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「なろう系小説」を読む時気をつけたいこと

作者: クマもっと

 こんな駄文を読んでいただけたことに深く感謝致します。ネットで検索すると「なろう系」という言葉を時たま目にしますね。はっきり言いますが私は近頃なろう系小説を嫌うようになりました。勘違いしないでいただきたいのはなろう小説が嫌いではない、「なろう系」小説が嫌いなのです。そしてなろう系小説に浸りすぎる書き手や読者を私は「なろう症候群」と読んでいます。snsで検索してもヒットしなかったので私の造語でしょう。私自身もこのなろう症候群に罹患しています。

 少し本筋からそれますが私自身の話をします。私が小説家になろうを利用し始めたのは2011年、高校1年生の頃でした。当時お金もなく住んでいたのがすごく田舎でした。図書館にある本もそれほど多くなく読みたい本が無くなった時期です。本を読む事が生きがいだった私は活字に飢え偶々小説家になろうというサイトをみつけました。それからはなろう小説を読み漁りました。今は無いアルカナオンラインや魔法使いの劣等生、この素晴らしい世界に祝福をなど。なろう小説を読んでいて一番感動したのは、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか」に出会えた事です。掲載されてわずか一ヶ月程何のコメントも無しに消えたこの小説、2年後偶々本屋で目にし再びベルの冒険譚を読む事ができる事を大変嬉しく思いました。本当に小説家になろうというサイトが大好きでしたし、今でも好きです。しかし、なろう系は酷く嫌いです。

 本を読む事、それは自分との対峙であったり一つの休息であると思います。登場人物に感情移入し喜怒哀楽、苦悩や解決策を模索する姿に感銘を受ける。それが読書の醍醐味です。また、自分と似たような境遇の人物が報われる姿を目にし心を休める効用もあると思います。その面で言えばなろう系も必要でしょう。嫌いと申しましたが時たま私もなろう系小説を読んでしまいます。しかし、なろう系小説ばかりを読んではいけないのです。なろう系小説を読んでいても人生において何の解決策も得られないし、おいては同じような思想を持つ人間になってしまうからです。 

 なろう系小説でよく見られるのは「復讐」、「ざまぁ」といったキーワードです。何の能力もない主人公が突然力を与えられ今まで馬鹿にされていた相手を馬鹿にする、貶め周りにちやほやされる。そのような作品が多い気がします。主人公に葛藤はみられず努力もしないのに周りに認められるのです。いき過ぎた自己承認欲求と相手を憎む気持ちが強い。そのように感じます。なろう系の最も唾棄すべき特徴は筆者、または読者のコンプレックスを醜い形で満たすだけだからです。これは近年のマスメディアの放送する内容にも言える事です。これは私の主観であり偏見であるかもしれませんが、確かにそうだと確信しております。

 日本に来た外国人が日本の事を褒める番組や特定の国の嫌なところだけを挙げつらった報道を見て快感を覚えたりしませんか。逆に他国のいいところを報道する番組が少ない気がするのです。有名人が失敗したら過度に謝罪を求めたり、失敗した人物に贖罪のチャンス(再び返り咲けるような機会といえばいいでしょうか?)が少ないのです。極端な言い方をすれば人の嫌なところにしか目の向かないそのような人間になってはいないでしょうか。私はこのような人達をなろう症候群と呼んでいます。日常生活で不平不満をいうだけになっていないでしょうか。誰かが成功すると祝福せず妬むだけになっていないでしょうか。誰しもがその様な感情を持ち合わせていますが負の感情のみが加速していないでしょうか。その様な時は、人の有様、美しさを描いた小説を読み自分自身を見つめ直した方が良いでしょう。私が気をつけている事は人間の綺麗な面を忘れない様にする事です。

 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 執筆する側からすると、とても励まされる内容です。 こういう方がいてくれるから、僕らはまだ頑張れてるんだなあ、と。
[良い点] このすば や ダンまち のあった時代があったのですね。良い時代ですね。 [気になる点] 今はザマァや復讐を取り入れてる作品が多いし、人気ですよねσ(^_^;)  完全な悪は世の中にはいな…
[良い点] 素晴らしいエッセイですね
2020/04/06 12:46 退会済み
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