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第1部 「アリスの世界」

ここは・・・


アリスの国・・・


夢落ちで終わる世界


だが・・・


実際はそうではなかった・・・。


この世と重なり合ったことで・・・


アリスの国が崩壊し始めたのだ・・・


絵本が・・・


今・・・


現実になろうとしていた・・・




黎奈(れいな)!どこ行くの?」

「図書館に本を借りに行くのよ。」

「黎奈は本当に本が好きなんだね。今日は何を借りに行くの?」

何気(なにげ)ない会話・・・

何時(いつ)もそばにいる大親友。

私の名前は[東野(あずまの) 黎奈(れいな)]クラスのみんなからは[レイナ]と呼ばれている。

私は、毎週必ずと言っていいほど国立図書館に本を借りに来ている。

今回借りに来た本は「不思議の国のアリス」ずーっと気になっていた本んだ。

夢落ちで終わる本。他の本はみんなHappy endで終わっているのにこれだけは違う。あ!あった。

玲奈は本を見つけると本棚からその本を取り出して胸の前で抱いた。

「助けて・・・」

えっ!!今、助けてって声が聞こえた気がしたんだけど・・・、気のせい?

「助けて・・・。私をここから出して・・・」

また?確かに今声がした。本の中から・・・?

本の中から?まさか・・・ね。



アリスの国・・・


玲奈が聞いた声はまさしく


アリスの声だった


感違いなんかじゃない


本の中のアリスが


あなたに・・・


助けを・・・


求めたのです・・・


「アリスは、不思議なウサギを追いかけて穴の中に入って行きました・・・。」


玲奈は家に帰ると早速[不思議の国のアリス]を読み始めた。[不思議のアリス]を読みながら寝てしまった。目を覚ました玲奈が見た物・・・。それは、血の色で染まった、戦い多きアリスの国。玲奈の顔から血の気が引いた。辺りを見渡すとそこには死人(躯)の山があちこちに・・・、森は枯れ、草花は一輪もない。

「何・・・これ・・・。」

やっと出た言葉がこの言葉だった。

「助・・・けて・・・。」

突然聞こえた声に玲奈は肩を震わせた。そして、声のした方を見た。

すると、そこにはボロボロの服を着た「アリス」がいた。「アリス」は玲奈に気がつくと

「あなた・・・誰・・・?」

玲奈に声をかけた。

玲奈は恐ろしさから声が出なかった。

それは・・・[アリス]の顔が[血]にまみれて[アリス]手には[拳銃]と[死人(躯)]があった。

「貴方は誰・・・?」

「アリス」はもう一度玲奈に聞いた。

玲奈は恐ろしい気持ちがいっぱいで「アリス」の顔を見れなかった。

「れ・・・いな・・・。」

「・・・なに?」

「東野 玲奈・・・です。」

玲奈は[アリス]の顔を見ないまま答えた。

「れ・・いな・・・?いい名前だね。」

[アリス]は首をかしげながら言った。玲奈はビクビクしながらアリスの方を見た。アリスは血に染まった顔で「ニタリ」と笑った。それを見た玲奈は目の前が真っ白になった。

ドォン

急に銃声が聞こえた。

銃声のした方を見るとそこにはやはり、拳銃を持ったトランプの兵たちがいた。

「☣○☤◆☯☆§。」

玲奈には何を言っているかわからかった。

「ほんとにしつこいな。女王陛下を殺したのは私じゃないってば。もう!れいな!そこどいて!」

「えっ!」

女王陛下を殺し・・た・・・?何を言っているの?

アリスはさらりとそう言った。

「ねぇ、アリス?どうゆうこ・・・と・・・。」

「うん?何が!もう!ほんとにしつこいなぁ。ありす、もう怒った。」

そう言った次の瞬間だった・・・。

ドォン・ドォン

と、銃声が鳴り響いたのは・・・。玲奈は「はっ!」っとしたように顔を上げた。玲奈は口を手で覆った。

玲奈が見た先には真っ赤に染まったトランプの兵士たちが横たわっていた。目の前が真っ暗になった。耳は次第に遠くなった。何が起きているのかさらにわからなくなった。恐る恐る玲奈はアリスの方を見た。アリスは兵士たちを見て「ニッコリ」笑ったかのように見えた・・・。

「れいな!ごめんなさい。あなたがいることをすっかりと忘れていました。」

「・・・。」

「れいな?どうしたのれいな!」

玲奈は固まってしまった。次に()られるのは自分だと思ってしまったから・・・。

「な、なんでもない・です・・・。」

「なんで、れいなは私に敬語でお話しするの?普通に話してよ。」

「そ、そだね。こ、これからは、ふ、普通に話すね。」

言葉がうまく出てこなかった。きちんと話そうとすればするほど言葉がうまく出てこなかった。

ここはどこ?なんで私はこんなところにいるの?これは夢なんじゃないの?

そう思いながら玲奈は地面に倒れている兵士を触った。

生暖かい『ドロッ』としたものが玲奈の手にたくさん付いた。そして、滴り落ちた。兵士の体は硬直し始めていたから温かくはなかった。玲奈の顔は再び青白くなっていた・・・。

「・・・。」

言葉が出なかった。だって・・・、だって、『血』が・・・私にも流れているのと同じ『赤い血』が・・・。私は表情が無くなったかと思った・・・。

「れいな!どうしたの?」

アリスが話しかけてきたけど反応することができなかった。ただ・・・、ただ、思ったのは・・・

誰か、私を救って・・・

このことだけだった・・・。

「れいな?ねぇ、大丈夫?」

アリスが玲奈の肩に手を掛けようとしたその時だった。

「その手を彼女の肩に乗せるな!『血染めのアリス』!」

血・・・染めのア・・・リス?誰のことを言っているの・・・?そして、なんの話をしているの・・・?貴方は・・・だれ・・・?

「お前はだれ?玲奈のなに?」

「お前に名乗るほど俺は偉くもなんともない」

そう男は言った。

それを聞いた『血染めのアリス』は、顔を歪めた。

「なにそれ・・・。」

「なんでもないよ。ただ・・・。この人をこの戦い巻き込みたくない・・・」

「玲奈のことが好きなの?」

「好き・・・か、そうだな。そうかもしれない・・・。」

男はそう言って横倒れている玲奈を抱き上げた。アリスはそれをじっと見つめていた。

「まって・・・。待ちなさい!ここは私の世界なのよ。」

「知っているよ。でも・・・」

「彼女はお前のものじゃない。」

アリスの顔は青ざめた。

そして、口を開いた・・・。

「お前の名前を教えて。そうしたら見逃してあげる。」

「まぁ、仕方ないね。俺の名前は神崎かんざき れん


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