第25話 食材調達inスーパー
キャラ紹介。かくかくしかじかありまして、スライムに意識が移って人間の見た目を模倣している状態のシオンちゃん。
名前:シオン
性別:女(現在の体はスライムが人間の姿になっているので、一応性別無しみたいなもの)
年齢:現在秘密
誕生日:現在秘密
身長:135㎝
体重:35㎏
・異世界人。元の体は低身長の成人済み女性。
・見た目は現在の紡祇くんがそのまま小学4年生になった状態。髪が現在の紡祇くん銀色で現在のシオンちゃんが青色と、髪の色が違うこと以外は姉妹にしか見えない
元々は紡祇くんと同じ体を共有する予定でした。そしたらなんか……なんか、ロリ型スライム娘出来ちゃったよ。なんでだろね。
今後、どうしてシオンちゃんがこうなったのか本編で説明されるので、お楽しみに。
それでは本編へどうぞ。
「じゃ、俺はシオンと一緒に食材選んでおくから、翔流は自由にしててくれ」
「りょーかい。終わったら連絡よろしく!」
店に入るなり翔流にそう伝えて別々に行動をする。今回は晩ご飯の調達だけなのであまり時間は掛からないだろう。
買い物カゴを持って野菜売り場に向かう。
出掛ける前に冷蔵庫を確認した時、食材はあまり無かったのを覚えている。残っている食材も使うのも良いが、ほとんどが最近買ったものだったので4人分新しく買った方が下手に考え事を増やさなくて楽だろう。
いや、その前に全員の要望を聞かなければ。一応大人数での泊まりになるんだ。勝手に決めるのは良くない。
翔流は「美味ければ何でも良いぜ!」って言うだろうから聞かずにスルーしておいて、紡祇とシオンの意見を聞こう。
ポケットからスマホを出して届いたメッセージを確認する。
綺羅星から数十件メッセージが届いているのは無視して、紡祇から届いたメッセージを見る。
『今日の晩御飯はそうめんが良いな』
買い出しと聞いて察していたのか、こちらから聞く前に教えてくれた。可愛らしく「お願い」と言っている猫のスタンプと一緒にこのメッセージが送られている。
素麺か。そういえば今年はまだ食べてなかったな。
先週の土曜日に泊まり行った時にも、今年はまだ素麺食べてないって話をしていたからな。紡祇もそれを思い出したのだろう。
と、いうことで本日の晩ご飯の一つ目はそうめんで決定だ。ネギ買っとかないとな。
買い物カゴに長ネギと大葉を入れて素麺を探しに麺類コーナーに向かう。その間にシオンにも何が食べたいか聞いてみよう。紡祇の記憶を通してこの世界の料理くらいは知っているはずなので、興味があるのがあれば答えてくれるはずだ。
「なぁ、今日の晩御飯は何にしたい?」
道中にあった2倍濃縮麺つゆをカゴに入れながらシオンに聞く。
「え、あ、僕?」
「そうだ。お前だ」
聞かれるとは思ってなかったのか驚いた表情をしている。
そこまで意外だったのだろうか。
確かに第一印象は最悪だが、シオンからもう手を引くと言ったので今は一応和解という形を取っている。「以前は敵対してたから和解しても仲直りしません」だなんて子供じゃあるまい。それに、あまり状況を知らない紡祇からしたら、友人と初対面の人が変にギスギスしていたら居心地が悪いだろ。
まぁ、だからと言って信用しきるのは不可能だから、こうして俺が居ない所で紡祇と接触しないように、翔流とシオンを連れて買い出しに来たのだが。
「じゃあ…………お肉をミンチにして固めたやつ食べたいな。この世界だとどう言う名前だっけ」
少し悩んだ後、ジェスチャーを交えながら教えてくれる。
「多分ハンバーグだな。ほら、あそこにあるだろ?」
冷蔵されている暖めるだけで出来上がるレトルトハンバーグを指差す。
俺の指差した場所に小走りに向かう。
今の彼女の身長はおよそ135㎝程だろう。確か小学4年生くらいの平均身長だったはずだ。そんな低い身長必死に背伸びして上の棚に置いてあるレトルトハンバーグを確認する。
「そう!これ!これが良い!」
「そうか。じゃあ、それも作らなきゃな」
「うん!ありがとう!」
珍しく声を張り上げるシオン。そこまで気になってたのか。
まぁ、肉をミンチにして固めるくらいなら、異世界でもありそうな料理だし、好物の料理だったとしても不思議じゃない。
それにしても、シオンの要望が炭水化物じゃなくて良かった。炭水化物は素麺で済ますつもりだったから、ここでチャーハンやカレーが出てきたら栄養バランスがかなり偏ってしまう所だった。
素麺を探し出してカゴに入れた後、牛乳と玉ねぎとパン粉を探す。
ニンニクはチューブのやつが冷蔵庫に残ってあったから大丈夫だろう。デミグラスソースも材料自体は紡祇の家にあるから、ハンバーグを焼きながら作ってしまおう。
パン粉を探している間に、お菓子売り場でそこそこな量のお菓子を抱えた翔流が見たが、見なかった事にして、ハンバーグの一番肝心な材料である牛豚の合挽肉を探しに店の端の方に行く。
このスーパーでは、お肉だけは量り売りをしてい所がテナントとして入っている。普通の商品みたいに客が手に取って購入するタイプではないので少し手間ではあるが、普通にパックで買うよりも値段が安かったり、質が良かったりするのでよく利用させてもらっている。
紙の番号札を機械から貰って呼ばれるまで順番に待つ。
シオンが並んでいる肉に目が釘付けになっているのを傍目に見つつ牛豚の合挽肉を探す。たしか、番号は122番辺りだったはず。
『79番でお待ちのお客様』
目的の肉に対応する番号を見つけてしばらくすると、機械の音声が俺の番号を呼んだ。
カウンターの奥に居る店員に番号札を渡す。
「122番の牛豚ミンチ。1キロでお願いします」
「はいよ!」
店員に番号と量を伝えて入れてもらう。
1個およそ100グラムで、翔流と俺と紡祇が最低2個数ずつ、シオンは最低1個と考えて、合計7個数。翌朝少し食べれるように少し多めに作ると考えれば1キロが妥当か。
店員から肉を貰ってカゴに入れる。1キロもなれば流石に少しカゴが重い。
「シオン。そろそろ行くぞ」
「はーい」
変に絡まれないように翔流が居るであろうお菓子売り場を回避してレジに向かう。
もう遅い時間だ。晩ご飯の支度の為に買い物に来る主婦もある程度掃けてきた頃だろうとは思っていたが、想像以上に客が並んでいなかった。
こんなにも人が居ないということは多分あの人が来てるな。
軽くレジの店員さんの顔を見て、見知った顔が立っているレジに並ぶ。
並ぶと言っても、並ぶ程の人数は居ないのでほとんどレジ打ちまで直通だった。
「あら~。信世くんじゃないの」
「こんばんわ内林さん」
店員のおばさんに挨拶をして買い物カゴを置く。
「今日は紡祇ちゃんと一緒じゃないのね」
「ええ、今日は友人の妹とです。皆で紡祇の家で泊まるんですよ」
内林さんがレジ打ちをしながら話し掛けてくる。
小さな女の子が一緒に付いて来ているのが気になったのだろう。本当の事は言えないので友人の妹として紹介する。
「いいじゃないの~。あ、今さっき翔流くんも見たけど、もしかしてあの子も今日お泊り?」
「そうなんですよ。紡祇と俺とアイツとこの子と、それと友人の5人で泊まりです」
流石に友人の妹だけ男三人に預ける人なんて早々居ないだろうから、架空の友人も泊まりに来ているという体にして話す。
カゴに入っている量も5人分と言えば通りそうな量なので納得してくれるはずだ。
話している間でも、内林さんの手は一向に止まらない。むしろ早くなっている。レジに並んでいる人の数が少ないのはやはりこの人のお陰だったか。
内林さんは、この時間のレジ打ちの中で一番早い店員さんだ。この人が出勤してるかどうかはレジ待ちの人数で分かるくらいには特別速い。紡祇と来る時は毎回この人の顔を探して並ぶので顔見知りになってしまった。




