朝食はルシアと共に
珍しい朝方の投稿です。
食事を終えて部屋に戻ると、リンは倒れるように眠ってしまった。
流石に長旅で疲れたのだろう。
「銃を手入れしておかないと……」
銃は定期的に手入れをしておかないといけない。
重要な時に故障したらシャレにならないからな。
体感十五分程手入れすると、俺もかなり眠くなってきた。
間違えて暴発させると危ないので、さっさと寝るとしようか。
「──様──ください」
ん……
「リューナ様! 起きてください、朝ですよ!」
「ん……リン? 起こしてくれたのか、ありがとな」
「い、いえっ!」
お礼を言うと、照れながら笑顔を見せる。
癒されるなー、子供らしい素直な表情「ハヤクオキテクダサイ」無機質!? 怖っ!?
やはり、読心術の達人か何かかもしれない。
「よし、今日は……グランに相談に行く」
「了解です!」
やばい、なんにも考えてなかったな。
とりあえずグランの所に行くべきだろう。
相談に乗ってくれるって言ってたしな。
──ぐうぅぅ
「ひぅ!」
………
「取り敢えず、朝食の後にするか」
「り、了解です……」
エントランスにおりると、夜程ではないにしても、沢山の人が食事をとっていた。
なぜか恐怖の目で此方を見る奴がちらほらいるが……俺、何かしただろうか?
席に座ると、程なくしてタヌミミの定員さんが食事を運んできた。
「お待たせしました! 朝食でございます」
もうちょっと朝食の中身を詳しく説明してもらいたいが……。
自分で確認すると、牛乳と黒パン、そしてハチミツらしき物だ。
お味のほうは……まぁま「美味しいですね!」
「ああ、そうだな」
うん、美味しい、多分おいしかった。
朝食を食べていると、昨日の三人組が前の席に座った。
「ふぁ~あ……」
「おい、起きろ漢女」
「誰が漢女だ!? 俺は乙女だ!」
見事に全然調子が変わっていない。
と思ったら、銀髪銀目の大人しそうな奴……確かルシアだったか?
が申しわけなさそうにこっちを見ながら、恐る恐るといった様子で話しかけてきた。
「先日は本当にすみませんでした……」
物凄く反省している様子だ。別にそこまでうるさくはなかったのだが……。
「いえ、こちらこそすみません。先日は無礼な態度をとってしまって」
取り敢えず敬語で会話する。
怒鳴り散らされるとでも思っていたのか、少し驚いた様子だ。
「い、いえ! 完全に此方が悪いので……」
いや……そういう雰囲気だったし、仕方ないかな~とも思っているんだが。
「仕方ないですよ、それに……ルシアさん? は悪くないと思いますが」
「あ、ありがとうございます! あの二人本っ当頭おかしいですよね!」
なんかいきなり元気になった気がするなこの人。
ついでに発言も辛辣さを増している。
「あはは……」
それから暫く、愚痴に付き合わされるのであった。




