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風と鎖と発明家

「おーい、ただ並ぶだけなのにどんだけ時間かけてるんだ!」


騒々しい体育館に、教師の叱責などが聞こえる。生徒達が騒ぎ立て、高揚するのにはある理由があった。数分後、辺りが静まり返った後校長がステージに現れ、こう告げた。

「既に知っている人もいると思いますが、本日転校生が2名来ることになりました。それでは早速ですが入場してもらいましょう。」

そこに、マラソンでもしてきたかのように疲れ果てた二人が姿を見せた。二人は、簡単な自己紹介を済ませ、退場した。その時点で片方は眠りに落ちた――――。


ここは天門高校2-Aの教室。始業式を終え、そこでは転校生の話題で持ちきりだった。

「ねぇねぇ、私たち注目の的になってるね。」

「そんなん一時だよ。数日経てば普通の生活になるさ。それより眠い……。」

二人が話していると、そこに白い髪と青い瞳をした男が間に入り込むように現れた。

「やぁ、僕の名前は伊吹蓮(いぶきれん)。副会長だ。まだわからないことが多いと思うし、この学校について色々説明しよう。」

「ありがとう!ほら空介、行くわよ。」


蓮は二人を連れ、防魔室と呼ばれる部屋に案内した。

「ここは、他より頑丈にできててね、どれだけ魔法をぶつけても壊れないように作られているんだ。いわば修練所のような場所だね。天門高校が誇る施設の1つでもあり、魔法使いの育成所として最高の場と言われている所以なんだ」

「ふーん、まぁ俺には必要ないかな。」

と、空介は今朝使用した銃をクルクルと回しながら言った。そこで、蓮が疑問に思い質問した。

「そういえば、君達の魔法ってどんなものなんだ?自己紹介の時言い忘れてたでしょ。結構重要なことだよ。」

「私は鎖を出せるの。切り離したりできるし、調子が良い時は20本ぐらいは同時に出せるよ。」

「俺は……うん、“武器の発明”かな。時間はかかるが、威力は凄まじいぜ。一発撃ったらすぐに壊れる使い捨てみてぇなもんだがな。で、そういうあんたはどんな魔法使うんだ。」

「あぁ、僕の魔法は……」

蓮が話そうとした途端、近くで爆発音が鳴り響いた。

「なんだ今の……西のアベニューからか!」

「よくわかるわね、どんな耳してんのよ」

「早く向かうぞ!」

3人は全速力で現場へ向かった。



現場には、オオカミのような姿をした黒い生き物が住民を襲っていた。警備ロボットが応戦しているが、あまり手応えはない。

「なかなか酷いわね……」

辺りは火が上がり、大量の負傷者が出ていた。

「あれは最近この街に現れた生命体でね、僕らは総称して“ヴラーク”と呼んでいる。出現の原因は何もわかっていないんだ。天門ではそれらから街を守ったり、敵の研究をしているんだ。」

「おっと、言っておくが今の俺はクソの役にも立たねーぞ。今朝一発撃っちまったし、武器もそれしか作ってねぇ」

話している内に、ヴラークが3人に目をつけ、飛びかかった。空介、蓮と結城、と分かれて回避し、結城は鎖を一本敵の首に巻き付け、手前に引っ張りそのまま地面に叩きつけようとした。

「犬らしくしてなさい!」

「よくやった!そのまま離すなよ!

祈りを繋ぐ神々の風 《ビエント・オラシオン》!!」

蓮の手の平から突風が巻き起こり、その風と共にヴラークを地に伏せた。

「さすがに倒せたわよね……。」

しかし、敵はまだ動く。恨みを晴らさんとばかりに立ち上がった瞬間、

ドンッ!!

謎の音と共に倒れ、そのまま跡形もなく消滅していった。そして、そこには銃のバレル部分を握りしめた空介の姿があった。

「へへっ、こんな使い方もあるんだぜ。」

そう言うと、また眠りに落ちて倒れた。

「どんだけ寝るつもりなのよ、こいつ。」

「これじゃあ今日の学校案内は無理だな、結城ちゃん、彼を家まで運んでやってくれ。僕はまだやることがあるんでね。」

「わかったわよ……。」



二人が去っていった後、蓮の背後にグラサンをかけた男が現れた。

「なぁ、引き止めなくていいのか。お前も異変に気づいてるんだろ。」

「まぁね。でも今日の彼は朝から大忙しだったらしいし、今は休ませておいてあげようってね。」

「はぁ……相変わらずだな。対ヴラークのキーマンになるかもしんねぇのに、だって“アイツの武器でトドメを刺したときだけヴラークが消滅してる”んだぜ?どこか不可解だ。早めに調べといた方がいいと思うがね。」

「この件は後で会長に伝えておこう。さて、今から周囲の後始末だ。」



こうしてこの街は危険でありながらも魔法使い達により治安が守られている。しかし、その治安も、一つの強大な力で簡単に崩れ去る時もある。今は誰もそんなことは思ってもいないが。

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