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プロローグ9

さあ、大変だ。

城の避難用の鐘がまだ鳴り響いていた。

人々は混乱し、ただ兵士の言うことだけを頼りに一応、自分たちの家より安全な城の中に逃げ込んで行った。

「順番にーっ!!ゆっくりとーっ!!押さないよーにっ!!」

兵士の一人が大声で案内をする。が、城に入るための橋で人の行列ができてしまっていた。


「わーっ!!」「押すなぁっ!!」「お母さんどこー!!?」「なんだってんだ!?」「怪物が二匹、近くのラック村に出たらしいぞ!!」「この街が襲われるのか!?」「早く行け!!」


口々に勝手に話し合い、収集がつかなくなっていた。

それを城の見張り台からマックスは何も言わずに眺めていた。

「………………………。」

「マックス隊長!避難にはあと一時間はかかります!!」

後ろから来た兵士が報告する。

「見たら、わかる。全員に通達しろ。老人や子供を最優先に避難させるように。」

「はっ!!」

その兵士はきちっと敬礼をしてから駆け足で階段を降りていった。

それを確認したマックスは懐から片手サイズの望遠鏡を取り出してそれを覗く。覗いた先は、


ラック村。


〜ラック村。ディノの家付近〜


「母さんっ!!」

ディノが歓喜の声をあげる。

「三人共、怪我は無いわね!!」

マリアがディノ達に駆け寄りながら無事を確かめる。

「早く逃げなさい!!私はエリーを助けに行くから!!」

「わ、わかった!!」

慌てながら返事をしたディノは、先程の様子とうってかわって逃げる事に全力を注ぎ始めた。

まずケンの手を引っ張るようにマリアが現れた森に逃げ込んだ。

ケンは引っ張られるがままディノについていった。


一方マリアは背に刀を背負ったまま、エリーと黒龍の間に割って入った。

「こっちよバーカ!!」

言い終わるか終わらないうちに竜に刺さっていた剣をものすごい速さで移動しながら引っこ抜き、竜の腕をかけ上がる。


ゴアアアアアアアッ!!


竜が力任せに腕を振るい、マリアを落とそうとする。


マリアは、無理にしがみつこうともせず、自ら飛び降りた。そしてその近くはエリーがいた。

「ディ、ディノのお母さ…えっ!??」

マリアはエリーに近づくと、片手でエリーの服の背中の辺りを掴むと、


「ふんっ!!」


ディノ達のところにぶん投げた。

「っと!!」

ディノがすぐに反応して、エリーを受け止め――――、

「おわっ!?」

――――きれずにひっくり返った。が、エリーには怪我を一つも負わせなかった。


ちなみにエリーはと言うと、何が起こったのかわからず、ただ呆けていた。

が、その方がマリアとしてはありがたかったのだ。

抵抗でもされて無理に投げつけたらコントロールが狂い、あらぬ方向に投げ飛ばす可能性があったからだ。


マリアは全員の無事を確認してから、更に背負っていた刀を全てディノ達に転がすように投げた。

それから竜と真っ正面から向き合い、大声で叫ぶ。

「ディノ!!その刀を持って逃げなさい!!森を真っ直ぐ抜ければアルバンの城だから入れてもらえるはず!!」

「母さんはどうするの!?」

「私はこいつを倒してか後を追うわ。必ず!だから早く逃げなさい!!」

「でもっ!!」

ディノがうろたえるが、

「ディノっ!!あなたがしっかりメリアを、皆を守るのよ!!絶対にっ!!」

「………わかった。俺が………皆を守るから………母さんは必ずそいつに勝って!!」

マリアの一言で自分の役目を見つける。そして刀を一本一本手早く拾い集め、強引に背負った。

「よしっ。必ず守りなさい。皆を………。」

それを確認したマリアは静かにうなずいて、ディノにそう言い聞かせた。

「わかった!!約束だからねっ………!!ケン、エリー、行こうっ!!」

「ディノっ!!いいのかよ!!」

ケンが不安げに聞く。

「大丈夫!!俺の母さんは嘘をつかないっ!!今まで嘘をついたことがないから!!」

ディノが自身満々に言い切る。

「マリアさんっ!!」

エリーが突然叫ぶ!!


ギャキイイィィン………


竜の爪がマリアに襲いかかる。

が、それをマリアは受けきる。


「早く逃げなさいっ!!」

マリアが怒鳴る。


「……行こうっ!!」

ディノが走り出す。

「……………っ…!!」

ケンも続く。

「…マリアさん………。」

エリーが一番最後に走り出す。


ディノが途中で一回振り返ったが、すぐに前を向いて走り出した。


三人が森の中に消えてからマリアが一言呟く。


「………………ごめんねディノ。母さん………最後に嘘、ついちゃった………。」

戦闘経験が多いマリアは――――レクサード・マリアは、竜の腕にかけ上がった時に、感覚的に気づいていた。


    ――――勝てない――――


筋力的な差だけではない。

スピードはこちらがやや上回ってると仮定しても、全体的に、総合的に、全てを下回っていた。


この世に絶対があるとするならば、正に今の状況だろうとマリアは自嘲する。

「…………でも、時間だけは稼がなきゃいけないのよね………。あの子達の未来のためにも………。」


       覚悟を決める。


「レクサード・マリア………………いえ。

アルバン・ディー・アメリア!!

いま、竜を切る一つの刃となる!!」




――――――――――――――――――




「………………おとう………さん。」

メリアは一言そう言って、安心したように気を失った。

「…遅れてすまなかったな………メリア。」

バルハラスがメリアとリーアとサラの三人を安全な場所に寝かせてから背負った1メートル弱の長剣を抜き放ち、竜に接近を開始する。

「村を散々荒らしやがって…………

覚悟はできているんだろうなあっ!!」

バルハラスが――――――――――――


      本気で怒った。



竜が殺気を感じてこちらに気づく。攻撃を行っていた兵士や村の人を全員無視してバルハラスの方にだけ向いた。


グアアアッ!!


吠えてから、バルハラスだけを凪ぎ払うように尻尾をぶん回す。


それに対してバルハラスは、避けようともせず、受けようともせず、前に踏み込んだ。

その踏み込みは鋭く、早く、勢いを殺さず、一気に、竜の懐まで入った。

バルハラスが踏み込んだ地面が爆ぜていた。

「あああああああああああああっ!!!」


竜の尻尾が当たる瞬間には決着が着いていた。


バルハラスの剣は竜の胸を穿った。

綺麗に丸く円のようにぽっかりと穴を開けた。


グギャアアアアアッ!!


断末魔に似た悲鳴を上げて倒れた。


最後まで読んで頂きありがとうございます。


次でプロローグはラスト!!の予定。


まさかここまで長々語ることになるとは………我ながら無計画さがにじみ出でます。(笑)

「笑い事じゃないでしょ。」

いやホントホント笑い事じゃな………………ってえ、マ、マコッさん!??なぜここに??

「『マコッさん』でわかんない人は、この作者の別作品の『世界で一つのアレが飛ぶ』をよろしくね。」

ああ、はい………じゃなくて、何しにきたんですか!??あなたは『世界で〜(ry』の主要メンバーでしょ!!

「最近どうも『世界で〜(ry』のネタが雑だって苦情がきてんのよ。」

え?誰??

「俺〜!!」

よし。伊吹。歯ぁ食いしばれ………。

「えっ!?ちょっ!?グーは止めようよグーは!!ってか作者!!”本編でネタが尽きた”とか友人に話したらしいじゃんか!!」

ああ。言ったが?

「だとしたらなんで続けてんの!?」

あ〜。はいはい成る程ね。理由は俺の中じゃ一応、卒業式までやるつもりだから。

「うわっ、長っ!!あんなにダラダラやってったら終わんねーよ!!」

あ、時間だ。また次回〜。

「「都合悪くなったからっておわらせるなーっ!!」」

「………あと最近、あとがきにキャラ出てるのはネタがないんだと思う…」

黙れ政。

「すいませんでした。」

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