三章はピリリとカラシ
──VR戦争 実行 委員会・役員 会議──
「今次 対戦は、人型メカが主役! 視聴率 向上 と 賭博 参加者の増加を見込んで、兵器の外見 CGは女の子に差し替えるべきです!」
「……フム。一理あるな、皆はどうか?」
「メカメカしいのが いいに決まっとる! 戦闘に色香を求めるなど、言語道断!
なにより、攻撃を受けるたんびに首がもげたり、腕が吹っ飛んでは、色気もなにもあるまい!」
「これだから、石頭は!
アーマーを着せて、部位破壊を導入すれば済む話ではないですか!? その程度の認識ではオワコンですよ?」
「なんだと!? チャラいアイデアなんぞ出しおって! ど~せ、攻撃を受けた部分が はがれて半裸になってくのをウリにするんだろ!
今時を語るなら、コンプラぐらい考えろ!」
「──なッ?! コンプラぐらい、こっちだって……
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── 航宙 戦艦 長門 (第一 艦橋) ──
「……で?」
「はぁ……結局、従来どおりの兵器の外見と 少女の外見、両方 やるそうです。
ひとまず、視聴者が任意で切り替え可能にして、あとは反応 次第、と……」
「……アーマー破壊は?」
「基本、頭部にはバイザー、肩には肩当て、腕には小手、足にはブーツを はかせ、一定のダメージを受けると それが外れる形にするのだとか」
「……ちょっと待って。肝心の胴体は?
たとえ、ニセモノの外見でも、胸がはだけたり、スカートがちぎれたりは、現場が嫌がるわよ?」
(とくに今のドライ軍は女子 児童まで徴用してるんだから……)
と言いかけて、口をつぐむ。
副官がパラパラとルール ブックをめくり……
「えっと……人型の胴体には基本、操縦席があり、そこが破壊されること イコール、撃破となる、と あります」
「……小破とか 中破とかは、ないんでしょうね?」
「そのへんは顔のCG──表情……を、ちょっと……ゆ、歪ませたり、ホホを赤らめたり……といった表現が加えられるようで……」
「………」
(国家 経済が破綻しなくても、視聴者の人格が破綻するんじゃないかしら……?)
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『いたぁっ?! よくも、やったなぁ~? ういういしさビィ~ムっ♥』
『きゃあっ?! いたぁい☆
こっちだって、負けてないんだからぁ~っ!
みらくるビィ~ムっ♪』
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「……どういうことかね、これは!?」
「は、はぁ……スタッフの悪ノリと申しましょうか、なんと申しましょうか……
しどろもどろの言い訳を口にするチーフ。
「副音声? バイリンガル? こんなのが認められる訳ないだろう!」
「……はぁ、ですから却下したのですが……。
スタッフの一部が……その、勝手に試作した音声データを持ち帰って、ですね。
個人で作成したと称して、ネットに頒布したようで……」
「音声が、顔の表情やら仕草やらとタイミング バッチリではないか!
スタッフが関わっとるのがバレバレだぞ!?
こんなのをコッソリ作るとは、けしからん!」
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── 長門 艦橋 ──
「……と、言うわけでして」
「あぁ……こないだの地上戦ね?
我が軍の……あ~……?」
「アンクウ大戦車 軍団 VS 宵闇のチワワ隊です」
「……たしか、アンクウ軍団の戦車は人型に変形する最新型で、構成員は ほとんど女子 高生だったわね?」
「はい……。ショーン軍のチワワ隊は、地上戦 対応のイヌ型メカで、こちらも人型に変形するタイプです。
……ただ、ほとんどのパイロットは成人 男性だとかで……」
「………」
(((うわぁ……)))
聞くともなしに聞いて……もとい、興味しんしんで耳を そばだてていたデッキ クルーを巻き添えに、長門の艦橋に重い沈黙が降りたのであった。
今更ですが、ゲームの素案、第3弾♪
ガン◯ムの登場キャラを他の漫画やアニメの女性キャラに置き替えた萌えゲーを公式 認定、かつ、全年齢で作れないかナァ?と考えたのが元です。
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題名に ‘MOE(萌え)’ を付けておきながら、萌え要素が欠片も見当たらない!
こりゃ、イカン! とにかく遺憾!
と気づいて、どこらへんが萌えなのか、急遽、説明させて頂きました。
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『外見CGを女の子に~』
機動 武◯伝で、師匠とバカ弟子の機体の頭部が、なぜか それぞれのパイロットの顔になるのを、出てくるメカ全てにやろう、手も足も胴体も全部……全身でやろう!と考えたのが元です。
ついでに外見を『服』にしよう!とも。
分かりやすい例だと『ド◯』。
まんま、弁慶とかの僧兵が原型ですから、楽勝です。
(ウケ狙いで強引な解釈をして、黒セーラー服にしてもヨシ?)