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月夜譚 【No.201~No.300】

過去と現在 【月夜譚No.274】

作者: 夏月七葉

 昼休みにカードゲームをするのが、流行っていた。トランプは勿論、動画配信の企画でよく見るゲームやアニメのキャラクターが元になっているものまで。とにかく誰かが学校に持ってきたものを、一つの机に集まってわいわいやるのが楽しかった。

 勝っても負けても笑顔が絶えなくて、今になって思えばゲームの良し悪しというよりは、皆で巫山戯合うあの時間が楽しかったのだろう。

 クラスメイトの悪戯っぽい笑みを思い出しながら、青年は自室のベッドに倒れ込んだ。自然と溜め息を吹き上げて、見慣れた安普請の天井をぼんやりと見つめる。

 あの頃は、純粋な気持ちでゲームができた。しかし今は、そんな綺麗な感情は何処にもない。

 どうしてこんなことになったのか、思い返すだけで頭が痛くなる。これが夢なら良いのにと、今日だけで何度思ったことか。

 今日からすっからかんの一文無し。数カ月前からハマってしまった賭け事のお陰で、一気に人生どん底だ。

 自身の悪手に血の気が引いた瞬間と学生時代の楽しかった気持ちが身の内で反発し合って、気分が悪い。

 ――今日はもう寝よう。

 青年は逃げるように瞼を閉じた。

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