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13 ボランティア(2)マーガレットとハルオ君

「お姉さまは恋をしたことある?私、子供の時から恋に憧れていたんだけど、恋って辛いのね。」

そう言ってマーガレットは急に泣き出した。大粒の涙が頬をつたっている。


「えっ、あなた、誰かに恋しているの?それって誰?まさかこの地球の人?」

「うん。一緒にボランティアをしている学生たちの一人。大学生なの。名前はハルオ君っていうの。」

「恋が辛いってどういう意味なの?」


「私、ハルオ君と一緒にボランティア活動をしているのがとっても楽しいの。ハルオ君は話好きで時々ジョークを言ったりしてユーモアがあるし、私が困っている時とか自然体で助けてくれるのよ。


気がついたら好きになっちゃったみたいで、その証拠にハルオくんが他のボランティアの女の子と楽しそうに話しているのを見ると辛いの。胸が苦しいの。」


「まあ、恋ってそういうものなんじゃないかな。子供の頃って恋愛に憧れてバラ色って感じのイメージをもっていたけど、実際は楽しいことばかりじゃなくて苦しい面もあると思うわ。


でも失恋したわけじゃないでしょ?ほのかな恋心で、相手を観察しながら接するのって楽しいと思うけど。そんなに辛いの?」


「それがね、最初のうちはとても優しかったし楽しくお話ししてボランティアやってたんだけど、なぜか急に先週から冷たくなったの。


他の人たちとは今まで通り楽しくやってるんだけど、どういうわけか私にだけ、まるで目の敵にしているかのように辛くあたるの。何だか別人になってしまったみたいな感じで。


だから二週間前まではほのかな恋愛感情を温めながらいつも楽しく過ごしていたのに、今は毎日のボランティアの時間が地獄なの。もうやめちゃおうかな、なんて思ってるくらいなの。」


「彼と何かあったの?何か些細なことで喧嘩しちゃったとか?まさか告白しちゃったとか?」

「告白するなんてまさか。全然喧嘩とかしてないし、何も思い当たることがないから余計に辛いのよね。」


「そっかあ、どうしてなんだろうね。まあ、とりあえず今日からここで一緒に住みましょうよ。1日1日を大切にして楽しく暮らしましょう。隣に空いている部屋があるからどうぞ使って。


そこが今日からあなたの部屋よ。身の回りのことやわからないことはコパンのアネモネやモンちゃん、リスくんに聞いてね。今夜の夕食から一緒よ。明日からは一緒に登校しようね。じゃ、またね。くつろいでね。」


 プリンセスはひとりになるとあれこれ思いを巡らした。もちろん悩みは自分で解決しなければならないのだが、時には助けが必要なこともあるだろう。


今の妹は手を差し伸べてあげる必要があるような気がする。妹のために何かできることはないだろうか。話を聞いていると、そのハルオ君という人に最近何かあったのではないかと思えてならない。


そこでプリンセスはモンちゃん、リス君、パピヨンちゃん、カマキリくんなどのコパンたちを五体集めて、ハルオ君の周辺を探るように指示した。


そして約一週間した頃、妹のマーガレットが寝ている最中に報告会を開いたのだ。妹には知られないようにして極秘にことを進めたいと思ったからだ。リス君、パピヨンちゃん、カマキリくんなどのコパンたちがそれぞれ録画した映像をモンちゃんがうまくまとめて編集してくれたものをみんなで見たのだ。全体的には特に問題無いようであったが、映像の後半にとんでもない場面があった。

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