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聖女と接触、家出の勧誘をする

 白いエプロンのようなものを付けた黒い服。

 メイドの衣装。

 だが来ている本人たちの髪はほつれ、手には各々武器を持っている。


 その武器にもゆらゆらと炎が揺らめいていたりと、魔法のかかった武器や、今まさに魔法が発動していたり、攻撃系の魔法だろう、それを撃とうとしているようだった。

 対してクレアは、彼女の愛剣を手に、反撃をしているようだった。

 それでも顔見知りな点と、この部屋にかけられた体の動きが徐々に弱くなる魔法と……人がそう簡単に入ってこれなくなるような、例えばドアなどが開きにくくなる系の魔法が使われている。


 ……でも私、さっき簡単にドアが開いたわよね? と思ってみたら、ドアごと外れかかっているのが見えた。

 修理費が、と一般人な私は頭に浮かんだがすぐにそれどころではくなった。

 侵入者である私に向かってそのメイドたちが一斉にこちらを見る。


 暗い中で肉食獣のような輝きが彼女たちに一応に見て取れる。

 だがそれ以上に不気味だったのは、一斉にこちらを見て首を傾げた点だ。

 直角に曲がる、人間の動きにしては不自然で不気味な、特定の共通する意思によって行われたこの動きにおぞけが走る。


 なんだこの光景は、と思うと同時にそこでクレアが、


「リセ、逃げ……!」

「……とりあえず、状況が分からないなら、分かるようにすればいいわね。確か、能力開示でその人の状態も分かるんだったかしら。【ステータス・オープン】」


 そう告げる。

 範囲はどの程度影響を及ぼせるのかは分からないけれど、とりあえずはこの部屋の範囲のメイドたち全員を対象にする。

 魔法は意思によって発動するため、その範囲も意思によって決定する。

 

 ただその認識がそういった形で行われるのかは分からない。

 上手く範囲設定が出来るのか、それとも範囲には条件があるのか……。

 そこまで流れてきた知識を私は頭の隅に押しのけた。


 今はそれが【使えれば】いい。

 それでだめなら後で考える。

 バッサリと思考を削ぎ落して、けれど実の所そこまで考える必要はまるでなかった。


 メイドたち全員のステータスが表示される。

 それには魔王の配下によって傀儡済み、と書かれている。

 分かりやすいし全部表示出来ていいわ、と私は思った。と、


「リセ、貴方……」

「話は後! ……となると洗脳を解除するか消すか……解除の方が面倒くさい。なら、今回初めてだけれど使えるか試してみるわ」


 そこで混乱したように動きを止めていたメイドたちがこちらを見たまま首を元に戻していく。

 どうやら狙いを【邪魔もの】である私の方に変更したらしい。

 でもその時には、私自身の【固有魔法】(チート)を使用していた。


「ふう、上手くいったようね」


 次々と魔王の配下によって傀儡済みの横に表示される、『その魔法を解除、気絶する』の効果に書き換えられて、メイドたちが倒れていく。

 そして全員気絶した所で、呆然とこちらを見ていたクレアが、


「助けてくれてありがとう。でも、貴方リセじゃないわね? 似ているけれど……貴方は誰?」

「詳しい説明はここから離れからでいい?」

「ええ、そうね。そちらの方が良いわ」

「それともう一つ私からお願いがあるの」


 そう私は声をかけるとクレアは不思議そうにこちらを見たので私は、


「とりあえず私と一緒に【家出】してもらえるかしら」


 そうお願いしたのだった。

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