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18 イケメン超能力者(2)

「私は泣かないし、許してもらうようなことは何もないわ。それに今はパンタロンを穿きたい気分なの。あんたなんかに私の脚線美を見せたくたいの。」


「くうっ、ちっくしょう、こんな侮辱、僕ちゃん絶対許さない。くらえ、衝撃波はマックスだ」


プリンセスは立ち上がる余裕は全くなかったので、道路上を転がって必死に光線を避け続けた。イケメン超能力者はますますいきり立ち、持っているエネルギーをことごとく使って衝撃波を発し続けた。


「くそっ、これでもか、これでもか」


プリンセスは必死になって避け続けたが、しばらく避け続けた後ゆっくりと立ち上がると、いつものフラワーバリアーとは違った淡い黄色の薄いバリアーを張り巡らした。


側から見るとバリアーというより黄色い霧が彼女を覆っているような感じで、彼女の姿は見えなくなった。


「ははは、そんなことをして隠れたつもりか?そこにいることは分かっているんだ。さあ、これで最後だ、それ!」


エネルギー衝撃波は確実にプリンセスがいると思われる霧の中へ入っていくのだが、まるで反応がない。イケメン超能力者はそのことを不審に思った。


「おかしい、さっきまでは光線を避け続けていたのに、今は光線が黄色い霧の中に吸い込まれていく。どういうことだ。」


「ふふふ、どうやら引っかかったようね。あなたの光線を避け続けたのはあなたを興奮させ、あなたを疲れさせ、消耗させるためよ。


あなたはむきになってエネルギーを放出し続けたので、途中から明らかにあなたは消耗し、あなたの光線はレベルダウンしていったわ。


霧のように見えたのは、薄いバリアーを張ってあなたの弱った光線を私が吸収していたの。つまり私が吸収できてしまうくらい光線は弱くなっていたってこと。


逆に私はあなたのエネルギーを吸収してパワーアップしたから、大量のエネルギーを必要とする魔法を使えるわ。もうあなたはフラフラで何もできない状態のはずよ。さあ、今度は私の番よ。いくわよ、異次元バルーン!」


「うわっ、何だこれは?」


プリンセスの体から花柄の膜のようなものが出てきてみるみるうちに広がり、イケメン超能力者の体を包んでしまった。そしてそのまま消えてしまった。


イケメン超能力者は死んでしまったのだろうか。


「ふふふ、この魔法は、花柄のバルーンで相手を包み、そのままどこか遠くへ瞬間移動させてしまう魔法よ。遠くの山の中へ行ってもらったの。


傲慢な人には、大自然の中で素朴な生活をしながら、己を見つめ直して、せっかく授かった超能力の正しい使い方をよく考えてもらいたいわ。」

 一件落着したところで妹のマーガレットがやって来た。

「プリンセスお姉さま、さっきの魔法すごかったわね。かなり体力使ったんじゃない?この前できた、あのモーツァルトが聴けるカフェでジェラート食べましょ。」

「いいわねえ。」

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