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異界大戦 ~異世界転移は戦車と共に~  作者: 初鰹
冒険者達の集い~王都アルセイユ~
22/29

お食事は三人組と共に

部屋に入ると、村とは比べるべくもないほど綺麗だった。

ベッドはちゃんとツインだ。ひとまず安心した。

俺とリンは一休みした後、最低限の荷物だけを持ち、エントランス? へむかった。


おりてみると、酒場のような雰囲気で、人々が何十かの円卓を囲って食事をしていた。


「うわぁっ……すごい賑やかですね!」


「確かに、賑やかだな……」


リンは賑やかなのが嬉しいようだが、俺はうるさいのが好きではない。 

部屋でゆっくり……いや、リンが喜んでいるのだ。我慢してもいいかな。


「あっ、お待ちしておりました!」


タヌミミの少女が案内してくれた席に座ると、同じ円卓に三人程先客がいた。


「はぁ~、もう嫌だぁ……」

「男のクセにだらしねぇな!」

「俺にはあんたが女だって、いまだに信じられないんだが」

「あぁ? 俺はどこからどうみても乙女だろうが!?」

「いや、あんたはどっちかと言うと漢女(おとめ)だろう」

「そうだよ……そもそもなんで僕が盾なのさ、そして、なんでレイナが回復なのさ」

「ルシアッ、てめぇは女に前線をやらせるってのか!?」

「ひぃぃ!? すみませんすみません! 謝るから頭潰さないで!? 助けてキーアさん!」

「……どんだけ払う?」

「鬼いぃぃぃぃ!」



……うるせぇ。食事中は静かにしろや。


「リ、リューナさん? 顔が怖いです!?」


「あ、悪い。取り乱した」


「私、何かリューナさんの気に障る事でも……」

「いや、違う! リンは何も悪くないから!」


「ほ、本当ですか?」

「ああ」


それでも不安そうな表情をしているリン。

はぁ……だから騒がしいのは嫌いだ。


「お待たせしました! お食事になります」


そうこうしているうちに、俺とリンの食事がでてきた。


「おっ、きたか」


「お、美味しそうですっ!」


内容は、パンと牛乳、骨付きの鶏肉のようなものと……ブロッコリーみたいな野菜だ。

中世の食事ってこんなのだったっけ? と思いながら口にはこぶ。


「うーん、まぁま「美味しい!」ウン、オイシイデスネー」


リンは美味しそうに次々とパンを頬張っている。リスみたいだ。

正直、肉は脂っこいし、パンは固いし……日本の食べ物に比べると、決して旨くはないが。

俺達が食べていると、俺の顔面に牛乳が飛んできた。


「プッハハハッ! 笑わせるな自称漢女(おとめ)野郎」

「ククッ……俺は乙女だ!? 漢女じゃねえ!」




……はぁ。




そんなのどうでも良いからさぁ。


「リューナ……様?」



少しは……。


「落ち着いて飯食えねぇのかてめぇらあぁぁぁぁ!!」


「ひぃぃぃぃぃ!? 僕は何もしてません!?」


あ、怒鳴る方向間違えた。


だが、流石に怒鳴り声には気づいたようで……


「あ……悪い、迷惑かけた」

「ご、ごめんな! うちの男どもが!」

「いや、お前もだろ」


はぁぁ……ま、とりあえず謝罪の言葉を頂いたので良しとする。

その三人はすぐに飯を平らげ、部屋へ戻っていった。


そして俺が食い始めると、周りから「あの坊主怖えぇ……」「あの、剣臣の団を黙らせたぞ……」などと聞こえてきた。


ん? 何やら凄い奴らなのか……だとしたら失敗したかもな……


「リューナ様は……マナーに厳しいのですね」


「ん、そうか?」


なぜかさっきからリンが怯えている。

誰だリンを怖がらせた奴! ギッチョンギッチョンにしてやる!




……って俺か?




あと流石にギッチョンギッチョンは無いわぁ……。

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