表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

お出迎え

使用人たちの協力もあって、お出迎え準備はなんとか完了した。

お茶を終えたころに、スチュアートが到着を告げにきた。

僕とエリーは、連れ立ってエントランスでお出迎えをすることになった。


豪華な馬車からグレーの髪を撫でつけた紳士が下りてくる。

お義父上は長らく、軍の中枢にいらっしゃったが、エリーの将軍職への昇進と共に領地へ戻られたとお聞きしている。お年のせいか、細身ではあるが足腰は健在でお元気そうだ。


「お父様、おかえりなさいませ。」

「お義父上、遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。」

「堅苦しいのはよしてくれ、婿殿。今回の滞在中、世話になる。」

「ご自由にお寛ぎください。」

「スチュアート、馬車に土産がある。あとで降ろしてくれ。」

「承知いたしました、大旦那様。」


スチュアートは一礼をして、人の手配に向かった。

僕はにこやかに笑いかけ、お義父上をサロンに案内する。


「晩餐はジョシュアが張り切るそうですよ。準備が整うまでサロンでお茶にいたしましょう。」

「それは楽しみだ。以前、見てみたいと言っていた領地の織物を持ってきた。後で見てみてくれないかね。」

「それはありがたいです。晩餐の後にでもぜひ。」


◇❖◇


ディナーを終えても話題は尽きることがなかった。

結婚式の後から先の遠征の報告。エリーの言葉を一つ一つ聞いて頷いていく。


「まだたくさんお話したいことがありますのに……わたくしは明日の帰還の儀のために、休みますね。いつもより早く出ますので、朝食は不要です。」

「では、ジョシュアにお弁当を頼んでおきますよ。ひと段落したら食べられるように。」

「まぁ!ありがとう。では、おやすみなさいませ、お父様。」

「あぁ、明日は努めなさい、エリューシア。」


エリーは僕に向き合って微笑む。


「フィエンもおやすみなさい。」 

「うん、おやすみ。」


エリーは侍女を引き連れて自室に戻っていった。

明日は早めに紅茶を持って行こう。

部屋に残ったお義父上は、僕に向き合うと少し笑った。


「婿殿は酒はいける口だろうか?」

「たしなむ程度です。」

「じゃあ、少しこのおいぼれに付き合ってくれ。」


応援ありがとうございます!

ゆっくりですが連載していきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ