これも計算のうちか、序章ッ!
──505高校・応援団 部室──
今日も男装執事が紅茶を入れる。
“コポポポ…………”
ポットに注がれる お湯の音をイントロに、机で まどろむ団長の脳内にアニソンが流れ だす。
『キッズ戦史 ガンダルヴァ』のテーマだ。
(コポポポポポォ~……
テッテテン、テッテテン♪ テッテテテ、テン♪
"萌えが、あ~r
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──世紀末、温暖化が急速に進行する惑星ドライから人類が脱出して三世紀……。
気候の落ち着いたドライに いち早く舞い戻った一部 人類が権益を主張、ドライ連合を名乗り、巨大 人工 衛星 国家群に宣戦を布告。
国家群は協議の末、惑星ドライにもっとも近いショーン皇国が対戦相手を務めることとなった。
なお、戦死者の発生による経済 破綻を防ぐため、対戦はモトコ・ヨコヤマの提唱するVR形式が採用された。
今、ここに巨大権益を巡る戦いの火蓋が切って落とされる……。
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宣戦布告から一ヶ月後、両軍の艦隊は指定の対戦 場所、ムーメ宙域にて対峙していた。
ドライ連合 200隻
ショーン皇国 100隻
衛星 国家群は総力を上げてショーン皇国を支援したが、戦力差は歴然であった。
加えて、ドライ連合軍は兵員の ‘質’ にも絶対の自信を持っていた。
扱いにくい人間の軍人たちを大量にリストラ、クリスダガー社製のアンドロイドに置き換えていたのだ。
アンドロイドの戦闘行動は正確無比。感情を持たないがゆえに恐怖を知らず、どんな無茶な命令にも従い、反乱の恐れもない。
200隻のドライ艦隊から、千機を超える戦闘機が飛び立つ。
対するショーン艦隊も、秘密兵器であり虎の子でもある人型兵器 ザックスを繰り出していた。
戦闘 開始 早々、ショーン軍はカクレミノン粒子を散布し、レーダーや誘導兵器を無力化。
有視界 戦闘を強いられるドライ軍。
意外や、ショーン軍のワンサイド ゲームになるかと思われたその時……
『『『ミラクル変形』』』
ドライ軍 戦闘機コックピット内で 音声指示が出されるや、機体が人型に変形。
ドライ軍 新型 宇宙 戦闘機ワルキューレの秘密 機能である。
ドライ軍は、すでにショーン皇国の人型兵器に関する情報を入手、秘密裏に対抗策を用意していたのだ。
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──結果から言えば、ドライ連合の惨敗であった。
ショーン皇国は、兵器の性能を底上げするシステムを独自に構築していたのだ。
一に、兵員の質を一時的に高めるアイテム。
香りで集中力を向上させるマジック アロマ。
気分を高揚、戦意を高めるバーサク ミュージック。
かむことで気分を落ち着かせるシノビ ガム。
二に、感情の高まりに応じて攻撃力・防御力・機動力を増すオーラ装甲、ならびにオーラ機関。(増加率は最大で三倍とされる)
もっとも、同じシステムをドライ軍が用意できていたとしても、同じ結果は出せなかっただろう。
なぜなら、アンドロイド兵には感情が ないからだ。
ともあれ、第一ラウンドを制されたドライ連合に、ショーン皇国の惑星降下作戦を阻止する権利はなかった……。
類義語
505
SOS
ワルキューレ
バ◯キリー
クリスダガー
来◯川
キッズ戦史 ガンダルヴァ
機動◯士 ガ◯ダム
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《モトコ・ヨコヤマ、何者ぞ?》
モトコ・ヨコヤマ
↓
モトコ・ヨコヤマ モトコ・ヨコヤマ モトコ・ヨコヤマ……
《ヒント》
‘モトコ’ から ‘コ’ を抜くと……
「……わかった! ヤマモト・ヨ……むぐ?!」
‘それ以上、いけない’