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お前に隠れオタクの気持ちがわかるか?


『腐男子でオカマの彼と恋はできますか?』




腐男子、腐女子とは対照的に数がとても少なく希少種。

実態としては、男性キャラを愛でる男性のことを指す。


こんな希少種にわたしは物心ついた時から一緒だったのである。





「さな〜!昨日の『REBORNS』みた?ちょ、あの柏木は反則でしょ。はだけたシャツとか俺を殺す気かよ〜♪鼻血、とまんなかったわ」


わたし、一宮さなを下の名前で呼び、内股気味にかけてくるのは幼なじみの真嶋連。連とは物心ついた時から一緒で、家も近所だったため、よく遊んでいた。実家は金持ちで、家もめちゃめちゃデカい。顔もイケメン?らしく(わたしはそうは思っていない)なにより口が上手いためママさん受けが抜群なのだ。



「ちょっと、さな聞いてるか?」


「しーーーっっっ!!!」


「なんだよ」


「ほんとに学校ではアニメの話とかやめてって言ってんじゃん!!オタクってバレたくないの!!それと内股走りやめなって何度言ったらわかんの?」


そうなのだ、こいつはルックス、スペック共にいいらしいのだが、なんせ女の子っぽく内股走りは幼稚園生の時から直らない。それと基本オープンオタクな為、どこでも大声でオタトークを繰り広げる。


「あぁ?おい、下等種族。おまえこそ内股のこと言うなって何回言えばわかんだよ」


連はキレながらわたしの頬を鷲掴みにしてくる。こういう時は男っぽいんだよなぁ……。てかほんっと綺麗な黒髪だな、禿げろ。


「おい、聞いてんのか!?下等種族……!!」


わたしは連の腕を振り払った。


「うるさいなぁ!!誰が下等種族じゃ!!おまえも同じだろうが!!」


廊下でキーキー喚いていると、後から落ち着いた声が聞こえてきた。


「どいて、朝から見苦しい」


バッと背後を振り返ると、そこにはこれまた綺麗な黒髪の長髪を靡かせた凛花が立っていた。


「あ、凛花おはよう!」


「おはよう、ほんとあんたら飽きないよね。そろそろ結婚でもしたら?」


でたよ、凛花の口癖。凛花はなぜかわたしたちをすぐに結婚させようとする。自分が結婚エンド好きなのをわたしたちに当てはめないでほしい。


「凛花やめて。わたし結婚するなら葉月くんみたいな人がいいって言ってるでしょ」


すると連は鼻で笑いながら、

「また葉月くんかよ。あんなのどこ世界にもいないっての。てか凛花、俺はこいつみたいな下等種族と結婚なんてしねぇから。もっと可愛くて品のある女の子と幸せな家庭築くんだよ」


そうこいつは可愛くて綺麗なものが大好きなのだ。

というか、今、葉月くんの悪口いわなかったか?あ、葉月くんっていうのはわたしの一番の推しで、最高にかっこよくて目付きが悪いけど優しい男の子。


「てかさ、なにをまたギャーギャー騒いでたの?」


凛花は腕を組んで、わたしたちに聞いてきた。


「連がまた大声でオタク話してきたの!!ほんとデリカシーのかけらもないよ」


すると凛花の目付きが変わった。


「連、それほんとやめなさいよ」


「なんでだよ」


こいつはまだ事の重大さに気づいてないようだった。

わたしが呆れているのがわかったのだろう、連はわたしの顔を一瞥しキツく睨みつけた。


は? なんでわたしが睨まれないといけないわけ?



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