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2話 復讐者になるまで-2-

 とりあえず今はいいやと思い町中を歩く。

 この町はそこまで大きな町ではないが、みんな元気でやっている。

 まあ今日からはそれよりもいい事があるそうだ。いや、作業をする人からすると大変か。

 今日から5日後、勇者パーティが来るそうだ。


 5~8年に一度襲来する「災厄」に対抗するパーティ、人々を掃討者という。その掃討者の中でも1度でも優秀な成績を収めた人のパーティのことを勇者パーティと言われる。


 今回来る勇者パーティメンバーは、ドワーフのタイガート、獣人のルガイン、竜人(ドラゴニュート)のケイラ、森精(エルフ)のフーリファ、そして人間(エボル)のリョウヤ。

 余談だが、今回の来る勇者パーティは五種族と言われる種族から各1人で組まれてる。

 だが、人間(エボル)は召喚された人なんだとか。名前からして完全日本人。


 五種族を簡単に説明すると、

 まずは小人ながらも力があり、物の制作や修理技術に長けているドワーフ。

  獣の血を引き、その獣によって様々な能力のある獣人。

 太古の昔に人種になろうとした竜が進化し、人種となった竜の血を引く竜人(ドラゴニュート)

 森の精霊と昔からの関わりを持ち、魔法使用能力に長けた森精(エルフ)

 一番古くから存在しているとされている、特殊な事は何も無いがなりたいものに成れる人間(エボル)

 この5つの種族が五大種族とされ、中でも竜人(ドラゴニュート)森精(エルフ)人間(エボル)は3大種族とされ、最も人口や力が強いとされている種族だ。


 俺はというと半獣人と言われたから多分獣人と人間(エボル)のハーフだと思う。

 ちなみに獣人と人間(エボル)だと半獣人だが、これが獣人と竜人(ドラゴニュート)のハーフだった場合は半獣竜となる。

 シュリカはと言われると純粋な人間(エボル)だ。

 だからこの街が獣人だけ、や人間(エボル)だけ、の街ではない。森精(エルフ)もいればドワーフもいる。


 話を戻すが、勇者パーティが来てから3日間はお祭りとなる。

 よって商売業の人たちはここぞとばかりに気合いを入れる。

 お母さんは一応商売業を営んでいるが、主婦向けのものを多く売っている。

 お母さん曰く、「お父さんが残してくれたお金があれば無駄使いをしない限り生きていけるから大丈夫よ」と、少し寂しげに答えてくれた。少し聞かなければよかったと後悔している。

 だが、今の時期は災厄も来ていないこの時期に来るんだろうか?人気集めか?

 まあ祭り当日はシュリカと遊ぶか。




 祭り当日、シュリカを誘おうと思ったらシュリカから誘ってきた。顔を赤くしながら。

 シュリカは大きくなるにつれだんだんと可愛くなる。まあ、女の子に可愛くないって言うのはどうかと思うけどな。

 一応言うがシュリカとは付き合ってはいない。告白する勇気なんて俺にはないからな。おいいまヘタレって言った奴出てこい。俺はタイミングを狙っているだけだ。


 勇者パーティはというと夜になったら来るそうだ。

 それまではシュリカと食べ歩きしたり遊んだりする予定だ、お母さんからはそれなりの金額をお小遣いとして貰ったから多分大丈夫のはずだ。




 そらから数時間、食べまくった。


「お腹いっぱい…」

「えーまだまだでしょ!もっと食べようよ!」


 まだ入るんですか…どんな胃袋してるんだよ…怖いわ。


 それから また 数時間、日はだんだんと沈んできた。


「ふう、食べた食べた」


 とうとうシュリカの食欲が収まったようだ。


「結構食べたな」

「でももっと入るよ。多分今まで食べたのもう1度食べてって言われても食べきれると思う」


 …あなたの胃袋は魔鞄か何かですか?

 魔鞄というのは一定量の重さまでなら大きさを無視して入れることの出来る鞄だ。マジックバックもあるのだが、魔鞄はマジックバックの下位互換とされているが違いは知らん。


「あ!あれ欲しい!」


 いきなり何?と思ったが、シュリカがあれが欲しいと指を指した先には、ルファウルのぬいぐるみがある。

 ルファウルとは、ウルフという魔物の下位互換の魔物で、魔物ではなくペットとして多く知れ渡っている。


「お?坊主やるか?」

「うん、やってみる」


 そういい、銅貨を5枚渡す。

 これはクジで出た番号と同じ等数のものから一つ、貰うことが出来る。

 ルファウルのぬいぐるみは4等だ。一番下の等数は5。4を出せるようにしないとな…


「これだ!」


 箱の中から卓球ボールほどの大きさの球を取り出した。球には3と書かれていた。


「おう、おめでとう。3等の当たりだぜ」


 なんと…4等が欲しかったのにそれより確率の低い3等を引くなんて…


「ごめん」

「いいよいいよ、明日私がお金持って自分で引くから」


 なんとまあ優しいやつだ。


「それで、何にするんだ?」

「んーと、あ!これでお願いします」

「あいよ」


 そういい、店主は俺の指定した物を取って渡してくれた。


「はい、これあげる」

「え?いいの?ありがとう!」


 それをシュリカに渡した。渡したものはブレスレットだ。

 ブレスレットがぬいぐるみより等級が低いのはどうかと思うか?いやいや、このブレスレットは魔石が入っているから等級がぬいぐるみより高いんだ。

 魔石が入ってると何かいいことあるのかと思うが、本によれば持っているだけで僅かながら身体能力が上昇したり、強い意志を持つとそれに共鳴し力を与えるとされているらしい。よくはわからん。


「おぉ、お前ら相変わらずだな」


 歩いているとシュリカのお父さんと出くわした。


「あ、お父さん!」

「あれ?お前その腕輪どうしたんだ?」

「んー?えへへーヒューリに貰ったんだー」

「おーそうか!大切にしろよー」

「うん!」


 と、こんな会話をしていると街の人達が外の方へと走って行った。


「あれ?みんな外に行ってるけどなんで?」

「あー、もう勇者パーティが到着するんだとか。あっちを見てみろ」


 シュリカのお父さんがゆびさした方向には赤い竜が大きく羽を羽ばたかせ飛んでいる。

 もしかして竜人(ドラゴニュート)の共通スキル【竜化】かな

 竜になれるとは羨ましい。変化ではあんなの出来ないからなー…


「ここだと見えにくいし少し遠くなるけど展望台から見たらどうだ?」

「そうだね。行こ!ヒューリ!」

「あ、ちょっと待って!」

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