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新山亮平は阪井海月の週末同居人。
つまり、新山のお家は別に存在すると言うこと。
「またガムテープで補強したんだ。
隙間から入る太陽の光くらい、入れてあげればいいのに」
新山は海月の部屋のカーテンをつまむ。
「うるせー」
海月は買い物袋から今晩の献立を予想する。
……今日は唐揚げだな。
海月が太陽を嫌うのは、まあ、色々なわけがある。
暑いとか、明るいとか、日焼けが嫌とか
そんなものから、
学校の屋上で見た、ぼやけた夕焼けとか
割れたビール瓶から透けた朝日とか
まあ色々なわけがある。