エクレア
"エクレアたべよ。"
我慢しすぎと周りの友達に言われて、
コーヒーショップで、
エクレアとカフェ・オ・レ
至福のとき。
"自分のために生きよう。"
由香里はよく分かった。
自分が鬱になった理由。
真面目すぎるって、
罪かもしれない。
由香里は父親を、
介護施設に入居させた。
週一回会いに行くと、
嬉しそうに父は笑う。
母が亡くなって5年。
無理を貫いた自分。
今はSSRI、つまり
抗うつ剤一錠で
済んでいる。
もうすぐ、治療は終了する。
由香里は一人ものであったことを
後悔してない。
エクレアがあれば十分。
子供のころ、魔法のように、
美味しかった、エクレア。
今も美味しい。
ぽとりと涙が落ちる。
"私、幸せだ。"