そして生まれる、"最強の末裔'"が。