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遮光くんに太陽をあげる  作者: 日下 一行
海月が沈んだ日 / 太陽に見つかった時
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01 / 01

阪井海月の嫌いなもの、それは太陽。


夕焼け朝日日だまりなどなどなど。



同級生からのいじめに遭い、屋上で見た朝日。

腫れた瞼にあたたかな光を感じて空しさを覚えた。



自分が帰らずとも気にもとめない家庭。


他に何人も男がいる自分を産んだ女性(ひと)


酒がない、とビール瓶を振り回し

茶色い破片を踏まぬように階段を登り、

チチオヤなる男のヤジを聞き流す。



窓から差した赤い太陽は、茶色い破片を通って

チチオヤに刺さっていた。


***


海月がいじめに遭ったのは高校2年の春から。


小中学校からの幼馴染みや、

高校に入学してから出来た友達の大半が

他のクラスに割り振られ、

ちょっぴり一人狼でいたら


襲われた。



いじめに立ち向かうとか、

逃げるために不登校になるとか

そんな考えは海月にはなかった。



毎日毎日、図書委員会の活動があったから。


委員長がだらしなくて、他の委員もやる気がなくて、

放課後の図書室の当番はいつもいなかった。


だから海月は、毎日毎日図書室のカウンターに座り

下校の時間まで当番をしていた。



図書室は人がいることがほとんど無かったけど

ある日の下校間近、ふらっとやってきたのが新山だった。


「図書当番終わったらさ、一緒に帰らない?」

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